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6話 授業!(魔法)

「みなさんは冒険者にどのようなイメージがありますか?」


 ランド先生は俺たちの答えを待っている。誰も答えないので俺が答えた。


「……強いですか?」

「はい、冒険者は強いです。それでいて自由でもあります」


 冒険者は自由だ。仕事に行くことも、朝に寝て夜に起きることも。他の仕事に比べればの話である。冒険者は命がけの仕事なのだから。とのこと。


「冒険者がどういうものかなんとなく分かりましたね。みなさんには知識から鍛錬という順で教えます。まず、スキルについて学びましょう」


 黒板の方に向き書き始めた


「スキルは、魔法・技・パッシブの3つの総称です」


「今日は魔法からやります。魔法とは魔力を使って発動させるスキルです。魔力は現在9属性確認されています。火・水・雷・土・風・光・闇・星・無の属性です。このうち火・水・雷・土・風・星・無の7属性は使い方が分かっています。」


 黒板に無属性を真ん中にして、火・水・雷・土・風を五角形で囲んだ。


「私たち人間の魔力は無属性でできています。そこを火属性に変えたり水属性に変えたりして、魔法の発動条件を満たします。この精度や純度や量が魔法の威力や範囲を決めます。また、完全詠唱・省略詠唱・無言詠唱で魔法の難易度は変わります」


 ランド先生はこちらを振り返り、内容についてこられているか確認する。半数以上の生徒がよく分かっていないような顔をしていた。


『俺は学生だったからついてこられているけど……』


 ハクは本を読んでいただけありついていけている。リクは以前にもやっていたので余裕そうだ。アオはまだ分かっていないのか頭を抱えていた。


「……まだ分かっていない方もいますが、これから何度もやりますから今は次に進みましょう。では、完全詠唱・省略詠唱・無言詠唱について……」


 退屈している生徒もいるので次に進むようだ。


「完全詠唱とは、決められた魔法名と呪文をすべて詠唱することです。また、呪文を付け足しても完全詠唱と言います。戦闘中ではほとんど使わず、戦闘前や鍛錬として使うことが多いです」


「省略詠唱とは、決められた魔法名を詠唱することです。呪文を途中まで詠唱することも省略詠唱と言います。戦闘中に使うのは省略詠唱がほとんどです。強さと速さのバランスが良く、省略詠唱ができるようになってから魔法の習得と考える方が多いです」


「無言詠唱とは、詠唱することなく魔法を発動させることです。詠唱の必要がないので魔法の発動はとても速いです。また、詠唱することのできない環境でも魔法を使うことができます。水中や口を封じられたときに使うことがあります。」


 黒板に書かれた文字を消し始めた。


「次は外で魔法の鍛錬をしましょう。移動するので私の後についてきてください」


 黒板を綺麗にして部屋から出ていくランド先生。生徒たちはぞろぞろとついていく。教室のすぐ近くに外に繋がる扉があり移動は楽だった。外に出ると周りは塀に囲まれ、地面には土が広がっていて校庭と似ている。


「これから魔法の鍛錬をします。両手を広げてもぶつからないくらい間隔をあけてください」


 生徒たちは広がっていく。十分な間隔が開き全員が動きを止めた。


「ではみなさん、私の言う通りにやってみてください。目を閉じて自分の身体から魔力を感じてみてください」


 目を閉じるとあたりは風の音しか聞こえない。身体からモヤモヤしたものを感じる。これはシンが船の中で何度も感じたものだ。


「感じましたか?それが魔力です。今のみなさんでは身体から魔力が外に出るだけで、立っていることが難しくなるでしょう。ですので、魔力をお腹の方に集めてみてください。そしてお腹から他へ移動しないように抑えてください」


 言われた通りにやると、いつもよりも苦しくならなかったが、それでも汗が流れ肩で息をするほど疲労している。ただ、外に魔力が漏れていたから精神気絶(マインドダウン)が起きていたと理解した。


「魔力から意識を離して目を開けてください」


 目を開け周りを見ると誰も息を荒くしていない。初めて魔力を使ったはずなのにである。


『分かっていたけど、実際に見ちゃうとこの差はキツイな……』


 シンは空を見ながら乾いた笑いをする。すると、学校の屋根に人が座っていることに気が付いた。座っているのは老人で空気イス状態だった。その老人を見ていると目が合いこちらに歩いてくる。空中を地面のように歩く老人に驚いて言葉が出ない。


「ジーク校長、また見学ですか?」

「ほっほっほ!若い芽が育つのを見るのは楽しみの1つじゃからの」


 ランド先生が空中にいる老人に話しかける。みんなが老人を見上げている。そして、5メートルほどの高さから音もたてずに降りてくる。


「生徒諸君おはよう。わしは校長のジーク・フォン・マーダニア・カイツギナル・ロイルドイドという。ジーク校長と呼んでくれれば嬉しいぞ」


 孫に接するお爺さんのように、にこにこしながら自己紹介してきた。


「ジーク校長はどんな魔法で空を歩いていたんですか!」


 生徒の1人からそんな質問が飛んでくる。


「あれは魔法ではないんじゃよ、おぬしたちが先ほどやっておった魔力操作の応用で、足の裏に魔力を張っただけじゃ、簡単じゃろ?」

「ジーク校長、それを今教えたところで誰もできませんよ。簡単でもないですし……」

「そうかもしれんが、目的をもって鍛錬する方が強くなるんじゃよ」


 ランド先生は困っている顔をしていた。


「できなくても知っているだけで十分じゃ。これ以上長くいると鍛錬の邪魔になる。わしは離れて見学するとしよう」


 そういっていたジーク校長は砂になり崩れた。驚いてあたりを探すと、最初に見つけた屋根に座っていた。


 他の生徒も驚いていたが、ランド先生に落ち着かせてもらい鍛錬の続きが始まる。シンは将来の不安を感じつつも、1日でも早く強くなるために鍛錬の続きを始めた。


「俺はあんなことできるようになるのか……」




「……はい、今日はここまで。明日に備えて身体を休めてくださいね。

 食事はお風呂に入ってからにしましょう」


 そういって校舎に入っていった。


 今日の魔法の鍛錬は終わった。指導してくれる人がいるとこんなにも達成感があるのか。俺はその場で座り込むほど疲れたが、リクはピンピンしている。ハクとアオは汗が身体から出ていた。まだ太陽が真上にあるのでお昼だ。ぐぅ~とお腹が鳴る、俺たちはお風呂に入り昼食をした。昼食は肉が使われた料理だった。


 部屋に戻ると今日の授業について語り合った。


「シンはすぐに疲れるんだな」

「魔法ができなくても冒険者はできる」

「魔法得意じゃないの?」


 リクとハクとアオにそんなことを言われていた。リクは笑って気にするなって感じで、

 ハクは慰めてくれて、アオは心配をしてくれた。


 そんな雑談をして授業1日目は無事に終わった。

頭の中ではちゃんと設定作っているつもりでも、文字にして説明するのは難しいことに気が付きました

( 一一)

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