4話 特訓て地味じゃない?(辛い)
目が覚めて思ったこと、それは
「何故昨日の夜来なかった……」
一日開けたのはわからないが今はそんなことどうでも良かった『無限成長』の効果を理解したシンは早速筋トレを始める。腕立て伏せ0回、腹筋0回、背筋0回、スクワット0回
「……なにこれ酷い」
万全の状態で0回、1回すら出来ないのに本当に強くなるのだろうか。そもそも、1回も出来ないのに普通に身体が動けるのはどういうことなのか謎である。船なので走り込みは止めて瞑想を始める精神気絶になってもいいようにベッドで横になりながらやる無事精神気絶。冒険者学校に着くまではやることもないので[筋トレ]→[瞑想]→[精神気絶]→[休憩]これを繰り返していた。
「うえっ……精神気絶気持ち悪い……」
精神気絶後は吐き気と頭痛がする。正直辛い、でも成果は出ていた。昨日は魔力が手から出そうになると精神気絶していたが、今日は1秒くらい魔力を出せていた。特訓始めて1日で魔力には成果が出たのは嬉しいが、肝心の魔法を覚えていない為実戦では役に立たないだろう。そもそも魔法を1秒以内に使える気がしない
「アルン様のヒントは答え言ってるのと変わらなかったな」
限界がある、これは『無限成長』を持ってる俺には関係ない、魔力だけに限らず他でもそうだろう。そろそろ飯を買って来るか、船にある店を利用する。大人の手くらいあるパンが100Gで売ってる。Gはゴールドと言いこの世界のお金だ、俺はパン2個とミルクを買う。合わせて250Gだお金は船に乗る前にギーリックから5000G借りた。ギーリックはあげると言ってきたが、俺は返そうと思っている
部屋に戻りパンが温かいうちに食べる。外はサクッと聞き心地の良い音と食感で中はもちっとしている、口の中にあるパンと混ぜるようにミルクを1口飲む「うま!」焼き立てのパンとミルクの相性が良い、パンに吸い込まれて飲んだミルクが無くなっていく。舌でパンを潰すとパンの甘味とミルクの甘味が混ざって口の中に広がる。俺は夢中で食べていた
「美味かった~」
口の周りにはパンくずとミルクの痕がある顔を拭きベッドに横になり眠るのであった
――
「中央大陸着いた!」
中央大陸の船着き場は西大陸の船着き場の3倍はある大きさだ人の多さは5倍はあるだろう。船での特訓の成果を報告しよう、筋トレは各5回出来るようになった。魔力は10秒持つようになった。飯と風呂と睡眠以外特訓に費やしたんだからこのくらいになって貰わないと困る。これからはこんな特訓は出来ないだろうから緩やかな成長になるだろう。
馬車乗り場に向かう、俺が向かう街行きの馬車には今の俺と同じ年くらいの子供が多い。こいつらも冒険者学校が目的だろう、仲間でありライバルになるかもしれないやつらか~ほとんどが黒髪や茶髪だ、その中に紫髪や青髪や白髪な子供がいる。ああいう髪色のやつはたいてい関わっていくやつだろう、そういえば今思ったけど俺自分の顔見てないな、船に鏡あったけど特訓のことで頭いっぱいで気にしてなかった
俺が馬車に乗る番が来た、中には10歳くらいのロリショタばかりだここに俺が入るのは犯罪なんじゃ……子供達は友達と来たのかそれぞれグループが出来ていた。みんなおしゃべりしている中で俺は黙って座っていた話しかける勇気がないんじゃなくて、迷惑かけないように静かにしているだけだ!本当だぞ!誰かが俺に話しかける……ということはなく街に着いた
「冒険者学校に向かう方はこちらに来てくださ~い」
大きめの声で呼びかける眼鏡をかけた男性がいた。みんなぞろぞろと男性のもとに集まっていく。俺も着いて行こう。集まる人がいなくなると男性が話し出す
「ようこそみなさん、神加護の街アルンへ。この街のことを話ながら冒険者学校に向かいましょう。着いてきてください」
男性が移動を開始した、みんなも一緒に着いて行く。シンは驚いた。街の名前と女神の名前が一緒なのだその理由も男性が話してくれる
「ここアルンは女神アルンの名前をそのまま街の名前に取り入れました。理由は2つあります。1つはここらに邪悪な魔物が立ち入らないから、邪悪な魔物が来ないのは女神アルンの加護だと考えられています。もう1つはアルンの洞窟というものがあるから、何故アルンの洞窟かと言うと、女神アルンが私達人間が魔物と戦う力を得られるように作ったと洞窟内に書いてあったからです」
そう話しながら逸れていないか確認するようによく後ろを振り返る。その後は人気の食堂や見晴らしのいい場所の紹介を冒険者学校に着くまで話していた。
「みなさん着きました」
冒険者学校に着いたようだ、学校と言うだけあって建物はかなり大きい。周りは塀に囲まれていて塀の端から端が結構離れていることから広さも凄いと予想できる。
「申し込みをした後みなさんの適性を見てから入学を許可するか判断します」
シンは自分の適性が低いことはわかっていた、もし推薦状がなかったら入学は断られていただろう
「一般の方はあちらの人について行ってください、推薦状を持っている方は私に着いてきてください」
出て来たのは女性で、シン以外の子供達はそちらに向かった
「残ったのはあなただけですね、では行きましょうかシンくん」
「何で俺の名前……」
「推薦状を出すにはギルドだけでなく私達冒険者学校の職員の許可も必要なんですよ」
男性は笑顔で答える。歩き出して学校内の個室に入りイスに座るように指示される
「これからシンくんの適性を調べます。私は鑑定士のランドですよろしくお願いします」
どうやらシン達を案内していた眼鏡の男性は鑑定士であった
「鑑定士は身体の状態や物に宿る魔素を感知するのに特化した者です。これからシンくんの身体に私の魔力を流し込んであなたの適性を調べます」
「はいわかりました」
ランドはシンの後ろに移動する、そして手から球体の魔力を作り出しそれをゆっくりシンの背中から身体の中に入れていく。心臓を基準に左腕から左足、右足から右腕、そして頭から再び心臓と身体全てにランドの魔力が巡った。ゆっくりと身体に入った魔力を取り出し今度は水晶玉の中に魔力を入れていく。ランドの球体状の魔力と水晶玉が触れる、水晶玉の中に魔力が流れ始める、シンの身体から取れた魔力だけを水晶玉に入れている
「私の魔力の混ざりは0.0721%、シンくんの適性に私の適性が混ざることはほぼ無いでしょう」
「俺が直接魔力を水晶玉に入れれば100%俺の魔力だと思うのですが」
「その通りです、しかし適性を計るには素の状態でないといけません、でもそれは自力では不可能なことなのです。自力でやろうとすると力が入り適性が狂ってしまい、力を入れないと水晶玉に魔力が流れないのです。なので私のような鑑定士が素の魔力だけを取り出す必要があるのです。シンくんは推薦なので入学は決まっています。適性は調べ終わったのでこれから住む寮まで案内します」
この後シンはこれから寝泊まりする部屋まで案内されるのであった
――
シンを部屋まで案内した後、他の職員達も適性を調べ終えてランドと会議を開いていた
「今回の子供達は優秀な子が多かったですな」
「そうですね、一芸とはいえ適正が高い子もいるので数年後が楽しみです」
「優秀な子がいる中、平凡な子もいますな」
「ランドさんが担当したシンくんのことですよね?」
「推薦とはいえあんな出来損ないを入学させる意味がわかりませんな、例え推薦でも入学拒否は出来たでしょうに」
ランドは口を開く
「私はあそこまで凄い適性を見るのは初めてですよ」
「ワシも初めて見ましたな、全ての適性が0の人間を、適性が1もない人間を」
「いえいえ、私が凄いと言ったのは適正に1もないことではないです」
「ランドさん、シンくんの何が凄いのですか?」
「シンくんの適性にマイナスの適性が一つもないところです」
他の職員達は顔をしかめる
「私が今まで見て来た人でも、トップレベルの冒険者でも必ずマイナスの適性はありました。恐らく、みなさんが見て来た人でもマイナスの適性はあったはずです」
「確かにない者は見た事ないが、それでも適正0では何もできんはずですな」
「……私がシンくんの推薦を受けたときシンくんは魔力を出すと直ぐに精神気絶していたそうです、しかし今日見たときかなり少ないですが魔力は流れていました。精神気絶で魔力は増えますが、適性0であそこまで魔力を高めるには相当な数の精神気絶が必要です。でも彼は精神気絶による後遺症スキルが出ていませんでした。鑑定士でも見ることの出来ないスキルを持っていると思っています」
ランドの後押しによりシンの入学は成功した
今回の話で精神気絶が10回出て来た(白目)
後遺症スキルが出ないのは、『無限成長』の効果で打ち消されているからです。
『無限成長』が出ないのは、神のスキルなため人間の実力では確認することが出来ません。
1話を投稿したときにこの4話の半分くらいまでしか書けてなかったのでストックが無くなりました。
5話はなるべく早く仕上げたいと思います((((;゜Д゜))))