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殿下、私は困ります!!  作者: 三屋城 衣智子


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71. 療養なんです

 レイドリークス様が退出して、一息ついた後。

 私は配膳してもらった食事を食べることにしました。

 先生からいただいたスープは、野菜が細かく刻んで入っていて、味が体に染み込むような感じがします。

 食べきると、すごくホッとしました。

 少し、体に力が入りすぎていたようです。

 ここ数日は、本当に大変な目にあったのである種当然かもしれません。

 お医者様と先生には感謝してもしきれないな、と思います。


 私はご馳走様を言い終わると、食べ終わった食器を下げるためにベッドから出ることにしました。

 夕方に帰宅できるということは、動く許可も出ているだろうと推測してのことです。

 が、立ち上がった途端ヨロヨロとよろけ、倒れてしまいました。


 ガターン!


 椅子を巻き込んでしまったのですごい音がします。

 うう、まずいです。


「っジュラルタさん?!」


 立ち上がりかけたところで、ウィッシュバーグ先生が駆けつけてくださいました。

 予想より体が言うことを聞かず、お手を煩わせてしまって申し訳ない気持ちになります。


「すみません、転んでしまって。すぐ立ち上がりますから」

「慌てずゆっくりね? リハビリしようと思ったんだろうけど、結構血が抜けてたから、まだゆっくりとしか動けないと思うよ?」

「わかりました。お皿を下げようと思ったんですけど……」

「そういったことは、声かけてくれたらやるよ〜。ま、体を動かすことは禁止しないから、ベッドの手すりとかを頼りにしながら、この部屋の中で、ね?」

「はい。ありがとうございます」

「いいえ〜」


 テキパキとお皿を持っていきながら、先生は衝立(ついたて)の向こうへと下がっていかれました。

 私は今度はゆっくりと立ち上がりながら、ベッドの手すりを持ち、一歩一歩、歩いてみます。

 少しくらりとしました。

 先生の言ったように、やはり血がたりなさそうです。

 動くより回復に努めたほうがよさそうな具合に、再び私はベッドへと戻ったのでした。




 夕方。

 迎えに来てくれたのはお父様とガリューシュでした。

 お父様に抱えられて学校の門をくぐり、馬車で家へと帰ります。

 二日ぶりの我が家です。

 全員で出迎えてもらい、私は自室へと運んでもらいました。

 後二、三日は自宅療養して学校はそれからだそうで、私はどう過ごすか考えを巡らせました。

 が、結局。

 体が休息を求めていたのか、それからまた丸一日ほど、眠ってしまったのでした。

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