第1話 ワンダークエストの世界
ここは、ワンダークエストという名前の多人数参加型シュミレーションRPGの世界、主人公の勇者は、この世界を旅して、最終的には、魔王ダークネスサターンを倒し、連れ去られたお姫様、リアス姫を助けるのが目的のゲームなんだけど、それだとクリアしたら終わってしまう。だから、やたらとダークネスサタンまでたどり着けない。というか、それ以外の所でキャラクターイベントを作っている。さらに対戦イベントまでもあるのだ。
特に話がややこしいのは、シュミレーションがあるということ。それは、昔からあるその手のゲームと同様に街作りや物作りといったシュミレーションまでもが存在し、戦闘シーンに至っても、マップ上で移動し相手と対峙するまでの移動をして戦闘するというものであった。
というわけで、こんな世界に住むことになった私は火属性系モンスター、名前をモンスターRいう。子供ということもあって、LV1、ライフ25、HP25、MP100といったところだ。
このゲームがややこしいことはまだある。こんな私ですら生きていく為に、勇者と同様に食料調達が必要となっていることだ。そのための方法は2つある一つは、その辺で獲物を取って調達する方法、そして、もう一つは、Gを使って町で食料を調達する方法があるんだけど、私は普段は後者をやっている。実は私、ヒールポーションを作る能力があるのだ。と言っても、ヒール草を取って来て、それを火にかけて煮詰めてヒールポーションにすることだけなんだけど、そのヒールポーションを町の薬局に売ってGを得ているのだ。こうして今日もヒール草調達の為、私は草原を彷徨のだった。