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7話 授業!②(技)

 授業二日目


 基礎体力を鍛えるために朝食後、俺たちは外で走っていた。内容は10分間自分のペースで走るだけ、人によって速度は違う。リクが1番多く走り、俺が1番少なく走った。休憩中に「走るだけだから楽だった」とリクは言う。これからどんどん厳しくなることは容易に想像できた。


「疲れは取れましたか?これからみなさんには色々な武器を試してもらいます」


 ランド先生が木製の武器をたくさん持ってきていた。剣・斧・槍・弓……などのゲームでもよく見る武器たちだ。俺は剣を選ぶことにした。この世界に来たばかりのころは重くて持っているだけで精一杯だった。今でも重く感じるけど振り回せないほどではない。小さな成長だがとても嬉しい。リクは斧、アオは槍、ハクは弓を使うようだ。


「みなさん武器は持ちましたね。弓の方は矢を10回引いてください。それ以外の武器の方は10回振ってください。終わったら武器を変えて同じことをやってください。すべての武器を試したら休憩していても構いません」


 武器を振る、ただ振り上げ振り下ろすだけなのに疲れる。武器を変えて振る。俺がすべての武器を使い終わるのが最後だった。


「全員終わりましたね。使ってみていかがでしたか?使いやすいものや使いにくいもの、色々あったと思います。使いやすい武器を長く使うことで強くなりやすいです。この後は私が各武器の簡単な技を使って見せます。」


 ランド先生は空中に向かって魔法を唱えた。


「ドンストーン!」


 空中に縦2メートルほどの石が出来上がり、ズドンと音を立てて落ちてきた。


「まず剣から使いますね」


 剣に構え振り上げて振り下ろす。さっきまで俺達がやっていたことと同じに見えたが、剣には薄っすらと魔力がかかっていた。「気合い斬り!」そう叫ぶと石の表面が砕けるほどの破壊力になっていた。


「今のが技です。やり方は武器に魔力を流しているだけ。これが技の基本と言っても良いですね。どの武器でも同じ技が出せるはずです」


 弓で矢が強く飛んだり、槍で石に穴を開けたり、斧で石を砕いて見せた。


「みなさんも手元にある武器に魔力を流し込んでみてください。自分の身体の一部と考えれば流し込みやすいですよ」


 生徒たちは魔力を流そうとするがとても難しいみたいだ。手から先になかなか流れず、ほとんどを外へ出してしまっている。なんとか武器に魔力を流すことができた人も、留めることができなかった。俺は手から魔力が出るだけで武器には流れなかった。


 俺も含めて眩暈を感じる人も出てきていた。


「まだ難しかったですね、でも強くなるには必要になってくる力です。朝の鍛錬は以上です。お昼にも授業はあるので、身体を洗い昼食後に教室に来てください」


 終わったことからの安堵から疲労がどっときた。


 ――


 お昼の授業


「授業の前にみなさんにはこの魔物についての本を配ります。この地域にいる魔物について簡単にまとめたものです。今回の授業で使いますが、冒険者になった後でもしばらくは使えると思います。」


 そうやって薄い本が渡された。


「では授業を始めます。今回やることは、スキルのパッシブについてです。これは魔物に多いスキルです。特定の属性が効きやすいや効きづらいなどです。ウッドォについて書かれている6ページを開いてください」


 6ページを開くと絵付きで魔物について書かれていた。


 枯れた木のような見た目で、ギザギザの口をしている。森で確認されることの多い魔物で、周りの木に化けて生き物を襲う。枝を振ったり、噛みついて攻撃してくる。見分け方は、葉がついていないことと根が地面に埋まっていない。対策として、森では不用意に木に寄りかからない方がいい。火属性の攻撃に弱いので、火属性(弱)のパッシブがある。素材は、枯れた木材が手に入る。


 などと書かれていた。結構しっかり書きこまれている。


「パッシブは常に発動しているスキルのことを言います。ウッドォにはパッシブで『火属性(弱)』と書かれていますね。これは、火属性に弱いということが常に発動しているということです」


 こうやって魔物を研究して、弱点を突いていく。より勝ちやすくするために。


「しかし、パッシブにも例外があります。ファイアーバードについて書かれている8ページを開いてください」


 これも絵付きで書かれていた。


 炎をまとった鳥の見た目。岩山などで確認されることの多い魔物。体当たりで攻撃してくる。水属性の攻撃に弱いので、水属性(弱)のパッシブがある。ただし、1度水属性攻撃をすると炎が消え、再び炎が出るまで水属性(弱)のパッシブが無くなる。素材は、鳥の肉や燃える羽が手に入る。


「このように途中でパッシブが無くなるといった魔物もいます。例外はありますがパッシブについては、常に発動していると覚えておけば大丈夫です」


 このようにしてお昼の授業は終わった。


 ――


 俺たちは部屋に戻り魔物の本を読んでいた。読んでいくうちに解ったことは、魔物は数百体に一体は強個体が出たり、数千体に一体は突然変異種も出ること。魔物は人の少ないところで出現することと書かれていた。


「この本を読んでいると魔物が強そうに感じないな……」


 スライム1体にやられた俺が言うのもおかしいと思うけど、みんなの動きを見ているとこの程度の攻撃しかしてこない魔物は弱そうに感じる。


「1体だけならそうだね。戦っているうちに他の魔物が来たりして大変みたいだよ」


 リクが答えてくれた。倒すのに時間がかかればそれだけ多く魔物が寄ってくる……と。町の外では敵はいても味方はいないことは日常だろうから、助けを呼んでも誰も助けられない。冒険者の死亡はこういうところにあると予想する。


「それにしてもシンは弱いな!剣も魔法もあれだけ弱いのは初めて見た」


 リクからそう茶化される。事実だからこそ辛い。話しを変えるために武器について聞いてみる。


「みんなはどの武器にするか決めた?俺は剣を使うつもりだけど」

「俺は前から使ってた斧かな」

「……俺は弓とナイフ」

「僕は槍にしようかな」


 リクは斧、ハクは弓とナイフ、アオは槍のようだ。


「アオは臆病だから弓かと思ってたけど槍なんだね、どうしてなの?」

「弓だと手が震えそうで……両手で持てる武器がいいかなと。槍なら両手で持てて身体を支えることもできるし……魔法を覚えれば近づかなくても攻撃できると思って」


 どうやらアオは槍で戦う気は無いみたいだ。


「ハクは好戦的な気がしてたけど弓を選んだ理由って何かな?ナイフも使うなら剣とか斧でも良いんじゃないの?」

「……俺は遠くからでも攻撃できるようにするためだな。ナイフは弓では近すぎる敵に使うのが目的だ。毒や麻痺を塗り込みしやすい。剣や斧を持つと重くて走り回れない」


 ハクは状態異常を使って弱った敵を倒すやり方みたいだ。


「リクはなんで斧を選んだの?」

「ズドーンって感じが好きだからかな!」


 リクは脳筋という感じだった……

 でも、みんなと一緒に冒険者でパーティ組んだら楽しそうだな。


 今日はそんな感じの日だった。

だんだんシンくん強くなってるね!どのくらいのペースで強くするかとか、あまり考えてないからどこかで躓かないことを祈るのみ!


そしてギリギリ1週間で投稿できたw

(・∀・)良かった良かった

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