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第2話 世界管理室の使い方



世界管理部屋の椅子に座って、俺は隣に座っている天使のクロエにいろいろと教わり始める。


「まず、目の前にあるモニターに右手を置く」


ふむ、俺の目の前にあるモニターってこれかな?

この椅子に座ると、目の前に現れたモニターだが何も映ってなくて不思議に思っていたんだよね……。


クロエに言われたとおり、モニターに手を置くとモニターが点き表示しだした。


「えっと、ステータス?」


「そう、それが神様のステータス。

この世界では、自分の能力が数字化されている。

だから、神様でも数字化される」


な、なるほど。 まるでゲームの世界みたいだな……。

でもこれは便利だ、地球でもステータスがあれば……。


……いや、悪い予感しかしないな。


「クロエ、この世界の生命体はすべてステータスがあるの?」


「ある。ただし、知的生命体でないと細かく表示されない」


知的生命体ってことは、自我があるかどうかということになるのかな?

う~ん、そうなると周りのモニターにチラチラと映っているあの化け物はどうなんだろう。


「クロエ、この世界に関して説明をお願いできるか?」


「わかった。この世界の名前は『カント』という。

神様のいた地球のおよそ二倍ある。

陸地と海の割合は七対三、そこ地球と同じ」


「月とかは?」


「月は二つあって、毎夜どちらかが見えてる。

空気や気圧は地球と同じだが、地球にはない魔素がふくまれる」


「魔素? 魔法を使うために必要な?

……ということはこの世界には魔法があるのか?」


「そう、この世界には魔法が存在する。

でも、神様は使うことができない」


「え?! 俺、魔法使えないの? 神様なのに?」


「? どこで魔法を使う?」


………確かに、この場所で魔法を使う場面なんてない。

敵もいなければ、傷を負うことも病気も心配いらないしな……。


俺は、ガックリと肩を落として椅子にもたれかけた。

……どうも俺の考えていた神様と、どこか違う気がしてきた。



いや、ちょっと待て!


「クロエ、俺が地上に降りることはできるのか?

ほら、降臨とか……」


「降りることはできるが、仮初の肉体が必要。

降臨とかするのは、カントで信仰のある神たちでないと出来ない」


ん? おかしなワードが聞こえたぞ?


「信仰のある神ってなんだ?」


「この世界の知的生命体たちが、信じている神様のこと。

神様よりも私よりも下の存在。

信仰の度合いによって力が上下する」


「でもそれだと、すべての知的生命体が信仰すれば強くなる可能性だって……」


「それでも、私の足元にも及ばない。

私よりも強い神様ならなおさら」


……そんな信仰の神がいるのか。今度、挨拶でもしておこうかな?

同じ世界を管理する神なんだし……。



「後、仮初の肉体ってなんだ?」


「地上に降りるための身体のこと。

この世界の知的生命体で、一番多い種族の人族に似せたもの」


地上に降りてみたいときがあるかもしれないから、どこかで入手しておかなくては……。


「それじゃあ、この世界の知的生命体について教えてくれ」


「この世界には、人・獣人・エルフ・ドワーフ・竜人・魔人がいる。

それぞれ派生もいるが、基本はこの6種類。

住んでいる場所はそれぞれの宗教で変わるが、一番多く地上に住んでいるのは人」


「国とかはあるのか?」


「ある、主に人族が主導して形成している。

中には、それぞれの種族しかいない国もある」


「国が在るんだから、戦争もあるよね?」

「勿論ある。くだらない理由でよくやっている」


「……止めなくていいの?」

「なぜ止める? 神は基本見守るだけ。

いちいち介入していたら、心がもたなくなる。

……もし止めたいなら、信仰の神に止めるよう命じるのがいい手」


う~ん、どうやら人は頻繁に戦争をやっているみたいだな。

だから、いちいち構っていたら身がもたないというわけか……。


少し前まで人だった俺としては、考えさせられるな~



「クロエ、神は基本見守るだけなら俺はここで何をすればいいんだ?」


「神様がすることは、この世界を見守り急なトラブルを解決していく。

それが神様がすること」


「どうやって解決するんだ?

ステータスも見たけど、特別な力はなかったぞ?」


「なら、もう一度ステータスを見て」


俺は目の前のモニターに、自分のステータスを表示する。


名前  神崎 孝二 

年齢  35歳に固定

職業  神様

GP  2000

スキル 神翻訳言語 神眼 アイテムボックス 不老不死


「うん、俺のステータスだ」


「そこに『GP』の表示がある?」


「ああ、あるな………何の略だこれ?」


「それは『ゴッドポイント』の略。

そのポイントを使って、いろいろとこの世界に干渉する」


ゴッドポイントって、安直なポイントだな……。

そう思いながら、ステータスの『GP』に指が触れるとリストが表示された。


「えっと、これがポイントを使って変換できることなのか?」


「そう、神様はそれでこの世界を導いていく」


しかし、なんだこのリストは……。

いろいろな項目があるけど、最初の項目が『勇者召喚』って!



勇者召喚 単体 (異世界から勇者の資質のある人を召喚する)

初回 0P(2回目から1人 2000P)

勇者召喚 団体 (異世界から勇者の資質のある人達を召喚する)

初回 0P(2回目から5人 1万P)


……基本1人2000ポイントか。

団体は5人で一組っていうことか?


でもこれ、勇者の資質があるっていう所が憎いよな~

この表示だと、勇者にならないこともあるってことだし……。


「クロエ、勇者って俺が召喚するのか?」


「そんなことはない、信仰の神も召喚できるし地上の知的生命体も召喚できる。

ただし、代償があるだけ」


なるほど、俺がポイントを代償にしているように他の者も代償があるのか……。

おや?


聖剣を作る    初回 0P(2回目から 2000P)

聖槍を作る     2000P


これだと、召喚された勇者に与える武器は俺がポイントで作らないといけないのか?


「クロエ、『聖剣』って信仰の神とかは作れないのか?」


「作ることは可能、でも神様の『聖剣』が一番強い」


これは優劣の問題か。

信仰の神より俺の武器ってことは、他にも当てはまるわけだ。

人の剣よりドワーフの剣って具合に……。


「でも、勇者が存在しているってことは当然いるんだよね?」


「『魔王』のこと? 当然存在する。

魔素のある世界では、生まれるのは必然」


「……なるほど、急なトラブルって魔王のことだったんだ」


「それだけじゃないけど、大体のトラブルは魔王がらみが多い」


……俺を神にした神様、いい世界を用意してくれたものだ。

確かにこの世界は、神様の勉強にちょうどいいみたいだ。


「定期的に魔王って生まれているの?」


「周期は大体300年ごとに生まれている。

魔王が生まれると、モニターに表示されるからすぐにわかる」


「魔王がいつ生まれるか、分かるか?」


「えっと……、今日から数えて80年後辺りになる」


正確には分からないけど、それまでに準備はしておけってことか。

本当に後で、信仰の神に挨拶に行っておこう。



天使の卵を生み出す(1つ)    200万P


お、天使を増やすことができるけど……何この消費ポイント。

200万なんて、どうやって貯めれば………そうだ!

そもそも、このゴッドポイントはどうやって貯めることができるんだ?


「クロエ、ゴッドポイントはどうやって増やすんだ?」








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