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58話 ☆1『ゴブリン調査』①(複数)

「ん……あぁ、布団も敷かずに寝ていたのか」



 最近晴れが続いていたが、今日は曇りのようで、朝なのに部屋が暗く見えた。気温もちょうど良く、過ごしやすい日だ。


 宿屋で朝食を済ませて、ギルドへ向かう。



「今日はどんなクエストがあるかな?」



 掲示板を見てみるが『調達』の所にクエストは1枚も貼りだされていなかった。仕方がないので『討伐』の所を見てみるが、どれも今の俺ではクリアができないようなものばかりだった。



「困ったなぁ、やるクエストが無いぞ……」



 俺が掲示板の近くで悩んでいると、後ろから2人組の男女に声をかけられた。



「君、良かったら私たちと一緒にクエストに行かないか?」


「え?」



 急にそんなことを言われて言葉に詰まっていると、もう片方が焦ったように話し始めた。



「俺たちは怪しい物じゃないんだ、俺はザイゲン。こっちが……」


「イラミよ。よろしく」



 ザイゲンは褐色の肌に筋肉ムキムキの大男で、灰色の逆立つ短髪が似合っていた。


 イラミは反対に、透き通るような白い肌の細身の女性で、赤とピンクの間のような髪色をしていて、背中まで伸びている長い髪は外ハネをしていた。



「俺はシンと言います。あの、せっかく誘ってもらったのは嬉しいのですけど、俺は最近冒険者になったばかりで弱いのでお断りさせていただき……」


「いいのいいの、私たちは強さとか気にしてないから」


「え、でも」



 イラミが俺のことをグイグイ誘ってくる、それに対して俺はオロオロしているだけだった。



「シンはただ付いてきてくれれば良いんだ。俺たちはあるクエストを受けるためにここで待っていたんだが、俺らのパーティーメンバーの1人がクエストに参加できなくなってしまって、人数が足りないんだ」


「そうなの! 3人以上で受けられるクエストだから、シンが来てくれるだけでクエストが始められるの! お願い、一緒にクエストやろう」



 ザイゲンは真っ直ぐ俺の目を見つめ、イラミは俺の手を握り、うるうるとした目で見つめて来ていた。



「わ、分かりました。ただどんなクエストをやるか教えてください」



 俺がそう言うとイラミは笑顔に変わった。



「ありがとう、シン! じゃあザイゲン、説明よろしく」


「俺たちが受けるクエストは『ゴブリン調査』というクエストなんだ。もちろんシンにはいてもらうだけでいい。何かあっても俺ら2人に任せてくれ」



 ザイゲンから渡されたクエストの紙の内容を見ながら参加するかどうか考える。



(ほし)1のクエストなのに報酬金が多い! こんなに多いと危ないクエストなんじゃ……でも2人は任せてって言っているし……)



「どうだ? そろそろやるか決めたか?」


「…………よろしくお願いします」


「よっしゃ、これからよろしく!」



 ザイゲンの声に我に返り、クエストをやることを告げる。イラミも喜んでいるようだ。



「それじゃあクエスト受注しにいくぞ」



 俺たちはハンナさんのところまでクエストの紙を持って行った。クエストの受注は、ザイゲンが代表でやってくれるみたいだ。



「このクエストを頼む」


「このクエストですね、分かりました。クエスト内容を確認します」


 ――


 (ほし)1『ゴブリン調査』


 クリア条件:調査を報告


 報酬金:300(ゴールド) 1000GP(ギルドポイント)


 参加条件:(ほし)1から(ほし)2冒険者3人以上


 ~依頼内容~


 ギルド職員と一緒にゴブリンの調査。

 冒険者はギルド職員を目的の場所まで護衛し、

 無事にギルドまで送り返す。


 必要に応じて、調査にも協力してもらう。


 ――


「このような内容ですが、クエストを受けますか?」


「よろしく頼む」


「それではクエストを受注します。調査に同行するギルド職員を連れてきますので、少々お待ちください」


「あぁ」



 ハンナさんは受付から離れ、俺らはギルドにある食堂で時間を潰す。



「それにしても、(ほし)1のクエストなのに、あんなに報酬金高いんですね。驚きました」


「まあ、3人で山分けしたら、他のクエストと変わらないが」


「そうそう、でも調査クエストはGP(ギルドポイント)が多く貰えるから美味しいんだ」


「…………山分け?」



 聞きなれない言葉が出てきたので、声に出てしまった。



「そうか、シンは複数人でやるクエストを受注したことが無かったか。複数人でやるクエストの報酬は、全員合わせての報酬なんだ。だから山分けになる」



 この話しを聞いて、なぜ報酬金が高いのか理解した。そして報酬金の(ゴールド)は3人で割り切れるけど、GP(ギルドポイント)の方は3人じゃ割ることができないことに気が付いて焦った。これは後々揉めるやつだと……


 だから、揉めないように先手を打つことにした。



「それじゃあ今のうちに誰がどのくらい貰うか決めませんか?」


「……それもそうだな。俺は3人平等にするべきだと思っている」


「えぇぇっ、私とザイゲンが頑張るんだから多くもらいたいよ!」


「俺はイラミさんの意見で良いかな」



 報酬が少なくなっても、何もしなくて貰えるのであれば十分すぎると思って発言したが、俺がそんなことを言うとザイゲンが反発してきた。



「しかしそれではシンの報酬が……」


「それは俺のクエストの活躍を見て決めてください。ザイゲンさんから見て、俺がちゃんとできていたら平等に山分けしましょう。できてなかったらイラミさんの言った通りにしませんか?」


「うーん……分かった……」



 ザイゲンは渋々だが納得してくれた。


 山分けは、全員100(ゴールド)で、イラミさんとザイゲンさんは400GP(ギルドポイント)、俺は200GP(ギルドポイント)と話しがまとまった。






 ■






「お待たせしました」



 ハンナさんが調査に向かうギルド職員1人を連れてきた。色々荷物を持ち、魔物にでも遭遇したら逃げられなさそうと思うほど荷物を多く持っていた。



「冒険者の皆さん、今日はよろしくお願いします。私は索敵スキルを持っているので、道中は魔物に出会うことは無いと思います。遠回りになることもありますが、安全第一ということで願いします」




 こうして『ゴブリン調査』クエストが始まるのであった。

新キャラ紹介


・ザイゲン

褐色の肌に筋肉ムキムキの大男で、灰色の逆立つ短髪。


・イラミ

透き通るような白い肌の細身の女性で、

赤とピンクの間のような髪色をしていて、背中まで伸びている長い髪は外ハネ。

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