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166話 2回目の☆2『薬草調達』④(自傷)

「はぁぁ!」



 迫りくるミズクラゲの触手を剣で切り落とす。しかし、ミズクラゲが池に浸かっているからか、切ったところが治って、与えたダメージを回復されていく。


 完全に回復される前に、ミズクラゲに攻撃を仕掛けようとするが、傷ついていない別の触手が俺に襲い掛かり、それの対応で近づくことができない。


 いくら触手にダメージを与えても、池に浸かっているミズクラゲの回復速度にダメージが追いついていないので、ミズクラゲから離れる選択をする。


 ミズクラゲは触手を伸ばして攻撃してくるが、ミズクラゲから離れれば離れるほど俺に触手が届かなくなり、剣で切り落とさなくても、ミズクラゲは攻撃を当てることができなくなっていた。



「俺に攻撃したかったら、その池から出てきなよ」



 俺の挑発が効いたのか分からないが、ミズクラゲが池から離れて、俺の方に向かってくる。


 ミズクラゲから目を離さないように、後ろ歩きで移動し、池から遠ざけるように誘導する。


 お互いゆっくりと付かず離れずの距離感でいると、俺の背中に何かが当たり移動できなくなる。後ろを向くと、そこには木があって、俺はそれにぶつかって、このままではこれ以上後退できないようだ。


 ミズクラゲは俺が後ろを向いたことで攻撃を仕掛けてくる。


 何本もの触手が俺に向かってきて、2本だけ切ることができたが、他の触手の攻撃は防ぎきれずに、胸やお腹などに当てられてしまう。



「うわぁ!」



 後ろに木もあったせいで、衝撃を和らげることができず、大ダメージを受けた。


 ミズクラゲは触手を使って、俺と木をグルグルと縛り身動きを取れないようにしてくる。



「くっ……縛られて剣が触れない! うっ、うわぁ!」



 ミズクラゲは残った触手を使って、俺の身体を何度も叩き、ダメージを与えていく。



「こうなったら仕方ない!」



 俺は剣を離して、自分の足に手の平を当て、魔法を唱えた。



「『サンダー』! うわぁぁぁ!」



 俺の全身に電気が流れる。すると、俺を縛っているミズクラゲの触手にも電気が伝わり、ピクピクと触手を震わせると、縛る力が弱くなった。


 この隙に、俺は足の力を抜いて、しゃがむように緩くなったミズクラゲの触手から抜け剣を拾い、痺れて動きの鈍くなっている触手を切りながらミズクラゲに向かって行く。


 ミズクラゲは、切られた触手で俺を攻撃するが、動きが遅く、簡単に避けることができ、徐々にミズクラゲとの距離を詰めていく。


 しかし、ミズクラゲは俺を止められないと判断したのか、ぷかぷかと浮き始めて、俺の剣での攻撃が届かない空に逃げ始める。



「逃がすか!」



 俺はミズクラゲの真下に入ると、上に向かって『サンダー』を放つ。


 ミズクラゲはビリビリと痺れ、空に向かう力が弱まり、少し落ちてくる。俺は何度も『サンダー』を使い、ミズクラゲを引きずり下ろしていった。



「ここまでくれば、俺の剣は届く! はぁぁ!」



 俺はジャンプして攻撃をすると、剣はミズクラゲの身体に触れ、傷を作ることができた。それによりミズクラゲは空を飛ぶほどの力は無くなり、地面に落ちてくる。


 ミズクラゲは全ての触手を使って攻撃を仕掛けてくる、俺はダメージを食らいながら少しずつ触手を切って、ついにミズクラゲの触手を全部切り終えた。


 攻撃手段がなくなり、ダメージを受けすぎたことによる疲弊で、その場から動かなくなった。池から離れたとはいえ、雨で傷が回復しているので、俺は何度も動かないミズクラゲを経験値を、吐き出すまで攻撃して倒した。






「よし、ミズクラゲを倒すことができたぞ。これで池の周りの薬草が採りに行ける! っとその前に、倒したミズクラゲを袋に詰めないと」



 俺はミズクラゲを袋に詰める。そしてダメージを受けたので自作のポーションを飲み、加護を回復させてから池に向かい、池の周りにあった薬草を全部採った。


 これで薬草は十分集まってミーナミ村に帰ろうとすると、


 ズシンズシンと足音が響いてくる。


 俺は危険な予感がしたので草むらに入り身を潜めて様子を見る。


 足音は大きくなっていくが、足音を出している正体が一向に現れない。凄く近くまで聞こえていた足音が止むと、俺の肩にボトッと大きめの何かが当たる。


 当たった物は液体だったようで、レインコートに弾かれ、草むらをするすると落ち、地面に付いた。


 その液体に手で触ってみるとネバネバとしていて生暖かい、上を向いて何が落ちていたのか確認すると、そこには大きい顔があり、口からよだれを垂らしていた。



「っ!?」


「ゴガァ……」



 俺はいきなりのことで驚きすぎて、悲鳴すら出すことができなかった。だが、それが幸いして目の前の魔物を刺激しないで済み、正体を把握する余裕が生まれた。


 俺の側にいたのは、2(メートル)以上ある大きな身体をしたゴブリンが立っていた。これはただのゴブリンじゃない、ドン・ゴブリンだ。


 ドン・ゴブリンの背後には、普通のゴブリンが何体もいて、そのうちの1体はボロボロに傷ついたゴブリンを抱えていた、


 その傷ついたゴブリンはダメージが酷く、腕が無くなっていて、生気を感じなかった。


 ドン・ゴブリンは俺の身体の匂いを嗅ぐと、額の血管が浮かび上がってくる。


 俺はゆっくりとその場を離れようとすると、魔物を入れていた袋を足に引っかけてしまい、袋が開いてゴブリンの手首がポロッと零れ落ちた。


 その時、時間が止まったように、俺もゴブリンたちも固まった。動いているのは、ゴブリンの手首が地面に落ちることと、雨だけだ。


 1秒にも満たない時間が、数分のように感じられるほどの緊張、先に動けたのは俺だった。


 俺は全速力で逃げを選択すると、ドン・ゴブリンは息を吸い込み、怒りのまま咆哮をした。






「ゴガァァァッッッ!!!」






 木は震え、雨も震え、地面の水溜まりも震えさせる。俺の身体もドン・ゴブリンによって震えているが、無理やり身体を動かして1歩でも遠くに逃げるのであった。

ミズクラゲと戦闘になり、池から離れることで、ミズクラゲの再生能力を弱くさせる。


俺は触手によって木に縛られてしまい、ミズクラゲから何度も触手で攻撃をされるも、自分に『サンダー』を使うことで、俺を縛っていた触手にも『サンダー』のダメージを与えることができ、縛っていた触手を緩めることができて脱出する。


空に逃げようとしたミズクラゲを真下から上に向かって『サンダー』を使うことダメージを与え、ジャンプすれば届く距離まで降ろすことができ、剣で切りつける。


ミズクラゲの攻撃手段である触手を全て切り、動けなくなったミズクラゲに何度も攻撃を加えて倒した。


その後、池で薬草を全部採っていると、どこからか足音が聞こえて隠れるが、すぐ後ろにドン・ゴブリンがいた。


俺は逃げるが、魔物を入れていた袋が開いてしまい、そこからゴブリンの手首が落ち、ドン・ゴブリンは怒りの咆哮をするのであった。



魔物の紹介


ドン・ゴブリン


ゴブリンが大きくなったような魔物。ゴブリンのリーダーみたいな存在である。

大体2(メートル)以上の大きさで、放置するとゴブリンを繁殖させて数が多くなる。

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