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140話 2回目の☆2『ゴブリン討伐』①(1人)

 目を覚ますと窓から光が差し込んでくる、今日も良い天気みたいだ。布団から起き上がると、ファングソードを腰に、そして新しく作ってもらったゲーターブーツを履いて装備を整える。宿屋の食堂で朝食を済ませると、ギルドに向かった。






 ギルドに着くと、掲示板の前にはアオとハクとユカリの3人がいた。俺は声をかけながら3人に近づいた。



「みんなおはよう、またみんなでクエスト探しているの?」


「シンくんおはよう、こんなに討伐クエストがあるから、別々にクエストをやろうってことになって、ハクくんとユカリちゃんと一緒に考えていたんだ。僕は怖いから魔物と戦いたくないけど、このまま討伐クエストが溜まっていくと、採取クエストに行くときに魔物に出会いやすくなっちゃうから、簡単なスライム討伐をやることにしたんだよ……1人で」



 アオが手を震わせながらスライム討伐のクエストの紙を見せてきた。そのクエストにはスライム5体討伐と書かれている。


 そんな震えるアオを元気付けるようにユカリやハクが声をかける。



「アオくんは私たちと一緒に魔物の討伐をしていたから大丈夫ですわ」


「……そうだ、俺たちといたことで一緒に経験値を得ている。スライムを怖がるほど弱くはない」


「でも、僕は『ウォーター』くらいしか攻撃魔法使えないし、後は支援魔法と、新しく覚えた回復魔法くらいしか使えないよ……ハクくんやユカリちゃんと違って、僕は魔物と戦うのに向いていないんだよ」



 元気付けようとしたのにアオは余計に落ち込んでいた。



「アオが使う支援魔法は防御力を上げる魔法でしょ? それならスライムの攻撃なんてダメージを受けないはずだよ。アオだけでもスライムは倒せるはずだよ!」


「そうかな?」


「俺でもスライムを1人で倒せたんだから怖くないよ」


「そうだよね、シンくんでもできたんだから僕にもできるよね。僕1人でやってみるよ」



 アオは魔物と戦う不安を払うことができたみたいだ。その間にハクとユカリはクエストを決めていたようだ。



「……俺はこれにしようと思う」


「私はこれにしましたわ」



 ハクが手にしたクエストはウッドォ討伐のクエストで、ユカリが手にしたのはゴブリン討伐のクエストだった。



「……俺たちは決まったが、シンはどれにするんだ?」


「そうだねぇ、俺はどれにしようかな」



 掲示板の前に立って、これからやる討伐クエストを探す。選んだのは、掲示板に張り出されていた中で1番多かった魔物が書かれたクエストを選んだ。



「俺はこれにするよ」



 俺が選んだのは、ユカリと同じゴブリン討伐のクエストだ。



「シンくんは私と同じクエストですわね」


「……全員決まったようだな、それじゃあクエストを受注しに行くぞ」


「うん」



 ハクとユカリが受付に向かうと、その後ろをアオが追いかける。俺もその3人に続いていった。そして、3人ともクエストの受注を終えて、俺の番になった。



「ハンナさんこのクエストお願いします」


「シンさんこのクエストですね、分かりました。クエスト内容を確認します」


 ――


 (ほし)2『ゴブリン討伐』


 クリア条件:ゴブリンを5体以上討伐


 報酬金:400(ゴールド) 1200GP(ギルドポイント)


 参加条件:(ほし)1から(ほし)3冒険者1人以上


 ~依頼内容~


 森に潜むゴブリンが増えてきたので討伐せよ。


 ――


「このような内容ですが、クエストを受けますか?」


「はい、お願いします」


「それではクエストを受注します、クエスト頑張ってくださいね」


「行ってきます!」



 俺もクエストの受注を終えてみんなと一緒に街を出た。






 ■






 俺たちは街を出てもしばらくの間は行動を共にしていた。



「あ、スライムがいるよ!」



 俺が指差す方向でスライム1体が飛び跳ねて移動していた。俺は剣に手を伸ばそうとすると、ハクに止められた。



「……シン、これはアオの受けたクエストだ。俺たちが邪魔しちゃいけない。

 ユカリも手を出すなよ」



 ハクはユカリにも忠告を出すと、ビクッと身体を跳ねて驚いたユカリは、剣を抜こうとしていた手を放す。



「そ……そうですわね! アオくん、頑張ってくださいですわ」


「……危なくなったら助けてやる」


「う……うん」



 アオが前に出ると、飛び跳ねていたスライムと目が合い立ち止まる。数秒見つめ合うと、戦う決心がついたアオが動き出す。



「『アームド』!」



 アオの身体が薄い膜のようなものに包まれると、次に手を前に出して魔法を唱える。



「『ウォーター』!」



 水の塊がスライムを襲う。スライムは突然のことで反応が遅れて回避が間に合わずに当たってしまう。そこでよろけたスライムに槍を構えて走り出し攻撃をする。



「えい!」


「スラ!」



 槍でスライムを突こうとするが、攻撃されてもアオから目を離さずに見ていたスライムは突きを避ける。そしてスライムは、攻撃をしてきたアオに反撃として体当たりを脇腹に当てた。



「わっ! あれ? あんまり痛くない」



 攻撃されたのに気にならないダメージしか感じなかった。アオがそのことに気を取られている隙に、スライムがもう一度体当たりをしてくる。


 アオは槍で薙ぎ払うと、体当たりをしたスライムに当たり、スライムが飛ばされる。



「スラ……」



 スライムはすぐに起き上がるが、頭がクラクラしているようで、うまく動けないようだ。



「アオ、チャンスだ! 今なら攻撃が簡単に当たる」



 俺がアオに声をかけると、チラッとこっちを見たアオが頷き、スライムに向かって渾身の力を込めて槍を突いた。


 槍はスライムの身体を貫き、スライムからは経験値が出てくる。



「は、はぁ……」



 アオは緊張が解けたのか、その場に崩れるように座り込んでしまう。俺たちはアオの周りに集まって、肩を貸して立ち上がらせた。



「アオ、どうだった」


「うん、やっぱり怖いけど、スライムは僕でも大丈夫そうって分かって安心したよ」


「ははは、そっか。それは良かった」



 俺が笑うとユカリもホッとした表情を浮かべる。



「……よし、アオは1人でも大丈夫と分かったな。それじゃあ俺たちもそろそろ自分のクエストを優先するようにしよう」


「うん、3人とも森に討伐対象がいるんだもんね」


「……俺らはやられないさ。それじゃあ俺は先に行く、街でまた会おう」



 ハクはそう言って森の方向に向かって歩き始めた。



「私たちも行きますわ! アオくん、無理しないでね」


「アオまたね」


「うん!」



 俺とユカリはアオを置いて、ハクとは違う方向から森に向かって行った。

ギルドにはアオとハクとユカリがいたが、パーティーを組まずに、それぞれが討伐クエストを受注した。


俺とユカリはゴブリン討伐、アオはスライム討伐、ハクはウッドォ討伐を選んだ。


草原までは4人で行動していたが、臆病なアオが1人でスライムを倒したことで、1人でも大丈夫と分かり、アオを置いてハクは森に向かった。俺とユカリもハクとは違う方向から森に向かった。

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