あの世界での出来事
「ほほほいほほいほいほいほい!!」
久々に見るれなの姿はやはりうざかった。
今日も朝からテーブルの上で体操を始め、れみに引きずり下ろされる。
「この馬鹿姉貴!久々に帰って来てみたらこれかよ!!」
怒り心頭のれみ、ヘラヘラ笑ったままのれな。
日常が、何もかも帰ってきた。
「れな、久々のこれを御上がり」
博士が白衣のまま柳葉魚をのせた皿を持ってくる。
久々の柳葉魚に目を輝かせるれな。
「わああああ!!!…あっ」
れなの視線が、博士の笑顔に移る。
その直後、れなの笑顔は途端に活気が薄れてしまった。
「…ん?お姉ちゃん?」
「あ、ああ。何でもないの」
いつもなら元気すぎるれなだが、こんなに表情が豹変するのは初めてだ。
同時に、れみはある大事な事を思い出す。
「あのさお姉ちゃん、気になってたんだけど、帰ってくる前に異空間で何してたの?」
れなは言いにくそうに口を動かし、柳葉魚を摘まんで食べ始める。
そして、語り始める。
「映画を見てきた」
「は??」
笑い飛ばすれみ。
博士は長い事戻ってこなかったので疲れているのだとれなをフォローしようとした。
一瞬、ふざけてるのかと思った。
だがれなはふざけてなどいないのだ。
この表情、この声…。
いつものれなと違う。
「…いいよ。私と闇姫が体験した事、話してあげる」
れなは柳葉魚を食べる手を止め、自分を誤魔化すような軽い手遊びをしながら、語り出した。




