表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
236/249

236話 ☆3『ゴースト討伐』①(墓地)

 俺とアオは、掲示板に残ったクエストに目を通しながら、どれをやるか悩んでいた。アオは俺以上に悩んでいるようで、クエストを掴んで、内容を確認して首を横に振ると、違うクエストを見始めるのだった。



「アオはやりたいクエストってあるの?」


「うーん、(ゴールド)が多くもらえるクエストがやりたいけどそういうクエストは他の冒険者が受けちゃってここにはないし、(ゴールド)が多くもらえる討伐系のクエストは僕とシンくんの2人じゃ厳しいからやらないよ」



 そう言ってアオは、調達や調査などのクエストが貼られている場所で、やるクエストを探しているが、なかなか決まらないようだった。



「確かに、俺とアオで討伐できるクエストなら、他の冒険者に取られているよな……ん? これは……」



 何気なく討伐クエストを見ていると、ゴーストの討伐クエストが目に入った。


 ゴーストと言えば、ハクと『サーチ』の鍛錬をしている時に話題に上がっていた魔物だ。ゴーストがアンデッド系かゾンビ系か分からないけど、そのどちらかならアオの回復魔法の『ヒール』が効くはず。


 俺はそう思って、クエストを手に取った。



「アオ、これやろうよ」


「どれ? って……これ『ゴースト討伐』だよ!? 僕お化けは嫌いだからやりたくないよ!」



 アオは体を震わせて顔を青くする。



「でも(ゴールド)は意外と高いよ」



 俺がクエストの紙を揺らしながらアオに見せると、アオはゆっくりと手を伸ばして、俺の持っているクエストを掴み、内容を確認する。



「僕とシンくんで報酬を分けても、1人1000(ゴールド)以上になるの!? あっ、でもそれはサポーターを雇わなかったらって話だもんね……うーん、どうしようかな、やろうかな? やめようかな?」


「そんなに悩むくらいなら違うクエストにしようか?」


「他のクエストはこれより良いものはないし……僕、このクエストやるよ」



 アオはかなり悩んで『ゴースト討伐』のクエストを受けることを決めた。俺はアオの気が変わらないうちに受付まで連れて行く。


 そして、黒髪ポニーテールの女性ギルド職員のヨルの前に来た。



「今日はアオくんとシンくんの2人だけなのね」


「はい、今日は俺とアオだけでクエストに行きます!」


「怖いけど頑張ります」


「頼もしいわね、じゃあクエストの紙を渡してちょうだい」



 アオがヨルにクエストの紙を、震える手で渡した。



「ふふ、アオくん手が震えているわよ。このクエストね、分かりました。クエスト内容を確認します」


 ――


 (ほし)3『ゴースト討伐』


 クリア条件:なるべく多くのゴースト討伐


 報酬金:2000(ゴールド) 4000GP(ギルドポイント)


 参加条件:(ほし)1から(ほし)3冒険者2人以下


 ~依頼内容~


 墓地の周辺で魔物が活発になってきている。

 調査の結果、墓地にゴーストの目撃情報あり。


 ゴーストの魔石1つにつき50(ゴールド)と100GP(ギルドポイント)


『サーチ』持ちのサポーターを800(ゴールド)で雇うことが可能。


 ――


「このような内容ですが、ごめんなさい、現在『サーチ』持ちサポーターとなれる人やギルド職員がいませんので、サポーター無しになりますが、それでもクエストを受けますか?」


「ええっ? どうするシンくん、ゴーストって姿が見えないんでしょ? サポーターを雇えないんじゃ倒すのは厳しいよ」


「そうね、回復魔法の使えるアオくんなら、ゴーストなんて簡単に討伐できるけど、『サーチ』が使えるサポーターがいないと回復魔法を当てるのは厳しいわよ」


「『サーチ』は俺が使えます!」


「じゃあ問題ないわね」


「はい、ということで、クエストお願いします!」


「それではクエストを受注します。クエスト頑張ってください」



 俺たちはクエストを受注した後、隣の道具屋に寄ってマジックポーションや暗視ポーションなどを数本買ったら、目的地である墓地に向かうために外に出るのだった。






 ■






 墓地は北東にあるアッチッチ平原を越えた先にあるらしい。俺たちはアルンの街が見えている所までは星明りに照らされた道を歩いていたが、


 アルンの街が遠くて見えなくなってきた辺りで、俺たちは暗視ポーションを飲んで、視界を一気に明るくする。


 周りには魔物が歩いているようだが、魔物はこちらに気が付いていない。俺たちは魔物を避けながら虫の鳴き声が聞こえる夜道を歩いて、墓地を目指して進むのだった。


 そして歩き続けていると、緑色の壁が見えてくる。その壁の正体は草で、俺の頭くらいの高さまで伸びている。この草から先がアッチッチ平原なのだ。



「ここがアッチッチ平原なんだね。うわぁ、熱いね」



 アオが草の中に手を入れると、手に暑さを感じたようで、すぐに草から手を引き抜いた。



「クエストの紙に書いてある墓地への場所は、このアッチッチ平原を迂回しても辿り着くみたいだから、ここは通らずに安全に墓地へ行こう」


「うん、そうだね。僕もこの暑い所は通りたくないと思っていたよ」



 俺たちはアッチッチ平原の周りを進み、墓地を目指して移動する。


 道中で魔物を見つけても、隠れてやり過ごすことで戦闘にならずに、進むことができた。


 そして、ジメジメとしてきた雰囲気が強くなってくると、目的地の墓地が見えてくるのだった。

クエストを探していると、『ゴースト討伐』のクエストを見つける。


アオはかなり悩んだあとに『ゴースト討伐』を受けることを決める。


『サーチ』を使えるサポーターを雇えるみたいだったが、今はそのサポーターをしてくれる人がいないようで雇えなかった。だが、俺が『サーチ』を使えるので問題はないようだ。


墓地は北東にあるアッチッチ平原を越えた先にあるらしく、俺たちは暗視ポーションを飲んで視界を明るくして向かった。


アッチッチ平原を周りを進んで墓地が見えてくるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ