学園 ~渚 絶叫~
その後、俺たちは、エストの家に帰り、メイドが用意した夕食を食べ、次の日に備えて教科書を一通り読み明日の用意をしてから、から、早めにベッドに入ってねたのだった。
次の日学校に登校すると、俺と渚はアイラ先生に呼び出され職員室に行った、何だろうと思ったがその疑念は直ぐにはれた。
「おぉ皇、渚きたか、いきなりで悪いんだが適性検査はどうだった?結果がでたならその紙を提出してくれ」
そういわれたので、カバンから、診断書を取り出しアイラ先生、に渡した、
しかし、先生は何も言わず、驚いたようにな顔をして固まってしまった、
その光景がすこしむず痒かったので、俺は、思い切って話しかけてみることにした。
「あっあの~先生」
その呼びかけに先生はキョトンとした顔をこちらに向け言った
「皇、これ何かの間違いか?」
俺逹は最初その意味がよくわからなかったが、次に続く言葉でようやく理解した。
「この魔力量でオールラウンダーとかどんだけ適性あるんだよ! それに渚、おまえはおまえでこの筋力、持久力の数値ここまで至った人久しぶりに見たぞ」
「……」
俺逹はその先生の驚きっぷりに逆に驚いてしまった、
そんな俺逹を見て何か思い出したようにはっと目を見開いて、ガバッと肩をつかまれたそして……
「そうだ!あの検査の野郎に何かされなかったか」
と、肩をがっしり掴んで聞いてきた、そしてそれに対して首を縦に振ると、アイラ先生は安堵したように肩から手を離し、咳払いし気持ちを整え
「まっまぁいい、今日テストがあるから……」
「えっまっまじですか」
「なんだ?エストからそこらへんこと何か聞かなかったのか?」
「は、はい……」
「そうか、まっ、一応受けてみろ、赤点取っても今回は見逃してやる」
「はっはい!」
そう返事をして職員室を後にした。
「……」
「マジ?」
初めに声を出したのは、渚のほうだった、
「どうした?」
「どうした?じゃないよ、私たち何も勉強していないのよ、なんであんたはそんな落ち着いているわけ!?」
「だって昨日少し教科書少し読んだしなんとなく大丈夫かなーって」
「そ、そうだったはこいつ一応天才枠に入るから大丈夫なんだ」
そう言いながらジト目で見られてしまった
「で、でも渚だってそこそこ頭いいじゃん」
「でもあんたと違ってそんなに物覚えわよくないんです、一応常人ですから」
「ま、まあまだテストまで時間はあるし少し教えてあげるよ」
「ありがとーよー助かるわ、やっぱ持つべきは『友』だよ~」
「お、おう」
そんな会話をしながら教室までの廊下を小走りで移動し、教室に移動するや否や教科書を広げミニテスト対策をした。
一時限目「王国史」
このテストは、王国の成り立ちから発展も含めた歴史みたいな教科で暗記すれば何ともない。
二時限目、「数計算」
これは、ただの数学、やった範囲は、高校一年生の範囲に似たところで、そこまで難しくはなかった、
今日のテストは終わり、結果は後日改めて返されるそうだ。
その後、テストが終わり帰路につこうと鞄の準備をしていると、鞄の支度が一足先に終わった渚とエストが教室のドアの前で待っているのに気付き早めに準備し、渚たちのもとに駆け寄った、
そして、隣に並ぶと、エストは何故か謝り、渚はずっと「王国史がやばい」と目をうつろにしながら言っていた、
まぁ渚は置いといて、まずエストになぜ謝ったのかを聞いた、するとこう答えた。
「あの・・・テストのこと伝え忘れてたから、とにかくごめん」
「ああ、そのこと、俺はいいから渚に謝ってくれ、こいつ記憶力悪いから帝国史だめだて言ってたから」
それを聞いて、エストは、少し安堵した表情を見せ
「渚さんには先ほど謝りました、そしたら……」
エストは、ばつが悪そうに顔伏せてから、一呼吸おいて、
「渚さんがこういったの」
「大丈夫気にしてないから、ふふふふ、点数が取れなくても頭が悪い私そう私がわるいんだから」
そう言ってなんか笑っているの、渚さんが壊れてしまったの、どうすればいいかしら
そう、すこし心配そうな顔で聞いてきたため、俺は言った
「気にしなくても大丈夫だろ、渚のことだから明日になればケロッとしてるよ」
「そ、そうですか、まあ、幼馴染が言ってるのですから大丈夫ですか」
そう言って顔をあげた、その顔には、さっきほどの暗さはなかった、
しかし、まだ渚を心配しているようだった。
そこで俺は、こう提案した
「なあ、この学校の近くに喫茶店みたいなところあるか?あるなら少し寄り道していこうぜ」
「ありますけど、なぜです?」
「いや~テストして疲れてさ、気分転換でもしようてことなんだがどうだ」
「あ、いいですね、そういうことだったら行きましょう」
そう言って意気投合したので、渚、エスト、俺を含めた三人で、ゆっくりお茶を飲みながら談笑した、それのおかげか、渚のテンションは通常通りに戻っていた、
その後、昼食、夕食を食べ、少しテストで出た部分の教科書のページを軽くよんで、寝たのだった。
次の日、朝が来る、朝から学校に行く、なんか不思議な気分だが嫌な感じはしない、そう思い背中を伸ばし、制服に着替え食堂で朝食を済ませ3人で登校した、
今日はテストが返される日、渚はまだ気づいていないようだが、エストは少し緊張した面持ちだった。
教室につき、ホームルームのアイラ先生の話
「あーそうだ今日返されるテストだが、返された後しっかり治しておけよ、今回のテストの部分は重要だからな」
『はーい』
クラス全員であいさつをし、ホームルームが終わった、そのあとの、渚の顔はまるで世界が終わったかのようにひどい顔をしていた。
一時限目「王国史テスト返し」
「じゃあテストを返すぞ~、えー今回の成績優秀者は・・・エストと皇の2名が1位だ」
その瞬間教室がどよめいた、
「しっかしまさか学年主席と同点とはすごいな」
そういいながらテストが返された、その後もテスト返しは続き、渚もギリギリ赤点は免れたとのことだった。
その後、俺の周りにはほぼクラス全員が集結していたその中には、エストや渚も含まれていたしかし渚は理由を知っていたため、周りに促されてといった感じだろうかそんなことを考えていると、みんながすごい形相で問いかけてきた。
「何でそんなに頭いいの、できれば勉強教えてくれない、お前実はすげー奴だったんだな、どんな勉強してるの」
など、いろいろな言葉が飛び交う中、その人込みをかき分けて、エストが俺の前に立つと、そのまま、ハグ、された?。
「・・・・」
「ん、ハグ?て、えええええええ」
謎だった。なんで俺ハグされてるの、そんな考えが俺の頭の中をぐるぐる回っていた。
しかしみんなの反応は少し違った、
「良かったね、エストやっと対等な人が見つかって」
「(ん、どういうこと?)」そう思っているとあるクラスの女子が説明してくれた。
「ああ、まだ君はここに編入してきたばかりだからわからないと思うけど、エストてば、一年のころからずっと学力みも魔法も首席で張り合いのある相手がいなくてね、ちょっとつまんないな~なんて贅沢な悩みのある人だったのよ」
「だよね、男子諸君」
彼女の言葉にみんな苦々しいような顔をしてうんうんといった感じでうなずいていた、
「けど、次の数計算はどうかな・・ひねくれた問題もあったしかなり難しかったと思うよ、まあ君には期待してるから、エストを悲しませないように頑張りなさいよ」
などと言って、俺の周りの人たちはサーと自分の席に戻った。
なぜか期待されてる・・・そんなことを思いながら次の授業の準備をした。
二時限目「数計算」
結果 『主席・皇 颯斗』点 百点
単独一位だった
その評価に、さっきの彼女も満足だったのか、親指でGOODのサインをしてきた。
一方エストは九十八点一問落としてしまったそうだ、しかし彼女の表情は明るく、授業が終わるなり駆け寄ってきて、よほどうれしかったのか。
「さすが私の従者です」
そんなことまで言いながらに手を繋いでブンブン上下に振ってきた……
そんな彼女の手は小さく、柔らかかった……
その日の放課後、渚と俺はアイラ先生に呼ばれて行ってみるとなぜか先生は、すがすがしさ漂う顔で聞いてきた
「これ、どうした、先生怒らないから、正直に言ってみなさい」
そんなことをいう先生の片手には皇 颯斗と書かれたテストのコピーらしきものが握られていた、
しかし、
正直と言われても、何もしていませんとしか言いようがないし、まず何について聞かれているのかわからなかったのでまずここは……
「なんの事ですか」
それを聞いた先生はため息をついて繰り返した
「点数のことだ皇 颯斗、何をした、先生怒らないから、正直に言いなさい」
「朝、少し渚と一緒に勉強しました」
俺は正直にそう言ったが、先生は、また深いため息をついてこう言った。
「なんだ、少しの勉強で主席と並べるだけの点数が取れるとでも言いたいのか」
そんな質問に俺はジト目をしながらこう答えた。
「そうですが何か?」
それを言い終えた後、先生が何か言おうとしたところで、渚が割ってはいてきて
「先生、何を疑っているんですか、はっきり言ってください」
「私はな、あくまで一教師として、あくまでだぞ カンニングを疑っている」
その答えに渚は……
「じゃあもう一回やりますか、やるというならやりますが」
「そこまで言うならやろう、しかしあまり時間はない、ちゃっちゃと済ませてしまおう」
「……」
何故か本人の前で本人の事柄で、本人の了承も得ずに、もう一回テストを受けさせられたのだった、もう乾いた笑いすら生まれることはなかった。
――数時間後――
テストの答え合わせも終わり、さっきよりも完璧な答案を見て、アイラ先生は目を回していた、そんな先生をしり目に、俺は疲れたので帰らせてもらおうと席を立った瞬間呼び止められた、
カンニングと勘違いされたり、疲れていた俺は少しいらだって、それが言葉ににじみ出てしまった
「どうですか、先・生」
「すみませんでした~~」
先生は、スライディングするかごとく、すごい勢いで謝ってきた
「すみません、すみません、本当にすみません、生徒を疑うなんて教師失格ですよね、でも、でも、編入そうそう自分の作ったテストでこんな点を取られてしまうとですね・・・あああ何言ってるんだ私・・・えっと」
「(ああ、あの王国史テスト先生がつくったんですね~なんか、覚えるだけで教科書からまんまじゃんとか思ってすいません)」そう心の中で謝った。
しかし、そんなことを考えている中、謝る先生の姿には、さっきまでの怒気や頼れるお姉さん的なオーラはなく、ただただあきれるばかりだった。
「もういいですよ先生、頭をあげてください先生にこれ以上頭を下げさせるのもアレなんで」
それを聞いた先生は、
「おお、ありがとう颯斗く~ん、恩にきるよ~」
少し涙目になりながら教師が生徒の名前をくん付けで読んでいた。
「わかりましたから、じゃあ俺は帰りますね」
「ああ、気を付けてね、颯斗君❤」
「(何だろうこの第一印象との違い)」
その出来事で、先生の第一印象は、跡形もなく崩れ落ちた。