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殿下、私は困ります!!  作者: 三屋城 衣智子


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60. 自己紹介なんです

 先生の合図があり、早速方々で自己紹介が始まりました。

 全員で集まれるのは当日のみと決まっていますので、知り合いでない限りはほぼお互いを知りません。

 何ができて何ができないのかもわからない。

 世に出ていく上でいくらでもあるそういったシチュエーションで、どう相互理解を深めるか。

 この演習はそういったことも見られる、なかなかに実践的なもの。

 年長者としてリードしなくては、と意気込んだところで、私の隣にいたカシューがさらりと話し始めました。


「皆様はじめましての方もいらっしゃいますわね。今回は一年生がいないようですので、手短に。わたくしはカシューリアですわ。六年、剣技は未履修、体術は護身術まで、魔法の操作は針に糸を通すが如く。魔法での前衛ができるかと」


 艶やかに微笑みながら、カシューがお手本のような自己紹介をしました。

 学年から、次は私だろうと思い終わると同時に口を開きます。


「私はルルーシアです。六年生、剣技は基礎まで、体術も基礎まで、魔法の操作は枯れ葉の山を燃やすくらいまでなら。あ、手当ての基礎を修めてます。後方支援希望、です」


 剣術体術については、本当のことは言えませんのでいつも基礎までと伝えるのを忘れません。

 ……魔法については、事実です、情けないことに操作がとっても苦手で匙加減ができなくいつも弱すぎたり強過ぎたりそも顕現しなかったり、散々です。

 これだとただの使えない人員なので、いつも手当てのことは言うようにしています。

 せめて怪我とかきちんとフォローできるアピールしておかなくては!


 私の自己紹介が終わったのを受け、今度は私の知らない男子生徒がボソボソと話し始めます。


「ぼ、ぼぼ僕はコッツオ、です。五年で、す。剣術は未履修、体術も、で。えっと、魔法は、えっと、操作はビーズをつなげるくらい、には。後方、希望です」


 おどおどしたコッツオ様の自己紹介すぐ、今度はレイドリークス様が引き継ぎ口を開きました。


「レイドリークスだ。四年。剣術と体術は学校で習う全てを習得済み、魔法は小麦粉一粒を操るが如く。このメンバーだと前衛が手薄そうだから、俺が担おう」


 言い終わると、彼がふわりと微笑みます。

 それを横目に見ながら、今度はぐーパンチをしていたトーモリエ様が自己紹介をしました。


「トーモリエです! 三年生ですよろしくお願いします。剣術は未履修、体術は三年の今筋がいいと言われています。魔法操作は霧を漂わすが如く、です。前衛希望です!」


 ペコリと勢いよくお辞儀をして、彼女は言い切りました。

 皆さんの自己紹介を総合すると配置に難はないようで、調整不要みたいです。

 カシューの方を見やると同じ意見のようで、私の視線に頷くと陣形の相談を始めました。


「希望配置のばらつきがないようですので、希望のままいく、ということで皆さんよろしくて? 問題ないようならあとは開始の合図を待ちましょう。何かあったら報連相、瞬時に言葉がけするのを忘れないこと」


 メンバー皆、否はないようでそれぞれが頷きます。

 それが終わったちょうどその時、校長先生の打ち上げる魔法光が眩く桃色、黄色、水色、黄緑色、といった色とりどりの色を振り撒き散りました。


 いよいよ、スタートです!

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