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ワンダーワールドⅡ  作者: 白龍
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今だれみ!あの技だ!

魔王の目の前のれみは、何かに目覚めたように鋭い目をしていた。




その気質の変化に真っ先に気づいたのはリューガ。

「ほ、何か変わったな…気を付けてくださいよ魔王様?」

「分かってる」

魔王はやはり余裕を崩さないが、れみの変化にある程度の警戒も持っていた。


「勝負だ」

れみは風がふく町の上空で、魔王への挑戦を持ちかけた。

片手を構える魔王。

両者は空中で睨みあう…。



「…おらああああ!!」

れみは叫び、拳を構えて突っ込んだ。

魔王は彼女の突っ込みが無謀な物ではないと気づいていた。

魔王に拳が炸裂するまさにその時、れみは飛行方向を変えて魔王の頭上に回り込む。

警戒していた魔王はそのフェイントに怯まず、頭上に拳を放とうとしたが…。


れみが狙っていたのは頭上ではなかった。魔王の脇腹だ。

頭上に拳を打とうとした事でほんの一瞬、お留守になった脇腹に回り込み、れみは回し蹴りを放つ!!

魔王の赤い目が初めて歪み、一瞬よろめくが、さすが魔王。

このよろめきすら戦闘に利用し、バランスを整えつつ背後に跳ぶ事でれみと距離をとる。

同時に拳を突き出し、れみを今度こそ殴り潰そうとしてくる!

れみは拳を避けきれず、見事にぶつかった。

「所詮、下等な人間に作られし物よ」

魔王は片手の平に紫の光弾を作ると、そこから数百ものレーザーを撃ってきた!

…だがれみはその隙を狙い、魔王の手の平の光弾に突っ込み、蹴りをぶちこむ!

衝撃で光弾は爆破され、魔王は手を押さえて後ずさる。

(ぐっ!敵ながらやるな…私の行動を利用している…!)


魔王はれみを深く睨む。

れみもまた、彼を睨む。

力では勿論魔王の勝ちだ。しかし、れみは肉体的技術でその戦闘力に対抗しているのだ。

再び両者は向かい合い、互角の戦いを開始した!


仲間たちはその光景を見て、加勢する為に足に力をこめた。

「何でドームから出れたか分からんが、今なら魔王を倒せる!」

今度はナイフを持つラオンが先導し、一同を率いていた。

同時に頷く仲間たち。

今こそ力をあわせる時…。



「ひゃひゃひゃひゃ!魔王様の邪魔はオイラがさせないぜ!」

突然一同の目の前に蝙蝠が飛んできた!

勿論ナスビだ。何て懲りないやつなのだろう。

絶対に敵うはずのない敵を五人も相手に煽る彼の姿は…。




ラオンがナスビにナイフを向けつつ、こう問う。

「実はお前勇者エメラルドじゃねーの?」











「…違うわー!!」

「そりゃそうだよな」

全員が一斉に飛び出し、一人ずつナスビに体当たりをかました。

間抜けな声をあげながらナスビは見事にすっ飛んだ…。


れみは勇敢に戦いつつも魔王を倒せる程の力はまだ出せていなかった。

同時に魔王も今のれみを倒すのは骨が折れるだろう。

二人は無駄な被害を出さない為にわざと力を出していなかったが…そろそろ力を出さないと戦いは永遠に続くだろう。

それを見るリューガの目はどこか呆れ気味だった。

魔王の蹴りを受け止めたれみが、そのまま彼を振り回し、上空に向かって投げ飛ばした!

魔王は空中で一回転して立て直し、真下のれみにかかと落とし!!

れみはそれを回避、魔王のかかとが命中した地面には、五十メートルもの亀裂が入る。


お互いの力を出しあった瞬間だったが、これでもまだ戦闘は進まなかった。

魔王はいよいよれみに挑発を仕掛け始める。

「我が攻撃に抗い続けるのは素晴らしいが、いつになれば私を倒せるのだ?」

れみの力不足を笑うような言い方だが、そんな自分もれみを倒せない事に悔しさを抑えきれなかった。

魔王としてのプライドが崩れるのを誤魔化そうとしているのが、もう目に見えていた。


れみは周囲のひび割れかけた建物を見渡して思った。

このままでは町が危ない。

早く決着をつけないと…。

目の前に視線をうつすと、魔王の目は赤くぎらついていた。

…一体一のフェアな戦いで終わらせたかった。姉のように強くなりたかった…。



だが、お遊びはここまでだ。もうこだわる必要はない。

れみは、悪人にたいして言ってみたかった台詞があった。

れみは口元に笑みを浮かべると、魔王を指差した。

「確かに私一人ではあんたに勝てない。でも、あんたには無い力を私は持ってる!」

魔王は何も言わず、拳を構えてれみを睨む。






「れみー!!」

れみと魔王が視線を移す。


仲間たちが、顔を揃えてれみの所へ飛んできたのだ。

皆は笑顔で、どこか勝ち誇ったような顔だった。

れみは魔王の方へ向きなおす。

「…いくら集まろうと、我が魔王の力の前では」

「やたら魔王というのにこだわるね!」

れみがその言葉を発すると、魔王は一瞬狼狽えた。

しかし、すぐに両手を構え、首を鳴らす。

「一人ずつ倒す手間が省けたな…」

魔王の手に集まる魔力だが、目の前のれみの仲間たちは人差し指を構えるれみを中心に横に並び、片手を構えた。

「れみ!今が見せ場だぜ。れなみたいに強くなりたいんだろ?」

ラオンがれみを肘で突く。

れみはどこかニヤリとした笑みでその言葉に返事した。

「今なら、いける気がする…!」

れみの手が、手の平を向ける。レーザーではない。

かつて見た構えだ。


「愚か者どもめ。跡形もなく消し飛ばしてくれる」

魔王はなお冷静を保ち、魔力を集めると発射準備を完了した!


「れみ!!」


全員の手の平に輝くエネルギー。そのうちれみは、青いエネルギーを放っていた。




そして、こう叫んだのだ。





「オメガキャノン!!!」





かつて姉が叫んだ物だった。





手から放たれた巨大な破壊光線!!

魔王はその少し後に紫の光線をうちだした!

魔王の光線は空中に飛んでいるにも関わらず大地までその魔力が振動し、地割れが起きるほどだ。

しかしれみたちの友情の光線はもっとすごかった。

地球の大気そのものを揺らし、周囲の空間の色が変わってしまう程の力。


七色の光線が魔王の光線を押し退け、本体に向かっていく!

魔王の宝石に光線が叩きつけられ、一瞬で破壊された。

勿論、魔王本人も無事では済まされない。

「バカな…」

自身の力に絶対的な自信を持っていた魔王は、己の敗北を認められず、大爆発に巻き込まれた!!








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