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第8話 モブキャラ盗賊に襲われる

 ヒールポーション15と魔翠石ますいせきを手に持った私は一路、イーストランドへ向かうのだった。え?魔翠石ますいせきってなんだって、あ・・そうだった。実は、グリーンミニドラゴンを倒したのはいいんだけど、ファイアーアタックによってそのほとんどが焼けてなくなってしまった。そして、かろうじて残ったのは、骨のみだった。骨だけども魔除けになるし、お金になると思って骨を拾っているとその中からほのかな緑色の光を放つ丸い物体を見つけた。それが魔翠石ますいせきという石なんだけど、実は、この石は、魔力を持っているらしい、これは、ウサドンから聞いた情報だった。ドラゴンを倒した時に稀に体内にそういった石を持っている個体がいるというのだ。中には、赤い光の魔榴石まくろせきとか、青い光の魔蒼石まそうせき中には、空を飛べる飛行石ひこうせきなど、いろいろあるらしい。ただ、この石は現段階では、使い道がないので、イーストランドへ持って行って鑑定をしてもらう予定にしている。

今回、私たちが倒したミニグリーンドラゴンは、東の魔の森の主であるグリーンドラゴンの子供で、ある年齢が来たら独り立ちをするために、住んでいるところから旅立たないといけないようになっているらしいと言えば聞こえがいいのだけど、たぶん、次男以降は、外の社会で一人を生きていけということなのだろう。そんな逸れドラゴンが驚いて攻撃をしてきたのだろうと勝手に推測をウサドンがしていたんだけど、私たちにとっては迷惑な話だった。まぁ倒したからいいだけどね。

 こうしてイーストランドに着いた私、ちょっと情報を収集と町の人に話しかけてみた。


「ぴょんぴょん!!」


 あう~やっぱりレベルアップしてもモブキャラのままなのねと思っていると嫌な情報をくれた。


「あ・・勇者タニグね、彼は、北の森で活躍して帰ってきたみたいよ。今度は、西の森に行くみたいね」


 実に嫌な情報だった。あの勇者タニグは、健在で、レベルアップをしながら旅を続けているらしい。噂では、既にレベル20まで上がっているとか、うーむ途中までは、ある程度チートな能力でいけるようになっているのだろうか。それともリセマラをかなりやったのか、それは、さておき、勇者タニグは既にパーティを組んでいいて、剣士、五郎左エ門という星6つのキャラが一緒にいるらしい。たぶん、五郎左衛門がリセマラの結果なのだろう。と勝手に推測をしてしまっている私がそこにいた。

 やがて、いつもの薬局についた私、とりあえずヒールポーションを売ることにした。


「イアー。頑張ったアルネ。15個とは、すごいアルネ」


 そう褒めてくれるのは、この店の看板娘の香港桜ホンコンチェリーだった。髪を両側に丸くまとめ、その可愛い目がクリクリッとした顔立が子供っぽさを引き立たせているんだけど、その顔とは対照的に体はぴっちりとした赤色のカンフースーツがその胸の大きさを強調して大人な雰囲気を醸し出していた。


「45ゴールドアルネ、はい、こちらアルヨ」


そう言って、換金していると店主の大胸好好たおーぱいはぉはぉがやってきた。


「ほぉ~R先生。今回は凄いアルネ。次も頼むアルネ」


丁度良かった。この石についても聞いてみようと石を取り出した。


「ぴょんぴょん!!」


あう・・・やっぱり・・・と思っていたんだけど、私が持っていたその石を見て驚きの色を隠せない大胸好好たおーぱいはぉはぉ


「こ・・・これは、魔翠石ますいせきアルネ。これをどこで手に入れたアルカ」


と言われても、例の答えしかできない。


「ぴょんぴょん!!」


そんな私の言葉がなぜか通じたのか


魔翠石ますいせきは、イーストランドでは取引は無理アルヨ。魔翠石ますいせきの取引は、王国の許可が必要アル。だから、王都キングシティーレベルテへ行かないと取引できないアルヨ」


ということだったんだけど、お店を出るときに店主の顔つきがいつもと違ったような気がしたのは、気のせいだったのだろうかと思いつつ、便利屋コンビニエンスストアへ行くことにした。

 ここ便利屋コンビニエンスストアは、食料品から日用雑貨までいろんなものが売っていて、兎に角、便利なお店だ。年中無休というのも魅力的の一つなんだけど、欠点もある。それは、定価でしか売っていないところなんだ。実は、下町ダウンタウンにある市場マーケットに行くともっと安く品物を買うこともできるんだけど、下町ダウンタウンに行くとやはりその分リスクは増える。そう厄介な人たちがいるということなんだけど、その点では、便利屋コンビニエンスストアは、店主を知っていることもあり、いつも通り1ゴールド2食でカップ食品を買える点では、安全、安心に買い物をできる場所といえる。こうして、私は、25ゴールド50食分のカップ食品、キャロットフレーバーを購入したのだった。

 とりあえず、購入するものは購入できたんだけど、そんな時だった。珍しく香港桜ホンコンチェリーが私に駆け寄ってきた。


「ぴょんぴょん!!」


相変わらずな言葉なんだけど、そんな私に“しっ”と声を出すのを制止した。そして、普段はありえないくらいに近づいてきて、その大きな胸を肩に押し当ててきた。そして、耳元まで口を寄せてきたのだった。肩にタッチする彼女の胸も気になるんだけど、それよりも耳元でつぶやかれた言葉が更に気になった。


「お帰りにはくれぐれも気をつけてくださいアル」


そう言い残した彼女は、私から離れていった。どういう意味なんだろうと思っていても、とりあえず帰るしかなかった。兎に角、イーストランドで鎧の調整とかあれこれ用事を済ませた私は、帰路に就いた。

そして、イーストランドを出てから、しばらくしてのことだった。数人のモブキャラが立っていた。雑魚1、雑魚2、山賊1、山賊2と構成で、私を囲んでいた。画面には山賊が現れたとの表示とともに、マップモードに切り替わった。

その時点で、四方を彼らに囲まれた私、絶体絶命なんだけど、とりあえず、索敵を使った。すると、雑魚1 LV2 ライフ30 HP30 MP0 知力0、そのほかの3人も団栗の背比べだった。そして、運がいいことに私のターンからだった。迷わずに後ろの一人を攻撃、パンチで一発KOをしてしまった。身長でいうと1mくらいの子供の私に一撃でやられたのを見た3人は、少したじろいだようだった。敵のターンで残り3人の攻撃をすべて避けた私は次に右側、続いて左側とKOをした。すると、最後に残った一人が、


「お・・・覚えてやがれ」


と懐かしいおなじみのフレーズを残して逃げて行った。そして、この戦いでもレベルが上がった。


LV6、ライフ360、HP360、MP300、知力82

 

なんかやけにレベルが上がっているような気がするんだけど、ひょっとしてこれもバグのせいなのだろうかと思わず考えてしまった。

こうして無事に家に帰った私を待っていたのは、な・・・なんと諸葛亮孔明だった。


「フォフォフォフォフォフォー・・・また会えたの勇者殿・・・」


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