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143話 2回目の☆2『ゴブリン討伐』④(連続)

「『アームクルド』!」



 アオは戦闘開始直後に俺たち全員に魔法をかける。



「これでみんなの防御力は上がったよ!」


「……アオ、援護助かる」



 ハクは3発もの矢を放つと、3体のゴブリンの肩に当てていく。



「ゴブッ!」「ゴブッ!」「ゴブッ!」



 ゴブリンたちがハクの矢を肩から抜いている間に、ユカリはゴブリンたちに攻撃を仕掛けていた。



「『ウィンドショック』!」



 2回使われた『ウィンドショック』は、真ん中にいるゴブリンを残して後ろへ飛ばした。そして、俺はユカリが攻撃をしなかったゴブリンに近づき、剣で切りつける。



「はぁっ!」


「ゴッ……ゴブッ……」



 ゴブリンが倒れる前に、後ろに飛ばされたゴブリンに向かって攻撃を仕掛ける。ハクとユカリに攻撃されて怯んでいるゴブリンたちを攻撃していった。


 そして、3体のゴブリンたちは経験値を吐きだした。






「ふぅ……みんなと一緒なら簡単に倒せたな」



 俺は武器をしまうと、みんなの所に戻る。



「シンくん凄いね! 前はゴブリンに苦戦していたのに、今の戦いはそんなこと全然感じなかったよ」


「そうですわ、シンくんはかなり強くなっていますわ」


「そうかな? そうなるとこの武器のおかげだね。攻撃力が高いおかげで反撃を食らう前に倒せている気がするよ」


「……シンはこれで討伐したゴブリンは何体目だ?」


「えっと……ユカリと一緒にいた時に1体、ユカリと別れた後に3体倒して、さっきの戦闘でまた3体倒したから、7体倒したのかな?」


「……そうか、じゃあ俺たちは全員クエストクリアしているってことだな」


「え? もしかして俺だけクエスト終わっていなかったの?」



 俺は驚いてみんなの顔を見る。アオもハクもユカリも、うんうんと頷いている。



「アオは分かるけど、ハクとユカリもクエスト終わっていたの!? そもそもなんでアオはここに? クエストが終わったのなら街に帰るんじゃないの?」


「僕はみんなが心配だったから街に帰らずにここまで来たんだよ。でも1人で森に入るのは怖いから、ここで様子を見ていたんだ。そしたら森からユカリちゃんが出てきたんだよ」


「そうよ、私は森を出るとアオくんがいて、ちょっと話しているとハクくんも森から出てきたんですわ」


「……そうだ。それで街に帰るのをやめて、シンが森から出てくるのを待っていた。だが、待ってもなかなか出てこないから、俺が様子を見に行ったんだ。そしたらこちらに何かが近づいてくる音がして、木の陰に隠れていると、大量のゴブリンに追われているシンを見つけたんだ。その後はシンも分かるだろ?」


「あの時は本当に助かったよ、ありがとう」



 俺は精一杯の感謝をハクに伝えた。



「……それじゃあそろそろ帰ろう。またゴブリンが集まって来ても面倒だ」


「そうだね」



 俺たちは談笑をしながら街に帰るのであった。






 ■






 街に帰りギルドに着くと、アオ、ハク、ユカリ、俺という順番でクエストクリアの報告をしていくことになった。



「次はシンくんの番ですわ」


「うん、今行くよ」



 受付の所まで向かうと、ハンナさんにクエストクリアの報告をする。



「ハンナさん、クエスト終わりました」


「シンさん、クエストお疲れ様でした。シンさんが倒したゴブリンは7体回収されたとギルド職員が確認しています。こちらが報酬金となります」



 俺は400(ゴールド)と1200GP(ギルドポイント)を受け取った。


 危険だったとはいえ、余力を残してクエストを終えているので、以前よりも成長できたことを実感した。俺は帰るのでアオたちに別れを告げようとする前に、ハクが話しかける。



「……シン、もし良かったら、昼食後に俺たちと一緒にクエストに受けないか?」


「今日はまだまだ元気だし、やってもいいよ。でも珍しいね、というより初めてじゃないか? 1日に2回もクエスト受けようとするなんて」


「……ああ、それはアオのためだな」


「アオのため?」



 俺はアオの方を向くと、何か言いたそうにソワソワしているが、目をそらすばかりで話そうとしない。



「私が説明しますわ。シンくんは私たちが住んでいる宿のことは知っていますわよね?」


「確か1日分を貸してくれるんじゃなくて、1ヵ月分貸してくれる宿だよね? あ、もしかしてお金が足りない感じなの?」


「その通りですわ! 私とハクくんは討伐クエストを受けたりしていましたので、宿代の(ゴールド)は溜まっているのですが……」


「……アオは採取クエストや、ポーション製作などの報酬に(ゴールド)が少ないクエストばかり受けていたから、(ゴールド)が足りていないんだ」


「僕も1人で稼げればいいんだけど、討伐クエストはみんなといかないと怖いから……」


「でもアオはスライム討伐を1人で出来たよね?」


「スライムは倒せても、他の魔物はまだ怖いよ!」



 アオは頭をぶんぶんと横に振り、他の魔物と1人で戦うことを嫌がった。



「……というわけだ。アオが1人でいけない以上、俺たちはもう一度クエストを受ける」


「分かった、アオのために俺も頑張るよ!」


「ありがとう、シンくん!」


「アオくん良かったですわね、では受けるクエストはお昼ご飯を食べた後に決めますわ。食堂に行きますわよ」



 俺たちはギルドから出てユカリについて行く。そして、街にある大きい食堂の中に入って行った。






 食堂の中は前にリクたちと来た時と同じように賑わっていた。



「いらっしゃいませ! おや、みなさんお久しぶりですね、今日はご来店ありがとうございます!」


「キャリー、久しぶり!」



 この女性店員は、10日以上前に受けた『鉱石調達』のクエストにサポーターとして参加した、茶髪でレギュラースタイルのツインテールをしているキャリーだ。普段はこうして食堂の料理を運んだり、掃除をしたりする仕事をしている。



「こちらの席へどうぞ!」



 俺たちは空いているテーブルに案内される。そこの椅子に全員が座るとキャリーからメニューが渡された。



「こちらがメニューになります、決まりましたら、こちらの鈴を鳴らしてください、では失礼します」



 キャリーは去っていき、この場には俺たちだけになった。



「私は当然パフェを食べますわ」


「……俺はベーコンパンセットにする」


「僕もベーコンのパンセットにしようかな? 前にシンくんとハクくんが頼んでいて美味しそうだったし」


「じゃあ俺は何にしようかなぁ。アオって前に来たときは何頼んでいたっけ?」


「前に来たときはコーンスープのパンセットを頼んでいたよ」


「分かった、じゃあ俺はそのコーンスープパンセットにするよ! 全員決まったよね、それじゃあ鈴を鳴らすよ」



 俺は鈴を鳴らして店員を呼び、注文する料理を伝えた。


 そして、時間を忘れるほど楽しく飲み食いをしながら、街の外では出来なかった談笑の続きをするのであった。

俺を追ってきたゴブリン3体をみんなと協力して簡単に倒すことが出来た。


アオが宿代を稼げていないので、もう一つクエストを受けることになった。


街にある大きめの食堂で食事をして、久々にキャリーにあった。

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