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ワンダーワールドⅡ  作者: 白龍
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光王国 最後の戦士

「やぁ、お見事だったよ」

シャナイが地上に降りると、壮絶な戦いを呑気に見上げていたリューガが歩み寄ってきた。

シャナイは彼の胸ぐらを掴み、まだ立ち込めてる煙の中で彼の顔を殴る。

「貴様…!何が目的だ!!」

シャナイの怒りが一気に上昇し、更にもう一発殴り付ける。

殴られてもリューガは憎たらしい笑みを崩さない。

「目的なんかないんだって。ただ何となくだよ。何となく」

「貴様…一つの国を壊滅の危機に陥れてるのだぞ…」

国の壊滅だって、リューガにとっては知った事じゃない。だって、彼は「何となく」やっているのだ。

シャナイは剣を取りだし、リューガに向けた。

光姫を殺めたばかりの、この刃先。今度はリューガの身に刻んでやるのだ。

刃先の赤い血が、白く光る。


「貴様だけは許さん!!」

一気に走り抜けて切りかかるシャナイ!

剣を振り下ろし、リューガを切り裂こうとする。しかし、その剣ははっきり言って無謀だった。

リューガは持ち前の素早い動きでそれをかわし、二回ほど後ろにバックステップをした後、空中に浮かび上がる。

シャナイもそれを追って空中飛行、リューガを貫こうとする。


だがシャナイの剣は、リューガの左手だけで受け止められてしまう。歯を食い縛るシャナイの目の前で、リューガは右手に紫の光を集める。



「死ね」

リューガの殺気の刃が、放たれた。

右手から放たれる紫の破壊光線!

シャナイは目を閉じる。




…直後、シャナイの真横から爆発音が響く。

「…なっ…」

目を開けるシャナイは、驚愕のあまりしばらく声がでなかった。


光線が放たれた先には…光王国の自慢の城下町があった。

その城下町があった場所は、巨大な穴が空いており、空中には打ち砕かれた建物の瓦礫が舞っている。

…そして、犠牲になった人々の赤い血が、はっきり残って宙に浮いていた。



「…貴様ぁぁぁ!!」

自分達が今まで守ってきたものを、一瞬にして奪われ、全てを守れなかった。兵士たちも、町も…そして、光星王、光姫…。

全てをこうも簡単に奪われたシャナイは、最後の力を解放した。


溢れだした光の力は、上半身の鎧を打ち砕き、半径百メートルにも及ぶ金のオーラを展開する!

リューガは予想外の覚醒に、少し驚いた様子だった。



今まで鎧で隠してきた筋骨逞しい体を露にし、全身を金色に光らせ、両目からは黄金の光を放つシャナイ。

その姿はまさしく光の騎士。

ゆっくりと、目映く輝く剣を取りだし、リューガに向ける。


…シャナイは、無言でリューガに突進し、剣を一瞬にして突きだした!


剣は、リューガの胸元を貫通し、彼の体を串刺しにする。

リューガは血を吐きつつも、両目を赤くしてとても楽しそうに笑った。


シャナイは剣を引き出すと、今度は回し蹴りをリューガの首元に放つ。

吹っ飛ばされ、地面に体を擦り付けながら飛んでいくリューガ。彼が擦り付けられた跡は、巨大な地割れとなった。

荒廃した城下町のクレーターの上に転がったリューガにシャナイは両手の平から金と銀の巨大な光線を撃ちだす!彼の怒りの全てが宿った技だった。

リューガに直撃したその光線は流れるように大爆発、そこから放たれた衝撃波は、周囲の煙も吹き飛ばし、穴は更に広がりつつ深くなり、地球全体を揺るがす破壊力だった。



地上に降り立ち、息を切らしながら金色の煙を見つめるシャナイ。

自身の全ての怒りをぶつけ、もはや彼は全ての魔力を使いきって限界だった。



その時、煙から、紫色の粒子が飛び出してくる。

シャナイは殺ったのか、まだなのか…どちらの結果に行き着いたのか、目をつり上げながら考えた。


「…ごくろうさん」




背後から声が聞こえた。




まだだった。

そう気づいた頃には遅かった。

シャナイの背後で再生したリューガは、彼の背中を手刀で刺し貫いていた。







シャナイは、自身の胸から飛び散った血を見て、痛みのなかで軽く笑う。








そして、これが自分の最期の言葉になる事を察し、ゆっくりと呟いた。






「…光王国、不滅なり」







凄まじい勢いで引き抜かれる手刀。

シャナイの目が白目を剥き、地面に叩きつけられるように倒れこむ。



リューガは、シャナイの亡骸を勢いよく蹴飛ばした。

「勇敢な隊長さんよ、お見事だった。今ではこんなゴミクズだけどな」

リューガは、さも面白そうに笑い転げた。




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