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246話 ☆2『ツチノテ討伐』①(簡単)

 目を覚ましてベッドから起き上がる。窓のそばまで移動して、太陽光を浴びながら体をほぐすと、イスに座り瞑想を始める。


 目を閉じて体中に魔力を巡らせていくと、徐々に意識が深く沈んでいく。


 ふと意識が外に向くと、窓から入る光の角度が変わっていた。少しだけ瞑想していたつもりだったが、思いのほか長く瞑想をしていたようだ。


 朝の鍛錬はここまでにして、俺は装備を整えると、朝食を食べてギルドへ向かうのであった。






 ギルドに着いて、掲示板からクエストを探す。



「簡単だけど報酬の良いクエストはあるかな、おっ! これ良さそう」



 俺はクエストを掲示板から剥して、ハンナの所へ持って行った。



「ハンナさんおはようございます。このクエストお願いします」


「シンさんおはようございます。このクエストですね、分かりました。クエスト内容を確認します」


 ――


 (ほし)2『ツチノテ討伐』


 クリア条件:ツチノテを50体以上討伐


 報酬金:600(ゴールド) 1500GP(ギルドポイント)


 参加条件:(ほし)1から(ほし)3冒険者1人以上


 ~依頼内容~


 毒沼に大量のツチノテが増えてきたので討伐せよ。


 ――


「このような内容ですが、クエストを受けますか?」


「このクエストって(ほし)2ですけど、報酬金が高いですよね、何か理由があるんですか?」


「討伐数が多い事と、ツチノテがあまり強力な魔物ではない事が理由ですね。それに、報酬金を多くすると、冒険者さんに受けてもらいやすくなるんですよ。ほら、後ろを見てください」



 後ろを見ると、俺の次にクエストを受注しようとしている冒険者たちと目が合った。その中で俺に一番近い位置にいた冒険者の男はニヤッと笑って俺に言う。



「俺たちラッキーだな。こんな簡単なクエストがこの報酬金で出るんだぜ。当然やるんだろ? ハンナちゃん俺のもたのむ」


「はい、分かりました! シンさんもクエストを受注して良いんですよね?」


「はい、お願いします!」



 俺はハンナにそう言うとクエストを受注した。俺の後ろに並んでいた冒険者たちも次々クエストを受注してもらい、ギルドから出て行った。



「毒耐性の指輪を装備しているとはいえ、毒沼に行くから解毒薬は買っておこう」



 俺は道具屋で上解毒薬を1つ買って、毒沼に向かって出発した冒険者たちの後を追うのだった。






 ■






 毒沼へ行くために草原の道を歩いて行く。みんな黙って目的地まで歩いているが、この場の雰囲気は悪くない。


 みんなで移動しているので、周りの警戒を緩めても怖くないのだ。そんな時、スライムが草むらから出てきて俺たちと目が合う。



「スラ!」



 スライムは俺たちの姿を見ると、慌てた様子で逃げ出した。


 俺たちは魔物と戦闘することなく『この先毒沼』と書かれた看板が見えてくる。そこから先は、各々が別の方向へ歩き出して、ツチノテを倒しに向かうようだ。


 俺も、冒険者たちと行く方向が被らないように別の場所へ歩くのだった。






 しばらく歩いていると、遠くの方で冒険者の戦う声が聞こえてくる。もう他の冒険者はツチノテと戦っているようだ。俺もそろそろツチノテを見つけないといけないと思っていたが、地面から土と同じような色をした手が5つ生えていて動いている。



「あっ、ツチノテだ」



 あっさりとツチノテが5体ほど見つかった。



「毒沼に入ってすぐに見つかるって事は本当に大量にいるんだな。こんなに簡単に見つかるとは思わなかったよ。さて、戦闘準備をしないとね」



 俺は自分に省略詠唱の『パンプア』をかけて力を上げ、完全詠唱の『サーチ』を使った。


 視界は灰色になり、ツチノテの方を見る。『サーチ』の範囲外だからか、灰色のツチノテが見えるだけだった。



「まだあの距離まで『サーチ』は届かないみたいだね。俺の足元には……隠れていないね。それじゃあ戦うよ」



 俺は『サーチ』を解いて視界を元に戻すと、剣を抜いて右手に持ち、ツチノテの所まで走り出した。



「はぁ、えい、おりゃ!」



 ツチノテを剣で切り裂くと、あっという間に5体のツチノテから経験値が出てくる。



「ふぅ、これで終わり……なわけないよね!」



 目の前の5体のツチノテを倒して警戒が緩んだところで、地面から新たに現れたツチノテによって足首を掴まれてしまう。


 俺は掴まれた足を後ろに引いて、ツチノテが俺の目の前に来るようにしてから剣を振り下ろした。


 足を掴んでいたツチノテは、力が緩んだので足を振って剥した。



「他にツチノテはいないよな?」



 足元やその周辺の地面を見てみるが、特に変わった様子はない。



「今襲って来ないってことは、この近くにはいないってことだな。よし、次を探しに行くぞ!」



 毒沼になっている場所を避けながら進む。すると、他の冒険者と合流してしまった。


 俺は別の場所に行こうと進行方向を変えようとしたら話しかけられた。



「そっちはさっき歩いたからツチノテはいないはずだよ」


「え? そうなんですか、じゃあこっちを探してみます!」


「ああ、お互い頑張ろうな」



 冒険者は俺に向かって親指を立てると、すぐに前を向き歩き出すのだった。


 俺もツチノテを探すために奥へ進むのだった。

報酬金の多くなった『ツチノテ討伐』を受注した。


他のも同じクエストを受ける冒険者がいるようなので、道具屋で上解毒薬を買った後、冒険者たちと途中まで一緒に毒沼に向かった。


冒険者たちは各々別の場所へ歩き出した。


俺は5体のツチノテを見つけて倒すと、他にもツチノテがいたので、足首を掴まれてしまう。そのツチノテを倒して新たな場所に移動する。


他の冒険者と合流してしまったので、違う場所に行くこととなった。


今回の戦闘で倒したツチノテは6体なので、

ツチノテ討伐数6体、残り討伐数44体以上。



魔物の紹介


・ツチノテ


土のような色をした手が地面から生えてきている魔物。


身体の一部を掴み、身動きが取れないようにしてくる。


また、近くにあるものを投擲してくることもある。

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