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1話 プロローグじゃない?(興奮)

「はぁ……いくら努力しても才能あるやつには勝てないな……」


 俺の名前は神崎シン、そこら辺にいる普通の18歳。やればある程度まではすぐ上達する、このある程度というのが俺を悩ませている。そう、俺は器用貧乏というやつだ。本気でやっても適当にやっても他のやつより上手くやれるだけ。スポーツで県大会全国大会に出るようなやつには勝てる気がしない……


「……家帰ってゲームするか」


 ゲームは好きだ、RPGは特に好きだ。やり込めば能力が上がり放置してても下がらない。現実は1日やってないだけで能力が下がる、嫌になる


「ただいま」


 俺は家に着くと直ぐに自分の部屋に向かった、部屋に入ると俺のパソコンが起動していた。


「消したつもりだけど忘れてたのかな?まぁいいや」


 俺は気にせず、椅子に座りゲームをするためパソコンを操作する。いつもやっているゲームに行こうとするとアンケートが出て来た。内容は、『あなたが異世界に行けるとしたら?』と書かれている。普段ならアンケートに答えずゲームをやっていたが、気まぐれで俺はアンケートに答えていた


『あなたは主人公をやりたいですか?』


 もちろん俺は、はいを押した。やるなら主役をやりたい、現実では脇役だろうから


『どんな主人公がいいですか?』


 選択肢がいくつか出て来た。ハーレム系やバトル系、ほのぼの系やギャグ系など。俺はバトル系を押した。ハーレム系を押そうか悩んだが、好きなのはRPGつまりバトル系


『主人公の設定は?』


 これは善と悪とその他だった、俺は善を押した。悪側になって破壊活動も面白そうだが、俺がやりたいことは魔物と戦ったり魔王を倒したりといった王道なやつだ


『主人公の強さは?』


 これには選択肢が無く、自由に書くことが出来るようだ


「努力した分だけ強くなる……わざわざ書くことでもないな、ゲームだと当たり前にある事だし……えっ!?」


 俺は文字を打ってないのに勝手に『努力した分だけ強くなる』と書かれ『しばらくお待ちください』と表示された。俺が混乱している間に準備が終わったのかパソコンが光り出して辺りを光で包みこんだ。光が消える頃にはパソコンの電源は落ち、部屋には誰もいなくなった。



 ―



「なんだ急に!」


 俺は状況が理解出来ていない、勝手に文字は書かれるしパソコンは光り出すし、見たこともない場所に居る。わからないことだらけだ


「ようこそ、神崎シンくん」

「誰!?」


 俺に話しかけて来たのは腰まである黄緑色の髪に、大人と子供の中間みたいな綺麗な顔立ちで胸は大きく背もそこそこある女性だ


「私は女神アルン、よろしくね!」


 笑顔で言われてドキッとした。周りを見渡せばこの女神だけで、この場所以外は星明りしかないような暗さだ


「あっ……俺夢見てるんだ……」

「夢じゃないわよ、幸運なことにこれは現実。あなたは異世界に行って冒険をするのよ」


 こんな滅茶苦茶な展開が現実な訳がない。幸運?意味がわからない、未だに状況の整理がついていない俺は頬をつねってみる。痛みは感じない……でも気持ちが落ち着くにつれて意識がはっきりし過ぎている違和感。夢なのか現実なのかわからなくなってくる


「ふふふ……すぐに夢じゃないってわかるはずよ。早速シンくんに行ってもらう異世界について説明するわね」


 俺はどうにでもなれの気持ちでこの現状を楽しむことにしたよくよく考えれば現実は嫌なことばかりだ、夢でも現実でも今だけは嫌なことを忘れられそうだ


「シンくんが行く異世界は魔物がいるファンタジーな世界よ!…………」


 体感で10秒無言が続く、あまりに静かで甲高い音が頭の中に響いて来る耐えかねて女神に聞いてみた


「……アルン様……説明それだけですか?」

「それだけよ」

「もっと他にも説明することありますよね! 魔物がいることしかわかってないじゃないですか! 例えば、魔物と戦って平和を作るとかないんですか!?」


 説明の少なさに大きな声を出してしまった

 質問してもまともな答えは返って来ないだろう


「じゃあそれで」

「じゃあそれでって……」


 秘密とか時が来れば教えるなんかを予想してたが流石女神俺の予想を超えて来た


「ふふふ……説明しないのは異世界を楽しんでもらうためだよ!知らないことを知るのは楽しいことなんだから」

「そうですか……」


 女神は楽しそうだ、たぶん俺が異世界で体験していることを想像しているのだろう。いったい何が起こるのか……


「意外とシンくんて適応力高いね、私が女神なのも受け入れてるみたいだし」

「この状況を楽しもうかなと思いまして」

「うんうんそうでなくっちゃシンくんを異世界に連れて行く意味ないしね。次はシンくんのスキルを説明するね」


 俺は何となく自分の能力が努力した分だけ強くなるものだと思った。あのアンケートも今考えれば意識を誘導されていたのかもしれないな。ここに俺を連れて来たのも女神で間違いなさそうだ


「シンくんその読みは当たってるよ、シンくんの能力は『無限成長』

能力の成長に限界を作らないスキルだよ」


 限界を感じて挫折してきた俺からすれば、成長に限界を作らない能力……

 なんて魅力的な能力だろうか


「さらっと心が読まれて……アルン様その『無限成長』って強いんですか?」


「うん、とても強いよ使いこなせればね。世界最強になるかそこら辺の人にやられる最弱になるかはシンくんの努力次第だよ」


「俺次第……」


 果たしてこのスキルを使いこなすことができるのか、俺より努力するやつはいるだろう、でも試してみたい!俺はどこまで高みへいけるのか!俺次第だ限界はない!俺が諦めなければいいだけ!


「やる気が伝わって来るよ、じゃあそろそろ行こうか」


 アルン様が指を振ると俺の足元に穴が開いた


「え? うあぁぁぁぁぁぁ!!!」

「頑張って生き残ってね!」


 こうして神崎シンは異世界に送られた



 ―



 女神アルンはシンを送った後、シンに教えていないことを思う。シンに無限成長を授けたと同時にシンの才能を消した。いや、無限成長を習得するには能力も才能も0にしなければならなかったから仕方のない事だ。


「魔物を倒すこと……それが目標ね、最初の1匹目を倒せるのはいつになるかしら……ふふふ……その前に死んじゃうかもね」



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