プロローグ〜死と生まれ変わり〜
自己満足で書いたような小説ですので、
面白くないかもですが、
読んでください。
感想、アドバイスなどもください
お願いします
——体が痛い…
一体何が起こったんだ…
体が痛い。とにかく体が痛い
「だ、す……げ……」
助けを求めようとしても音にならない声が口から出る。
意識が途絶えそうになると昔の記憶が蘇ってきた。
——これが走馬灯か…
十年前、俺が6歳の時に他界した両親の
顔。
一人だった俺を育ててくれて二年前に他
界した祖父母。
嫌な事ばかりを思い出したと思ったら、
両親と祖父母との楽しかった思い出。
「い゛っ!…」
全身が痛み、意識が朦朧としてきた。
——俺は死ぬのか……でも
最後に楽しかった事を思い出せて良かっ
た……
————————————————————
「もしもーし。起きてますか〜?」
頭上から声が聞こえる。
「もう大丈夫なはずなのですけどね…。
うーん…なんで起きないんでしょう?
よしっ!」
そう聞こえた瞬間、右頬に激痛が走った。
「い゛っ、たぁ!?」
急な痛みに驚き、体を起こし
「お前!今殴ったよな!」
目の前にいる俺を殴ったであろう人物に向かって叫んだ。
「殴ってません!叩いたのです。」
ツンと拗ねるように少女はそっぽを向いた。
——叩いたも殴ったも同じだろ。
と思いながら、ふと周りを見ると
そこは何もない真っ白な空間だった。
前も後ろも右も左もわからなくなるような
その真っ白な空間に恐怖を覚えるのは一瞬のことだった。
目の前に一人の少女がいるだけ
他には何もない。
「お、お前は何者なんだ…。」
この少女が普通の少女でないことはこの場所を見れば、聞かなくても理解できる。
「私ですか?私は死んでしまったあなたをこ
こに連れてきた神様です!」
神様?本当に神様はいたのか……
それよりも
「俺は死んだの……ですか」
「はい。残念ですが。ですがそのことに関し
て一つ謝罪しなければならないのです。
本当にすみません。」
そういい少女が頭を下げてきた。
「え、ちょっと神様が頭を下げないでくださ
いよ。」
少女——神様が頭を下げたまま
「本当は貴方はまだ死ぬべき存在じゃないの
です。私の不注意で、私のせいで貴方はまだ
寿命があったのにもかかわらず……」
「俺はなんで死んだのですか」
何か重大な事があったのだと思い、恐る恐る俺は俺が死んだ理由を聞いた。
「私が、貴方たちの世界に降りて文化の発展
などの観察をしていたら、食べ物が美味し
すぎて周りの確認が疎かになり、車に轢か
れそうになったのです。
それを貴方が助けてくれたのです。」
………は?
食べ歩きをして車に轢かれそうになった?
「はぁー?」
思ったよりもバカバカしい理由だった。
「本当に馬鹿馬鹿しいとは思います。本当にす
みません。貴方の大切な寿命を…」
——寿命か……
あのまま生きていても俺には何もなかっ
た。
大切な人達もみんないない。
「別にいいですよ。それよりも顔をあげてく
ださい。神様が俺なんかに頭を下げないで
ください。
最後に人助けを出来て良かったですよ。」
——誰かの役に立って死ねたのなら本望だ。
「そんな笑顔で言われても、困ります
よ…。」
神様はため息をついた後
「では本題に入らせていただきます。
貴方の死は私の不注意によるものです。
ですので次の生で貴方には少しですが、
特別待遇とさせてもらいます。」
——特別待遇?
「もしかして!超能力とか、チート使えると
か!」
「え?そんなのありませんよ。」
即答。
——流石に夢見すぎか……
俺が少しガッカリすると神様は慌てて
「あっ。さ、流石にそういう能力は出来なく
もないですが、体や脳に大きな損傷を受け
るので……」
——出来なくもないのか…
でも流石に大きな損傷だとな……
「いや、聞かなかったとこにしてください。」
「あっはい。えーと、人間の体や脳に負荷が
かからないとすれば記憶の相続ですね。」
——記憶の相続……つまり前世の記憶持ちっ
てことか。
記憶の相続。嫌なことも忘れられないの
だな。
俺の不安そうな顔を見て察したのか
「あっ。大丈夫ですよ。安心してください。
嫌な記憶も相続されますが、その分大切な
記憶も残り、今まで生きていた人生の経験
が役に立ちます!
そして……
貴方は絶対に幸せになれます。」
「えっ?」
そう言い切った神様の顔はハッキリとした確信があるように思えた。
「さあさっ!生まれ変わりますよ!
次の人生も人間で、記憶は相続したまま。
舞台は30XX年。今よりも変わった世界を見
ればきっと、驚きますよ!」
目の前には大きな扉があり、俺を誘っているかのように開いている。
神様は俺を扉へ押し続け
「では、新しい人生を楽しんでください!
私はずっと見守ってますからね!」
神様は少し寂しそうな顔でそう言った。
「では最後の一歩を踏み出してください。
少しの間でしたけど、とても楽しかったで
す」
俺はその扉の向こうへ一歩を踏み出そうとした。
神様の寂しそうな顔が脳裏によぎった。
——もしかしたら神様は一人でここにずっと
いるのかな?
こんな何もない恐ろしい空間に……
そう思うといても立ってもいられなくなり、
俺は振り返り神様に向かって
「神様!名前を。名前を教えてください!」
と叫んだ。神様は笑顔になり、
「レーヴェルカです!」
と言った。
「レーヴェルカさん。俺は忘れませんか
ら!またご縁があったら、会いましょ
う。」
「はい!またいつか。」
そう話し終えると待っていたかのように俺は光に包まれて、意識が途切れていった。
「次の人生を楽しんでくださいね。」
レーヴェルカはそう言って微笑んだ。