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79話 ☆3『鉱石調達』②(魔鉱)

 10人以上が灯すランタンがあるおかげで、洞窟内は明るく照らされていた。奥に進むほど入り口の光が薄れてゆき、数(メートル)先までしか見えなくなってきていた。


 だけど、途中にランタンが壁に設置されているみたいで、その付近だけは明るくなっていた。



(アルンの洞窟と違い、魔石はほとんど無い。この持っているランタンと、壁に付いているランタンだけが頼りだな)



 先に進むと、洞窟の奥からキラリと光る何かが見えてきた。



「一瞬何か見えたけど、何だろう?」


「あ! あれが今回、私たちが調達する鉱石の1つですよ!」



 俺が見つけたものにキャリーが反応してくれる、俺たちはその鉱石に近づくと、壁から一部飛び出した石の塊に鉱石は埋め込まれていた。ランタンを鉱石に近づけると、オレンジ色っぽい光が返ってくる。



「これは……魔銅っぽいですね」


「魔銅?」


「はい、簡単に言えば、魔素から生まれた銅鉱石です! 元の材料が魔素からなので、洞窟の入り口近くでも出現してくれるんですよ。それをギルドが加工することで銅を作ることができるみたいです」



 なるほど、そういう感じで素材を集めているのかと納得をする。魔素からできた鉱石なら、ほぼ無限に回収が可能と……


 俺がそんなことを考えていると、リクがピッケルを装備して石の塊の前に立った。



「じゃあこのピッケルで掘れば良いのか?」


「はい! リクさんやっちゃってください!」


「よし分かった。それ!」



 カンッという音が洞窟内に響き渡る、石の塊には今の衝撃で亀裂が入ったようだ。



「リクさん、そのまま砕けるまでやっちゃってください!」


「分かった……おらっ、えい、やぁ!」



 何度もピッケルを振り下ろして、ようやく石の塊は完全に壁から離れ、手のひらサイズから、両手で掴んでも溢れるほどの大きさになるまで砕かれていた。



「それでは、この破片を袋に詰めて…………はいできました! こんな感じで、鉱石を見つけたらピッケルで掘って、砕いた破片を袋に詰めてくださいね。時々私が回収に来ますので、鉱石を入れた袋は、自分の近くに置いといてください。新しい袋と交換します」



 キャリーから軽くやり方を教えてもらって先に進む。すると、目の前には3方向に道が分かれていた。



「……道が分かれているな、全員で同じところに進むか?」


「いや、手分けして進むのもありだな、全員で同じところにいても鉱石は見つかりにくいだろう。君たちはどう思う?」



 ハクとザイゲンはそう言い、俺たちに意見を訪ねてきた。


 魔物が出たときに人数が多い方が安全だが、ザイゲンが言っているように、一緒に行動している分、鉱石が見つかりにくいという問題は無視できない。


 その言葉を聞いてか、ハクも手分けして進む方に賛同して、手分けして進むことに納得しているようだ。



「それでは、ここを中間地点にして進みましょう。誰がどこに行くのか決めますよ!」



 まず左方向に進むのが、アオ、ハク、ユカリ、キャリー。


 前方向に進むのがリク、カイト、ソラ。


 右方向に進むのがザイゲン、イラミ、コカ、俺


 という組み合わせになった。元々パーティーができていた所に、俺とキャリーが混ざる感じだ。



「それじゃあみんな、また後でね」


「シンくんも頑張ってね」


「シンも頑張れよ」



 それぞれの方向に進むアオやリクたちに別れを告げ、ザイゲンたちと一緒に洞窟の奥へと進んで行った。






 ■






「こんなに早くシンとクエストに行くなんて思わなかったよ」


「そうだな、魔王軍が来ていなければ、クエストに誘っていなかっただろう」


「そうなると、俺たちは前のときも今回のときも、たまたま巡り合っただけなんですね」


「…………」


「ちょっとコカ、あなたも何か話しなさいよ」


「私……この子と話すこと……無い」


「コカとシンは今日初めて会ったんだもんなぁ、どうしようかザイゲン」


「このクエストを通じて仲良くなるしかないな」


「えぇ、こんな暗くて地味なクエストで仲良くなんて無理でしょ。私なら仲良くなれる気がしないよ」



 ため息を吐きながらイラミは言う、ザイゲンと俺は愛想笑いでやり過ごし、コカは特に気にしていないみたいで、表情に変化はなかった。



「シンの知り合いがいたときはもっと明るかったのに、4人になるとやっぱり暗いわね」


「コカ、『ライト』を使ってくれるか?」


「うん…………『ライト』」



 コカが『ライト』と詠唱すると、手の平から明るい光の玉が現れた。ランタンの光よりも強く、暗くて見えなかった所も照らしてくれた。コカは『ライト』頭より高い位置に設置した、これにより両手は何も持っていない状態になり、コカが移動すれば、それに『ライト』も付いていくみたいだ。



「こんな魔法もあるのか……」


「あ! あそこに光っているのがあるよ!」



 イラミが指差す方向にキラキラと光る鉱石が見つかった。近づいて確認をする。



「これはさっきと同じ魔銅だな、しかも4つもある」


「よーし、じゃあザイゲン、どっちが早く掘り終わるか勝負しようよ」


「別にかまわないが、俺に勝つつもりかイラミ?」


「俺とコカさんは勝負しなくていいみたいですね」


「コカもシンも力は超よわよわでしょ? 2人で同じ所を掘っても私たち相手に勝てないのは分かり切っているよ」


「酷い…………」



 酷いとコカは言いつつも、表情には落ち込んだ感じは見えてこない。


 ザイゲンとイラミはピッケルを装備して魔銅の前に立つ。



「シン、スタートの合図をちょうだい」


「分かりました…………始め!」


「「うおぉぉぉ!」」



 洞窟内はカンカン音が響いていく、そして決着はあっさり付き、ザイゲンが4回ほどピッケルを振ると魔銅は壁から掘ることに成功する。



「負けたぁ!……」


「俺の力にイラミが勝てるわけがないのさ」



 ザイゲンは破片を袋に詰めて、イラミはその間に負けたショックから立ち上がり、数回ピッケルを振ってやっと魔銅を砕くことができた。


 2人の勝負を見ていて俺もやる気が湧いてきた。ピッケルを装備して振りかぶり、思いっきり振り下ろす。


 カンッという音は鳴ったが、響くほどではなかった。それに、ピッケルの先端部分しか刺さらず、何回か振り下ろしてようやく亀裂が入り20回以上振り下ろしてようやく魔銅を砕くことができ、回収することができた。


 隣で、ドゴーンッッ!と大きな音がしたので振り向くと石柱みたいなものが魔銅のある場所に刺さっていた。何だ!?と思っていたら石柱が消えていった。どうやらコカの魔法らしく、ピッケルより早く砕けるそうだ。


 しかし、コカが砕いたところの魔銅は砕かれすぎていて、石は小石のような大きさに変わっていた。唯一無事なのは魔銅だけだった。


 1回で砕けて鉱石だけ回収できるのは良いことだけど、欠点があるらしく、魔力の消費が大変みたいだ。


 俺たちは次の鉱石を目指して、洞窟の奥へと進んで行った。

・魔銅


魔素でできた銅、魔素を抜く加工をすることで、銅と同じ使い方ができるようになる。


魔法の紹介


・『ライト』


周りを照らす光の玉を作り出す魔法、触れてもダメージは無い。

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