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第2話 イベント 諸葛亮孔明との出会い

 そんなある日のことだった。最悪なことに勇者タニグが再び現れた。奴のレベルは、


 LV1 ライフ50、HP30 MP 0


 どう見ても私はこの時点で死ぬのは決定的だった。最初のレベルアップの為にさまよっている勇者に殺されるという所詮モブキャラの宿命。兎に角に逃げないと、実はマップの端まで行くと逃げることが可能なんだけど、今回は、10×10マップ上の右から5つ目、上から5つ目って、ど真ん中じゃない。勇者は、右端の列の一番下にいる。

 このゲームはターン制で、先方はもちろん勇者側ということで、マップを2つ動いてきた。こうして詰められた間合い、私は1つしか後退出来ない。ゲームの意地悪。勇者との距離は2つしかない。このままでは3ターンで追いつかれる。ただ逃げるしかないんだけど、結局、3ターン目に私は追いつかれた。

 そして、勇者の攻撃、勇者がこん棒を振りかざした。死を覚悟した私なんだけど、兎に角、回避を選択。


バキ!!


 うぎゃっ!!痛い?あれ?こん棒は私の頬をかすめただけだった。


 次は私のターンって攻撃は素手しかない?どういうこと?とよく見るとファイアーアタックはマップ攻撃でつかえない。そこには、80%の文字が、ということは次のターンまで生きることが出来たら勇者を倒せるかも、ここで下手に攻撃をして、カウンターを食らう可能性もある。と・・兎に角、逃げの一手、とりあえず、勇者から離れた。

当然の如く、勇者は接近をしてきて、私の攻撃をした。再びこん棒で、


勇者の攻撃、バキ!!


 会心の一撃との表示が出てきた。い・・痛い!!今度はよけることが出来なかった。しかも、左腕を負傷したみたいだったんだけど、まだ生きてる。しかし、ライフは10しかない。今度こそ打てると思って攻撃を選択、しかし、ファイアーアタックはゲージが100%にも関わらず、選択不能って?どういうこと?逃げるしかないと思っていると選択肢の中に道具が、そして、その中を開くとヒールポーションが5個、これしかない。今の勇者だと会心の一撃でもライフを15下げるだけだ、ここは、ヒールポーションで回復すれば、会心の一撃を受けても次のターンまでに生き延びることが可能だ。こうして、私はヒールポーションを使ってライフを25まで戻した。そして、敵の攻撃を待った。


勇者の攻撃、バキバキ!!


うっ・・・目の前が一瞬で真っ暗になった。超会心の一撃という表示がでている。うそ?そんなの聞いたことがない。イタタ・・・暗くなったのは一瞬の出来事だったみたい。私はまだ生きている。ライフが5まで下がっているけど、何とか生きている。そして、今度は私のターン、そして、攻撃を選択するとエネルギー充填120%でピカピカと光っているファイアーアタックの文字があった。これで倒せる。私は迷わず、ファイアーアタックを選択した。

 すると画面が切り替わり私は反転180度という旋回作業を行い、その向きを勇者の方に向け。そうするとどこからともなく天の声がしてきた。


「反転180度完了!!敵勇者は軸線上に入りました。」


 確認すると、マップ攻撃の範囲が赤くなっていて、その範囲に勇者は入っていた。再びどこからともなく天の声が、


「エネルギー充填120%」


「全システム異常なし!!」


「各部対閃光、対ショックの準備!!」


画面上のレベルゲージがグぐぐっと上がっていき、120%の文字がワクワクと点滅していた。すると再び天の声がしてきた。


「各部異常なし、全システムクリアー!!」


「ゼウスシステムからも、問題なしと回答がありました。」


「対閃光、対ショック準備完了!!」


「軸線上には障害物ありません。」


「よし、打てーーー!!!」


と天の声が終わり、画面上で私の口からファイヤーアタックが放たれた。


ピカー!!!


 次の瞬間、稲光とともに目の前は閃光に包まれた。ま・・まぶしいと思ったら、あれ?ま・・・真っ暗?気が付くと辺りは真っ暗になっている。ひょっとして、死んだのと思っているとどこからともなく低い声がしてきた。しかも、しっかりとエコーまで効いている。


「フォフォフォフォフォフォー」


 すると私の目の前が急に開けたかと思ったら、再び草原に戻っていた。辺りを見回したんだけど、さっきまでいたはずの勇者タニグはどこにもいなかったんだけど、目の前には変なおじさんが立っている。


「フォフォフォフォフォフォー」


 頭には黒地に白い縦縞の四角い帽子をかぶり、白い上着に、黒いズボンかな?かなり昔の服装をしていて、右手には羽扇を持っている。顔は色白で口には髭を蓄えていた。その人物はおもむろに口を開いた。

 

「私の名は諸葛亮、三国志イベント限定、孫子の兵法書をプレゼント」


なぜかそこには、諸葛亮孔明が立っていた。



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