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248話 ☆2『ツチノテ討伐』③(豪華)

 教えてもらった場所には、もう他の冒険者がいて、ツチノテと戦っていた。そしてそこにいる最後の1体を倒すところのようだった。


 冒険者は倒したツチノテの数を数えると、満足したような顔をして草原の方に向かって歩き始めた。クエストクリアに必要なツチノテを倒し終えたのだろう。


 俺は冒険者がいなくなった後に、倒されたツチノテの近くで完全詠唱の『サーチ』を使い、地中に隠れていないか探してみた。



「ん? あそこの地中は赤く反応している。そこにツチノテが隠れているのか」



 赤い魔素の反応は地中を移動しながらこちらに近づいてくる。俺は剣を逆手で持ち、俺を襲おうと近づいてくるツチノテに攻撃をした。


 刺されたツチノテは慌てて地中から出てくる。刺した剣を振りツチノテを切り裂くと、ツチノテは倒れて経験値を吐き出した。



「今回は足を掴まれる前に倒せたぞ、さて他のツチノテを探さなきゃ」



 俺はツチノテを探しに歩き回るが、俺と一緒に来ていた冒険者たちがツチノテを倒しているからか、なかなかツチノテを見つけられない。それに、冒険者たちも見当たらないから、みんな倒し終わって帰ったのかもしれない。


 そう思いながら歩き回っていると、やっとツチノテたちを見つけることができた。


 5体もいるので、クエストクリアに必要な数が集まっている。


 俺は駆け出してツチノテに攻撃を仕掛ける。



「はぁ!」



 剣を左右に振り2体続けて倒すと、残りの3体が反撃をしてくる。


 その攻撃を避けながら、3体のツチノテに剣を振り下ろして、一気に倒すのだった。



「これでクエストクリアだ」



 俺は剣を鞘に戻して呼吸を整えながら、ツチノテの回収に来るであろうギルド職員を待った。しばらく待っていると、ギルド職員がやって来て、倒したツチノテを回収していく。


 回収を終えたギルド職員が俺に声をかける。



「クエストお疲れ様でした。ツチノテ討伐は冒険者さんが最後なのでもう街へ戻られても大丈夫ですよ」


「本当ですか! じゃあアルンに戻りますね。ギルド職員さんも一緒に来ますか?」


「いえ、私はまだ周辺の調査をしますので、しばらくここに残ります」


「分かりました。俺だけ戻りますね」



 俺はギルド職員を残して、草原の方まで戻るのだった。


 魔物とも出会うことなく看板が見えて来たので、無事に草原に戻って来られたようだ。



「あとはギルドに報告するだけ……なんだあの豪華な馬車は?」



 南の方向から、装飾品で飾り付けられた豪華な馬車が来て、その両脇に護衛の兵士たちが歩いていた。兵士たちは俺の事を見つけると、そのうちの1人が俺のそばまで走ってくる。



「冒険者のような見た目をしているが、冒険者か?」


「はい、冒険者ですが」


「そうか、ではギルドカードを見せてくれ」


「どうぞ」



 俺はギルドカードを見せると、兵士はギルドカードに顔を近づけて確認する。



「確かに冒険者のようだね。今クエスト中かい?」


「いえ、これからアルンに帰るところです」


「そうか、俺たちもアルンに向かうところだから、一緒に向かうなら馬車の後ろを歩くと良い」



 兵士はそう言うと馬車の方に戻り、他の兵士や馬車の中にいる人に何かを話しているようだ。恐らく俺の事を話しているのだろう。


 そして兵士は元の護衛の位置に戻ると、豪華な馬車は俺の横を通り過ぎて行った。



「あんな豪華な馬車に乗っているのはいったい誰なんだ?」



 そう思いながらも、馬車の後ろから付いて行き、俺もアルンに向かうのだった。






 ■






 アルンに着くと、豪華な馬車はそのまま街の中に入って進んで行く。


 普通なら馬車から乗っている人が降りて、馬車は違う所に向かうのだが、今回はそうじゃないみたいだ。


 俺はギルドに向かおうと歩いているが、馬車も止まることなく俺の前を進んでいる。もしかしてギルドに用があるのかと思ったが、ギルドの目の前に来ても馬車はそのまま進み続けて、ギルドから離れていくのだった。


 俺はその馬車を少し見送ったあと、ギルドの中に入るのだった。そしてクエストクリアの報告をする。



「ハンナさん、クエスト終わりました」


「シンさん、クエストお疲れ様でした。シンさんが倒したツチノテは、51体回収されたことをギルド職員が確認しています。こちらが報酬金となります」



 俺は600(ゴールド)入った袋を受け取り、

 ギルドカードには1500GP(ギルドポイント)が追加された。


 報酬金を受け取りギルドから出ようとすると、食堂で食事をしている冒険者たちの話が聞こえてきた。



「なあ知っているか、今日ついに裁判が始まるみたいだぜ」


「裁判? 何の裁判だ?」


「ほらあれだよ、オンセーン村付近にいた山賊。あれの裁判がこれから行われるって話だよ」


「ああ、あの袋を被って顔が見えない連中か。まだ裁かれてなかったんだな」



 冒険者は骨付き肉にムシャっと食べる。



「捕まってからは裁判が始まるまで牢屋に閉じ込められていたが、やっと今日お偉いさんが来るってことで裁判を始められるようだ」


「へぇー」


「裁判所は俺たちも入って良いみたいだから、これから見に行こうぜ」


「面倒くせぇよ。俺は飯食ったら帰って寝るんだよ。行くなら1人で行け」


「はぁ、仕方ねぇ。俺1人で見に行く事にする」



 冒険者はミルクを飲み干すと、コップを片付けてギルドを出て行った。



「オンセーン村の山賊って事は、俺も巻き込まれたやつだよね? あの冒険者さんは裁判所に向かっているだろうから、付いて行けば俺も中に入れるのかな。よし、時間もまだあるし、裁判所に行ってみるか」



 俺は冒険者の後を追って、裁判所に向かうのだった。

教えてもらった場所にはすでに冒険者がいて、ツチノテを倒していた。


その近くで『サーチ』を使うと、地中にツチノテがいたので倒した。


他の場所を歩き回ってツチノテを探して、5体見つけたので倒し、クエストクリアに必要な数以上を討伐した。


草原へ戻ると豪華な馬車が南側からやって来る。その馬車はアルンに向かっているようだった。


アルンに着くと、馬車はギルドよりも更に街の奥まで進んで行った。


ギルドでクエストクリアの報告をして帰ろうとしたら、オンセーン村であった山賊の裁判が今日行われる事を耳にした。


裁判所に見に行く冒険者の後を追いかけて、俺も裁判所に向かうのだった。

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