表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
161/249

161話 ☆3『スーパーポイズンスライム』⑤(脱出)

 ツチノテは、指を器用に使って移動して、俺たちに迫って来る。それをコカが迎え撃つ。



「『ドン・ファイア』」



 コカの手からは火の球が放たれ、ツチノテたちを焼いていった。しかしここはプリズンゴーレムの中、狭い空間にいる俺たちの所にも、火の熱が、外を求めるように迫って肌に熱風が当たる



「熱っ! ここで火属性の魔法は危険ですね。しかし、ここからどうやって出れば良いんだろう?」


「あそこに……魔石が埋め込まれている……あれを壊せばプリズンゴーレムは崩れて……私たちは出られる」



 コカが天井を見上げているので、俺とハクも天井を見る。真ん中辺りに、握り拳くらいの大きさの魔石が見える。あれを壊せばここから脱出できるみたいだ。


 だが、高い位置にあるため、俺では届かない。ここは弓矢が使えるハクに壊してもらう。



「ハク、頼んだよ」


「……ああ、っ!? プリズンゴーレムが動き始めたぞ」



 プリズンゴーレムは地面から出てきたようで、石格子の間から見えるギルド職員が小さく見えてくる。そしてプリズンゴーレムの足も確認できる。俺たちが捕らわれている場所は、お腹辺りのようだ。


 そうなるとプリズンゴーレムの大きさは、飲み込まれてから落ちてきた高さを考えると、10(メートル)くらいになるだろう。


 プリズンゴーレムは、ギルド職員にの方を向くと、そちらに向かって倒れようとする。ギルド職員たちは潰されないように左右に散らばり逃げることが出来た。


 だが、中に捕らわれている俺たちは、身体に強い衝撃を受け倒れる。



「うっあっ!」


「……っ!」


「くっ……」



 格子が地面に付いて、外から来るはずだった明かりを隠してしまい暗くなる。いきなり明るさが変わったことで、目が暗闇になれていないので、何も見えなくなっていた。


 起き上がりながら目を慣らしていくと、自分の手が微かに見える程度に見えるようになった。



「『ライト』」



 コカの放つ光が、この場を明るく照らす。これでプリズンゴーレムの中はしばらくの間は明るくなる。


 ハクは弓矢を構え、魔石を狙って矢を放つ。しかし、少しヒビを入れる程度で、破壊するには至らなかった。


 矢は床にカランと音を立てて落ちた。



「……硬いな、だが壊せない硬さじゃない。しかし時間がかかる。何発必要か分からない、シン、もう一度俺に『パンプア』をかけて力を上げてくれ。できれば完全詠唱で頼めるか?」


「分かった」



 俺は完全詠唱の『パンプア』を唱える。



「我が魔力を星に、流星が如く、天を切り開く、大いなる魔素を集い、不純なる魔を我に、我に適応し糧となる。ナンタ・ライダ・リカル・アイド・ケブン・バイタ……『パンプア』!」



 魔法は発動して頭上に魔力が集まる、それをハクの腕に集中するように纏わせる。


 少しだけだが、ハクの腕に纏う『パンプア』が多くなった。鍛錬していないのにこんな操作ができるのも、完全詠唱によって、魔法を安定させているからだろう。



「……助かる。ふんんんっ!」



 ハクは持てる力の全てを込めて弓を引こうとしたとき、魔石が光を放ち、魔素を集めているようだった。


 焼かれて倒れているツチノテから魔素を吸い取り、魔石の魔素と合わさっていく。そして魔素は、魔物の形に変わっていった。


 スライムが溶けたような見た目をしている紫色のスライム、ポイズンスライムが誕生する。しかし、プリズンゴーレムの魔石は更にポイズンスライムに魔素を与え続けていった。


 すると、紫色だった身体は徐々に緑色へと変化していく。



「まずい! このまま何もしないで見ているだけだと、スーパーポイズンスライムになっちゃう、 今すぐ倒さないと! ハク、コカさん、援護お願いします!」



 俺はポイズンスライムに向かって走り出した。



「……任せろ」

「『ストーン』」



 ハクは矢で、コカは石を飛ばしてポイズンスライムに魔素が与えられるのを邪魔する。だが、それはポイズンスライムには避けられてしまい当たらなかった。


 そしてポイズンスライムは、十分な魔素を得ることで、スーパーポイズンスライムに進化した。


 俺が迫っていると、スーパーポイズンスライムは緑色の毒霧を吐き出す。



(こんな狭い空間で毒霧だと!? 急いで倒さないと!)



 俺は息を深く吸い込み、口を閉じて、毒霧を吸わないように息を止め、毒霧の中に入って行く。


 スーパーポイズンスライムがいた場所に剣を振り下ろしたが、そこには姿がない、目の端に動くものを捉えると、そこにスーパーポイズンスライムがいた。俺から逃げながら毒霧を吐いている。


 俺がスーパーポイズンスライムと追いかけていると、コカの『ドン・ファイア』が辺りに広がって放たれた。どこもかしこも火が燃え上がり、スーパーポイズンスライムは逃げる場所を失う。


 俺は、火を背にしたスーパーポイズンスライムを追い詰める。毒の球を飛ばしてきたが、火の影響で威力がだいぶ落ち、攻撃手段がなくなったスーパーポイズンスライムは体当たりを仕掛けてくるが、俺はそれをカウンターで一刀両断した。


 スーパーポイズンスライムの身体を、火に飲み込まれ、回収は出来なくなったが、しっかり経験値は吐き出した。



「ぷはぁっ! はぁ……っ! 喉が焼けるっ……それに頭痛に腹痛も……」



 周りにある熱風と毒霧を吸い込み、毒にもかかったようだ。



「みんなは……」



 ハクやコカの方を見ると、苦しそうにしている。やはりこの狭い空間で、空気の通り道である格子の間が地面で塞がっているからか、毒霧を吸い込んでしまったようだ。



「ハク……」


「……またスーパーポイズンスライムを倒したみたいだな、俺は上解毒薬を使って毒を回復する、シンも早く飲むんだ」



 ハクは袋から上解毒薬を取り出して飲み干し、毒状態を回復して元気になった。


 そしてハクは、ミシ……ミシっと弓からの悲鳴が聞こえてくるくらい力を込めて矢を放ち、魔石を破壊した。それによってプリズンゴーレムがどんどん崩れて経験値を吐き出した。


 充満していた毒霧は消えて行って、俺たちは外に出ることができ、俺はそのタイミングで上解毒薬を飲んで毒を回復させた。コカも上解毒薬を持っていたらしく、いつの間にか飲んでいた。


 俺たちはプリズンゴーレムからの脱出に成功したのであった。

ギルド職員を潰そうと、プリズンゴーレムは倒れる。それにより、格子から入って来た光は失われ、コカの『ライト』を使って明るくした。


プリズンゴーレムは天井にある魔石を破壊することで、プリズンゴーレムは崩れ脱出できるようなので、ハクに矢で破壊してもらおうとした。


ハクは少しヒビを入れるくらいしかできなかったので、俺に『パンプア』を使ってもらい力を上げた。


その後、魔石が光り出しツチノテからも魔素を集めはじめ、ポイズンスライムを作り、更にそれをスーパーポイズンスライムまで進化させてしまった。


俺はコカたちと協力してスーパーポイズンスライムを倒して、


魔石はハクが破壊し、脱出することに成功する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ