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243話 ☆2『めぐすり草調達』②(木の実)

 森の奥に進むとゴブリンを1体見つけたので、木に隠れて様子を見る。



「1体だけなら今のうちに倒した方が良いよね」



 俺は自分の周りにゴブリンが潜んでいないかを確認してから剣を抜こうとすると、1体しかいなかったゴブリンは、仲間と合流して合計3体に増えた。



「向こう側からゴブリンが来るのか、まだいるかもしれないし、ここを通るのはやめよう」



 ゴブリンたちに気が付かれないよう静かに後ろに下がり、ゴブリンから十分離れたら走ってその場から逃げる。


 遠回りにはなるけれど、魔物を避けながら移動したことで、戦闘をすることなく木の幹や葉で影ができている場所まで来ることができた。


 大木と言えるくらいの大きな木が多くなってきて、めぐすり草が生えていそうな木の根の下の空間もある。その場所を俺は覗き込むが、土と根と石くらいしかない場所だった。



「めぐすり草は生えてないか、違う場所はどうかな?」



 俺は別の木の下を探してみるが何もない、また別の木の下を探すがそこにもない。この周辺の木の下を調べても、どこにもめぐすり草は生えていなかった。



「これだけ探してもないってことは、この場所がめぐすり草が生える条件じゃないって事か。もっと森の奥に行く必要がありそうだな」



 俺は服に着いた土を払い落すと、森のもっと奥に進んで行く。さっきの場所よりも葉や枝が多くなり、太陽の光が差し込む隙間が少なくなって暗くなってきているのが分かる。


 こういう場所にこそめぐすり草がありそうだ。



「さて、この木の下にはあるかな?」



 木の下を覗き込むが、暗くて奥まで見えない。仕方がないので木の下にある空間に入って奥の様子を見に行く。だが近くで見たところで、明るさは変わらないので、見えるものは覗き込んだ時とほぼ変わりはなかった。



「ランタンを持ってきた方が良かったかな? この場所ではあまりやりたくないけど明るくして見るか」



 俺は胸の近くで上下に両手を出し魔法を唱える。



「『ファイア』」



 俺の両手の中に小さな『ファイア』を作り、周りを明るくする。徐々に『ファイア』に使う魔力を多くすることで、火が大きくなり明るさが増した。


 木の根に火が燃え移らないように注意しながら、めぐすり草を探すが、ここには無いようだ。俺は『ファイア』を解いて木の下から出ていく。


 そして、他の木の下を調べていると、そこから悪臭がする。俺は思わず鼻と口を手で抑えて顔を歪める。



「うっ……なんだこの臭いは」



 木の下には食べ捨てられた木の実がたくさんあり、それが腐った臭いのようだ。


 この中を調べる気にはならないので、別の場所に移動しようとしたところ、俺の後ろでボトッと何かが落ちるような音がした。


 振り向くと、通常のゴブリンよりも体が一回り大きいゴブリンが、たくさんの木の実を両手で抱えて持って俺を見ていた。さっきの何かが落ちる音は、このゴブリンが抱えていた木の実の1つが落とした音のようだ。



「ゴブッー!」



 低い唸り声を上げたゴブリンは、抱えていた木の実を地面に全て落とし、腰に付けていた棍棒を取り出して襲い掛かって来た。


 俺はいきなりの事で回避が間に合わず、両腕でガードする。



「ぐはぁっ!」



 横に振られた棍棒が俺の腕に当たり、その衝撃で俺は地面に倒れて背中を打ち付ける。



「ゴブッー!」



 ゴブリンは俺が倒れている所に棍棒を振り下ろそうしている。俺はゴブリンの顔に目掛けて『スマッシュ』を飛ばした。


 ゴブリンは棍棒を使って『スマッシュ』を弾いて避ける。


 俺はその間に起き上り、ゴブリンの正面から離れると、剣を抜いて戦闘態勢を整える。


 今度はこちらがゴブリンに切りかかる。ゴブリンは上手く避けると、空いている手で爪を立てて引っ掻いてくる。そして俺が怯んでいる間に棍棒で殴られる。



「うっ!」


「ゴブッ」


「うあっ!」



 俺はゴブリンから一旦離れて、ゴブリンの攻撃から逃げ回る。『スマッシュ』で反撃するが、ゴブリンは棍棒で弾いてしまうので上手く決まらない。



「『スマッシュ』が弾かれるのなら、弾かれない魔法はどうだ? 『サンダー』!」



 バチバチと光る雷が、ジグザグな動きをしながらゴブリンに向かう。ゴブリンは棍棒で弾くことができずに魔法を受けてしまった。



「ゴッ……ブ?」



 魔法は当たったが『サンダー』の威力が低くて、ゴブリンを驚かせただけで終わってしまった。



「あまり効いてないな、でも一瞬だけ動きが止まる。これで攻めていくぞ!」



 俺はゴブリンに近付いて切りかかる。ゴブリンはまた爪で引っ掻いて来ようとするが、俺は攻撃を止めて後ろに下がり、ゴブリンの引っ掻き攻撃を避ける、そこで魔法を放った。



「『サンダー』!」


「ゴブッー!」



 ゴブリンに『サンダー』を当てたが、振り下ろす棍棒は止まらずに、俺の肩に直撃する。



「ぐはぁっ! そんな、確かに『サンダー』を当てたはずなのに、一瞬だけ止まっても俺にはその隙が突けないのか……他の方法を探さないと」



 俺はゴブリンから距離を取り、次の戦い方を模索する。ただの『サンダー』ではダメならば、濡れた状態で『サンダー』を与えれば。


 その考えが浮かんだ時に、俺はゴブリンに『ウォーター』を飛ばした。ゴブリンは棍棒で弾いたが、『ウォーター』はそこで弾けてゴブリンを濡らした。


 この濡れたゴブリンに向かって俺は『サンダー』を飛ばすのだった。



「ゴゴゴッ!」


「よし効いてる! 今だ」


「ゴブッ!」



 俺はゴブリンを切りつけた。ゴブリンは血を流しながらも、まだ戦意は失っておらず、棍棒を握りしめている。


 ゴブリンは近くに落ちている石を拾うと、それを軽く上に投げて、棍棒で打って来た。その石は形が悪かったおかげか、あらぬ方向に飛んで行ったが、当たった木にコンッと音を立てさせていた。


 ゴブリンは連続で石を打ち始め、俺に攻撃を仕掛けてくる。



「くっ、このままじゃ近づけない!」



 ゴブリンは近くに石が無くなったら別の場所に向かい、そこで石を拾うと、また棍棒で石を打ち始めて攻撃をするのだった。



「そっちが近づいて来ないなら、俺は逃げるよ」



 俺はゴブリンを置いてこの場から逃げ出した。だが、これには狙いがあった。俺が逃げればゴブリンは追ってくると思っていたので、俺に近付いて来たところを攻撃しようと思っていた。


 俺は木の下に隠れてゴブリンが追って来るのを待っていたが、一向に追ってこない。



「ゴブリン来ないな……」



 俺はもうしばらくここでゴブリンを待っていたが、ゴブリンは結局俺の事を追いかけて来なかったのであった。

ゴブリンを1体見つけたので、倒そうと思ったが、ゴブリンの仲間が集まり複数になったので、別の道に進むことにした。


大木が多くなって、木の根の下の空間があったので中を調べたが、めぐすり草はどこにもなかった。


別の場所に行くと、そこはさっきの場所よりも暗かった。中を調べる前に悪臭がして、中を確認すると、食べ捨てられた木の実がたくさんあり、それが腐った臭いだった。


ボトッと何かが落ちた音で振り向くと、木の実を両手で抱えた一回り大きいゴブリンがいて襲い掛かって来た。


『ウォーター』で濡らせて『サンダー』を使うという方法で動けなくさせて、その間に剣で攻撃して倒せそうだったが、近くにある石を棍棒で打って攻撃してきたので俺は逃げた。


追いかけて来るであろうゴブリンに攻撃を仕掛けるつもりだったが、ゴブリンは追いかけて来なかったのであった。

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