ーーまさかのジョブチェンジ ニートをやめた俺の話ーー
プロローグ『日常とは?』
1
拝啓 母へ
俺は今異世界にいます。
風が吹いてのんびりとしていて楽しいところです
そしていま私はしがない勇者をやっています
なんでしょう、ここに大事なものができてしまったばかりに元の世界に帰りたいという気持ちはどこへやらといった感じです。
心配しないでください俺は元気です
敬具 皇 颯斗より
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午前5時早朝のある日俺はお気に入りのゲーム『hunter of soul』をしながら日が上がるのを待っていたのだった・・・・
「カチャカチャカチャおぉいいぞイケ勝てる! ここで奥義 火炎龍」
「……勝った~ヨシャ――」
そんな雄たけびをあげて俺の一日が始まろうとしていた。
午前6時 やっべ朝だテストだ俺唯一の登校日だ、なんて言っている俺は自称ニート・無気力・無関心・無感動の三拍子が揃ったダメ人間、名前は皇 颯斗 聖稟学園に通う高校2年生である 唯一誇れるとしたら、勉強しなくてもテストで点が取れるこのゲーム脳だろうか。
そんな間に着替えを済ませ、急いで階段を駆け降りる、
「お母さんパンある?」
「台所のかごのところにあるから適当に取って」
「あんがと」
そして、そのパンを口に突っ込み玄関のドアをすごい勢いで開けた、その瞬間視界が磨り硝子を覗き込んいるかのようにぼやけた
『ゲームのやりすぎ?いや、多分寝不足……かな』
そんなことを言いながら目を軽くこすりながら学校までの走って登校した。
その後はだるいホームルームがあり、一時間目に数学、二時間目に物理をやりその日の授業は終わった、その後 俺は疲れたのか机に突っ伏すと同時にまるで睡眠薬を飲まされたかのようにぐっすりと寝てしまった。
数時間後、空が深みある綺麗な赤に染まる頃、悪い夢でも見たかのように目がかっと開いた、妙な感覚・鼓動だ、そうを不審に思いながらも、みんなが帰って静まり返った
教室の中で鞄の中身を整理した……。
「よし、帰るか」
そう言って教室を扉を開けた瞬間視界がゆがみ床がまるで抜けたように暗く消え、心臓は鼓動を速めたそして俺はそんな感覚とともに気絶し、まるで吸い込まれるかのように床に倒れこんだ、そして……
「……ん」
視界が広がっていくように意識を取り戻す、そして、まぶたを開ければそこには、青く晴れた青空だった
「……何だろうこの違和感?」そう思うそして……
『この瞬間、彼の異世界生活がスタートするのだった』
そして彼は何かを探すように回りを見渡す、周りは家一つない草原、そして遠くにうっすらと見える塀と城それだけだった。
その光景にさすがに違和感に気付く、そして声高らかに大空へ叫んだ
「どこだここ~」
その瞬間、涼しい風が頬をなで、周りの草が揺れたその中を声は、煙のように、叫んでは大空の彼方に溶けていった。
その後に彼は冒険の旅に……出るわけもなく、無難に城までの道を歩くことにした。
その中で、彼はいくつものことに気付き驚くことになった。
そんなこんなで町らしき場所に入ることができた。
「ちっ何だよこの世界、移動手段が徒歩と馬車しかないとかどこのRPGだよ、まあ、言葉が通じるだけでも良しとするか はぁ~」
そんなため息交じりの息をしながら、大通りを重い足取りで歩いていると一人の少女が目についた、何で目についたかは自分でもよくわからなかったが理由は多分一目ぼれしてもおかしくないほどかわいかったからだろう
そんなことを思った矢先、彼女が悪そうな痩せている男の人に絡まれているのが目に入った。
「お姉さん、可愛いねこれから一緒に遊ばない?」
「いいえ、結構です、そんな時間もありませんし」
「え~そんな固いこと言わないでさ――」
そんな会話が聞こえる中、俺は迷った「助けるか?」 迷ったあげく助けようと決心し人ごみをかき分け、男とその女の子に立ちはだかったそして
「やめろよ、嫌がってるだろ」
その一言だった、悪そうな男達はあからさまに嫌な顔をしながら言った
「てめぇ誰だ?」そんな質問に俺はこう答えた、
「通りすがりのものだけど、何か?」そう言ってにらみつけるといかった顔をしながらポケットをまさぐったかと思うと、いきなりナイフを取り出し突き出してきた、しかもその矛先あろうことか彼女に向かっており、とっさに彼女の前に飛び出した、
その瞬間俺の脇腹に直撃、その痛みで片膝をついた、傷口を見ると赤黒い血が服を染めていた、
それを見た男たちは、顔をこわばらせてそそくさと逃げていった、
改めて、彼女のほうを向いて「大丈夫」そう言おうとした瞬間、
なぜかそこで記憶が途絶えた。
第一章『日常生活との別離』
そして暗い闇の中、意識が戻り感覚が現実に引き戻される、そして目を開けた、その目に映ったのは青い空・流れる雲でもなくただの真っ白い天井に電灯が釣り下がっている光景だった、
そして、すぐさま昨日刺された横腹をみた、しかし、そこには傷跡はなくガーゼデ止められていた、それを見て安心しながらも俺は感覚的に悟った。
「あぁここは病院か」
そう理解し起き上がる……しかしそこに広がる風景にある俺は驚愕してしまう。
「……ん――ここどこ?え!どうなってんの」
なぜならそこには病院の一室にはないよなと思うような物ばかりだった、例えば西洋風の木彫りのタンス・黒のカシミヤのような布に金色の糸で刺しゅうされた上掛け・床には深紅のじゅうた……
などなどそこはまるでどこかの王宮のようだであり『異世界』のようにも思えた。
「あら、起きたのですね」
静かに扉が開いたと思い目を向ければそこには一人の少女が立っていた、
「銀色の髪、さっきの女の子だ
」
そこには、さっき大通りで助けた女の子が立っていた
「銀色の髪?あぁこの髪のことね、あなたには銀に見えるにね、私は淡い水色だと思っていたけど」
と彼女は言った
「(まぁいい、それより、さっきから疑問に思っていたことをそのまま聞いてみる)」
「ここはどこ、そしてきみは大通りで助けた?子で間違っないんだよね?」
それを聞いて彼女は恥ずかしそうな表情もみせ、それを隠すように咳払いしてから言った
「ええそうよ、そして私は、アイズ・エスト・ウォーリック、あとここはロストディア王国郊外にある私の家、それで・・・あなたは?」
「俺は皇 颯斗」
「珍しい名前ですね」
「……」
「……」
数秒の沈黙が流れる間に俺は考えた・・・
(ロストディア王国……え、どこ)
そんなことを考えている中、彼女が視線を俺から外したかと思うとまたその視線を俺へと向け聞いてきた
「それで、どこ出身なの?」
「え……あー日本」
「二ホン、ですか?」
「うん日本」
「ふーん、そうなのですね(二ホン?聞いたことない地名ね)」
彼女はなんか考えるようなそぶりをしながらぶつぶついったあと、こっちに向き直り言
った。
「もうすぐ昼ですね、食堂まで案内してあげますのでついてきて下さい」
「わかった?」
そう言ったもののいきなりの昼食の誘いに戸惑いながらも彼女の後を追うように部屋を出た。
昼 ××時(時刻不明)
「ここよ」、そう言って案内された場所は16畳くらいある大広間だった、床は大理石っぽい白い石でできていた
そして、中央には大きな木づくりの机と椅子、俺はそのうちエストがすわった椅子の近くの椅子に座わったとたん、そこに若いメイドが颯爽と昼食を運んできてにっこり笑った。
(か、かわいい)そんなことを思っていると唐突に彼女が……
「それで、さつきの話の続きですけれど、あなたはここになにしにきたのですか?」
と、彼女ことエストはバケットに入ったパンをとりながら言った
「あの、いやその……な」
「それだけでは何も伝わってこないのですが…まぁいいでしょう質問を変えますね」
「ここに来るまえは何をしていらしたのですか?」
「ここに来る前は……そうだ!学校の教室でテストを受けてたな~確か」
「学校、ということは学生、どこの学校ですか?」
「確か、聖稟学園」
「セイリン学園?」
「そうだけど?」
「(ダメですね、そんな所知りませんし。これでは全く事情が掴めませんね)」
そう思う彼女は少し困ってしまった
「……」
「……」
その後は特に会話も続くことなく時間が過ぎていった。
そして、その日の夜、いろいろあって疲れたのか部屋のベッドにどさっと横たわり目を閉じるやいなやそのままの勢いで寝てしまったのだった。
――「すーすーんっんんっ~」
そんな声と一緒に目が覚めた、いつもと同じ朝だが起きた場所・環境は全然違った、いつもはこんなフカフカのベッドで眠らないしこんな時間に起きるのも稀だ
そのせいか、頭はまるで霧が晴れたようにすっきりとしていた、なので、昨日は考える時間がなかった、考えられなかった、いま俺の置かれている状況を整理し、理解した……
――「俺はこの世界に…飛ばされた?」――
『あり得ない』そんなことだとわかっていても、今自分が置かれている状況をそれ以外に理解できなかった。
そんなこんな思考を巡らしていると、ドアを叩く音とともに、俺の名前が聞こえた。
「コンコン、皇さん、朝ですよ、」
「わかった~」
そう言いながら乱れたワイシャツやズボンのシワを軽く整えると部屋を出た、
するとそこには昨日昼食を運んできたメイドが立っていた。
「(名前はたしかクルト・ファオランだったか)」名前は昨日エストに聞いたので、一応覚えていた。
「皇さん、朝食は、食べますか?」
「はい」
「わかりました、すぐ用意させますので食堂にて少々お待ち下さい、では」
そう言ったあと、メイドは深くお辞儀して、去っていった。
それを見送ったあと、食堂までの廊下を歩きながら、今日の朝について考えた、
「(こんなにぐっすり寝たのもいついらいだっただろうか)」と……
食堂に着くと、エストはすでに朝食をとっていたので俺も彼女の近くの席に座ったところで彼女が話かけてきた。
「そう言えば皇さんあなたはこれからどうするの?」
「あっ……完全に忘れてたけど、まぁ適当な就職先を探すところから始まるかな?その後は…」
そ言葉を続きけようとしたところで彼女提案してきた。
「ならこの私の家に就職しないここなら食事も無料、あなたが通っていた学園とは違うけど学園に付き人として通わることができますので」
「えっ、本当?……いいの?」
突然の申し出に驚き思わず声が裏返りそうになった、
「ええ、こちらにも一応助けてもらった恩がありますし見てもらったらわかるようにこの家には使用人が少ないですから」
「はぁ」
なんか助けた気はなかったが、助けた事になったらしい
「で、どうします判断はあなたに委ねます、けして無理強いはしませんが」
「じゃあ…… お言葉に甘えてここにします」
「そうですか、では、これからよろしくお願いしますね、皇さん」
彼女はそう言うとまるで天使のような笑顔を向けてきた、おれは、思わずその笑顔に見とれてしまった…。
そんなこんなで、身の振り方が決まった俺は、彼女の好意で町を散策することになった。
―― 元の世界 ――
今から約1日前、彼は音もなくその世界から忽然と消えた
行方不明から彼の捜索が始まった、しかし彼は見つからず、家族は不安で眠れない日もあるそうだ、
そのころ学校では…
その教室はいつも以上に騒がしかった、それはまるで面白いネタを見つけたマスコミ集まりのようて、その中の何人もの人が同じ話題を話していた……
「あ、そうだ今朝の話聞いた、あの席のえっとたしか皇だっけ行方不明なんでしょ!まじ意味わかんないよね~」
「だよね!だよね!、いつも引き籠っていただけのくせに行方不明とか何があったしって感じ」
その会話の中には不安の感情は微塵も感じられず、ただの笑い話のように話していた
そんな中、その人たちを、一喝するかのように、ある一人の少女が声をあげた……
「あんたたちね!人の命が賭かってるのよ!もう少し心配する気持ちくらいあってもいいんじゃない!」
そう言った彼女の声は大きく、教室中が一瞬静寂につつまれた、その後、彼女逹は
「わっわるかったよ!だからそうかっかするなよ」
と言って話題を変えてくれた、その行為にため息をつきながら彼女は席について突っ伏した…
「(あいつどこ行ったのよ)」
そう心の中で深い深いため息をついた。
午後4時……授業も終わり教室を出た、彼女はテニス部に所属しており、その腕前は、県大会優勝、全国大会3位入賞するほどの腕前で、強化選手だった
そんな彼女は教室をでた後、部室にむかった、そして着替えを済ませたあと、近くのテニスコートに向かおうと部室ドアをあけようとした、
だか、後ろからただならぬ気配を感じて振り向く、だがそこにはいつもの部室の風景しかなかった、
それに安心した彼女はドアノブに手かけ、あけた、
その瞬間妙な動機を感じて、背中に冷たい汗が流れた、その謎の感覚に驚いたのか彼女はドアをあけたまま硬直してしまった、
そんな状態で頭が回る訳もなく視界はブラックアウトし、意識は闇に落ちていった。
「ん……」
そう言って目を開ける……町中だった、それも見たことない、そんな違和感を感じながらも手足を動かそうとするしかしなぜか動きにくい、そうやって身じろぎしているとある人の顔が目に飛び込んできた。
「(あれ!?あいつ)」
そんなことを思っていると、鎖が取れたように体は軽くなり、そのまま走り出していた……
しかし途中で足を止めたなぜなら……
「(誰よあいつ颯斗と仲良くしゃべって……て、胸でか)」
その言葉を発したあとついつい自分の胸と彼女の胸を見比べてしまった。
ノックアウトだった、自分よりでかいしかも自分しか知らないと思っていたあいつと話している、しかし、今そいつの横に女が並んで歩き店を回っている『笑顔』で……
思考が停止してしまった
「(いやいや、なんかの間違いだしばらく様子を見よう)」
そう心に決め、彼の後をこっそり追った、そこで彼女は、彼のいろんな一面を見てしまう、普段はあまり見せない笑顔、澄んだ目に光が当たり宝石のように輝いていた、それを見ていて、少し嫉妬していまったが、ふと思考が、戻る……
「(あれここどこだっけ)」
そんなことを考えた矢先彼女は彼を見失ってしまった
「(ヤッバッ)」
そんなことを考えながら走り出し、街並みを見ながら颯斗を捜していると肩が誰かとぶつかった、
(思考停止)肩が当たったった相手は間違いなくその探していた彼だった。
「……」
「……」
あまりにも突然すぎる出会いに両方とも言葉を失ってしまう、しかし、それを見ていたエストが気まずそうに聞いてきた
「知り合い?」
「(思考回復)」「あ、うん、そうだけど……」
タジタジながらも言葉を紡ぐ
「ん、・・・え、えええええええええええ」
「塚田 渚!なっおま、何でここにいるんだよ」
「それはこっちのセリフよ、今この瞬間まで何してたのよ、ちょー心配したんだからね!」
そう言った彼女の目には涙が浮かんでいた、しかし、彼女はそれを振り払うように首を振り抱き着いてきた
「心配・・したんだからね」
そう小声でつぶやきながらも、彼女は抱き着いたまま数秒離さなかった、その間、彼女の胸は俺へと押し付けられていた、それを意識してしまうとは俺も男だなと、あきれながらもその感覚に鼻の下はだらしなく伸び、少しにやけてしまった。
「なに鼻の下伸してるのよ!」
そんな言葉と一緒に平手打ちが飛んできた
瞬殺だった……
「あべし」
「いったぁぁ~」
「あっ、ごめんやりすぎた」
「いいよ、こっちこそごめん、俺そんな心配されてるとは知らなくて反省してる」
「はぁ~まあいいやそれより何でにやけてたの、そ・し・て、この女だれ?」
彼女は少し怒ったように頬を膨らませそう聞いてきたそれに対し俺は――
「そ、それは……」
少し焦りながらも思考を巡らせ言い訳を考える
「その再会がうれしくってさ」
「本当、うそじゃない?」
「うそじゃないよ!」
「まあいいや、そ・れ・よ・り、この女だれ?」
「あぁ、この人、エストちょっと来て」
「ん、あぁ、はい」
「どうした」
「あっ、いいえ、少し驚いただけです」
「いいや、そうだエスト自己紹介してくれないか?」
「はい、わかりました」
そういうとエストは彼女に向き直り自己紹介をした。
「どうも、私はアイズ・エスト・ウォーリックといいます、気軽にエストでかまいません、そして今は彼、皇さんを従者にしています」
それを聞いていた彼女は返すように自己紹介した。
「あぁどうも、私は塚原 渚です、気軽に渚でいいわ、彼とは・・幼馴染です」
「渚さんですね、ということは皇さんと一緒の学校…でいいんですよね」
「はい…それが何か?」
「いいえ、ということは、この土地に身寄りが無いのではとおもいまして!」
「あっ……」
盲点だったそんなことを今の今まで考えていなかった彼女はおもわずその推理にビックリしてしまった、そしてエストは言った
「もし、身寄りが無いのであればあなたも私の元で働く気はありませんか?」
あまりにも突然の申し出に彼女は少し動揺しながらも、言葉を発した。
「えっ…あぁ…じゃあお願いしてもいいですか?」
少し不安ではあったが、颯斗が一緒にいるなら大丈夫かなと思いその質問に頷いた、その後エストは続けた……
「はい………それではこれからよろしくお願いしますね、え~と渚さん」
「えっ……あっはい!」
そんなこんなで、新しく加わった渚も含め二人の新天地での新たな生活が始まろうとしていた。
しかし、その背後には、着実に黒い陰が迫っていることには気付く人はいなかった。
――その運命的な出会いから数日後――
学園側と連絡を取っていたと思われるエストから、呼び止められ今からロビーに集合するように渚に伝えるように言われた、なんだろう?そう思いながらも言われるとおりにロビーに集合した。
「で、どうしたんだ?何で集めた?」
俺はその疑問をぶつけてみた。
「よくぞ聞いてくれましたね!」
エストはそう言うと、大きくてきれいな木箱を持ってきてその中から白い服のようなものを上下二着と鞄と数冊の教科書を取り出した、そして……
「実は、これまで連絡を取っていた学園側から、『あなた方の入学を許可します』という手紙と一緒にこの制服なとの生活必需品が届きましてね、なので、一応今のうちにあなた方に渡しておこうとおもいまして」
そう言ってエストは満面の笑みを浮かべながらそれぞれにそれぞれの制服を渡した、その後こう付け足した
「一応、編入という形で話は通してあります、あと編入は明日からです心の準備をしておいて下さい」
そういうとエストは木箱を持ってき自室の方向に消えていった。
その後、自室に戻り制服を西洋風のタンスにしまういふと空を見ると、
そこには、飛ばされたあの日を思わせるほどの真っ赤に燃える夕焼けがあった、
それを見た後、食堂に向かい夕食を食べると、また自室に戻り明日の
朝が来るのを寝て待った。
朝6時前後、目が覚めた、まだ働かない脳で昨日のことを思い返し、今日が学園への初登校する日であることを思い出し急いで着替えを済ませ食堂へ向かった、
そこにはもうすでに制服に着替えたエスト、渚が集まりつつあった、彼女らが向かう机にはもう食事が用意されており、その中にはもちろん俺の分もあった。
そして、朝食を食べ始めてから数分後エストが言った
「今日は初登校日ですし、職員室に寄ったりといろいろ忙しいでしょう、なので今のうちにこれから通う学校の説明をしておきましょう」
そう言って、これから通う学園『聖・ヴィストゥリア学園』の説明をしてくれた。
これから通う学園は通称、剣と魔法の学園とも呼ばれ王都でも指折りの学校で、もうすぐ創立2500年の由緒ある学園です、この後、あなたたちには、そうですね、いつになるかはわかりませんが、騎士を目指す『騎士科』と魔道書を使い、魔法を勉強する『魔法科』を分ける適正検査を受けてもらいます、ついでに言うと私は魔法科です、
あとは……そうですね普通の授業もあるので、そのことも一応覚えておいてください。
「まあ、説明はこれくらいにして、学園にそろそろ行きましょうか。」
そう言った後、立ち上がり、食堂を後にした。
午前7時前後、聖・ヴィステゥリア学園到着
「クソでっけー」
はじめに出てきた言葉がこれだった、なぜなら、その風貌はまるでどっかのお城、しかしその形には見覚えがあった。
「あれ?これって町の外から見た城じゃね?」
それを初めて見たのはここに飛ばされてきた初日で、そのときはこの国の王城かなにかだとしか思っていなかったやつだった。
「(まさかここに通うになるとはな~)」
そう心の中で思う、不意に横を向くと渚は上を見上げたままあんぐり口を開けて固まっていたが、その隣に、そんな姿を微笑ましげにみているエストの姿があった、
しかし、数分たっても渚が動かなかったので、エストが声をかけ、少し急いで学園内に入った。
校舎の中はきれいに整備されておりロビー的なところの前にはきれいなステンドガラスがはめ込まれていて外からの太陽の光を背に綺麗に輝いていた。
そんな風景を横目にエストに導かれ職員室に入った。
そしてこれから担任になるであろう人に会い、その足で担任の先生と一緒に教室に向かう中、先生が自己紹介をかねて話しかけてきた。
「君逹は皇くんと渚さんでいいんだよな、申し遅れたが、私は君の担任のショート・アイラ・ダブィンチポートだ通称アイラ先生だ、よろしく頼むよ」
「はい、これからよろしくお願いします」
「(なんか頼れるお姉さんて感じだな)」と思いつつ廊下を進んでいると、アイラ先生がある教室のま得て立ち止まった、どうやら教室についたらしい。
そして、先に先生が入り・・・
「おーい静まれ、みんなに大ニュースだ、今日から編入生がうちのクラスに入ることになった、温かい心でむかえてってくれ」
そうアイラ先生が言うとどっと教室が騒がしかくなった、その中には質問も多少ながらあり……
「その編入生は男ですか女ですか?」
「どっちもだ」
「えっ・・・まさかオカマ?」
一瞬で静かになったがかまわず先生は言葉を続けた
「なわけあるか、そんな生徒こっちからお断りだ、じつは編入生は2人いて片方は男もう片方は女なんだ」
それを聞いた教室の男共は、かっと目を見開いて瞳を輝かし、女子もまた同じような顔をしていた。
「そんじや話はまとまったし、そろそろ編入生をいれるぞ! 君たちはいってきな」
そのかけ声とともに教室に入った。
その瞬間、教室はより騒がしくなった、そんな教室の中にいた生徒は思い思いの感想を口にしていた
「あれ?以外とイケメンじゃない」
「きゃー意外とタイプかも!」
「見ろよあの子チョーかわいくね!」
「わかるわかる、俺、心臓が口から飛び出すかと思ったぜ!」
そんな光景をみているとその中にエストがいることがわかった、そして不意な目が合うと、にっこり笑ってくれた、そんな光景にいやされていると……そんな中、先生は声を張り上げて……
「皆、そんなんじゃ朝のホームルームが終わんなぞ、あと編入生の自己紹介もまだしてないだろ、ちょっとは静かにしてくれ。」
そんな、先生の声が通ったのか教室は普通に話しても声が通るくらいには静かなったので、自己紹介をした。
「俺は皇 颯斗 これから同じ教室で勉学を共にするもとるものとしてよろしくお願いします」
そんな少し丁寧な挨拶と共にお辞儀をした、それに続いて渚も自己紹介をした。
「どうも、私は塚田 渚です、いろいろわからないところがあるので教えてくれるとうれしいです。」
「――だそうだ、よろしく頼むよ、それでだ、席はそうだなエストの横があいてるな、そこに皇、その隣に渚、君が座れ、あぁあと、2人放課後少し残ってくれ、適性検査を受けてもらう、しゃそういうことでホームルームを終わりにする、くれぐれも編入生が来たからといって騒ぎすぎないように」
そんな言葉を残し先生が教室から出て行った、とたん、俺と渚の机を取り囲むように生徒逹が群がってきた・・・
その後は言うまでもなく、「彼氏・彼女はいるの、趣味はなに?」
などのようなことの質問責めにあった。
それから教科書の配布があったりして授業はよくわからない単元だったが、教科書があったので一応ついて行くことができた。
そして放課後、まず職員室に行き、それからアイラ先生につれてこられたのは学園の地下にある薄暗い研究施設のようなところだった、
そして、そこにいる、白衣を着眼鏡をかけた背の小さい先生と少し話をしていた、その内容は、あまり聞こえなかったが簡単に言うと適性検査をししいということ、もしも珍しい才能があっても自分の研究に巻き込まないようにという内容だった。
それを聞いたその先生は、罰が悪そうにアイラ先生から視線を外しながら、乾いた笑い声でこういった。
「まじですか~何か面白そうな素材が見つかったと思ったんすけどね」
アイラ先生が「それはどういう意味ですか」と言いたげにその先生に睨むとその先生は
「いやいや、別に変な意味じゃなくて、ね? なんて言うか何か感じるんすよ!」
と少し怯え気味にいった、それを聞いてアイラ先生はため息をつくとこういった
「はぁ~そうですか まぁ最初に言ったことは忘れないで下さいね」
そうあった後、俺たちの方をむいて……
「こいつがなんかしたら絶対報告しろよ」
そう言ってその場から立ち去った。
去ったのを確認すると、その先生が話かけてきた。
「おい!そこの君、男の方、ちょっとこっちに来い」
そんな呼びかけに、答えるように、少し小走りでその先生の元へ向かった、そして……
「君から検査をする、少しそこの機械に横たわってくれたまえ」
そう言い、研究施設的なところの奥にある機械を指差した、俺は指示に従い、その機械に横たわる、すると、前に無数の液晶パネルのついた机のところに座り、マウスを少しいじった後、こう言った
「じっとしていろよ、別に痛いことはしない」
そう言うと同時に機械が青白く光り出した……しかしその光は数秒で収まり、画面には俺の体のデータが詳細に映し出された、それを見た先生
は悪魔のようにニンマリ笑うと、横たわった俺の方向体を向け言った、
「やっぱり私の見かけは間違っていなかった」
そう言った、そしてその後画面に視線を戻し、印刷した俺の検査結果と魔道書を渡してくれた、そのころ俺はもう、機械から起きあがっていた、
そんな俺を見て一言、
『君は魔法科だ、それもバカ魔力、タイプはオールラウンダーだ、つまり君はどんな魔法も練習すれば使いこなせる、』
そんなことを聞いたのに、俺は特に驚きもせず、その結果を受け入れた、なぜなら……
俺が『騎士だ』なんて言われたら、体力のない俺はすぐにへばること間違いなしだからだ。
――ある意味安心していた。
それを言いおわると次に先生はこう言った……
「次は、君だ、そこの女、確か渚と言ったか、まぁいい彼と同じようにそこの機械に横たわってくれ」
そう言うとまた画面に視線を向け、数秒、検査は無事終わった、結果は『騎士』だった……
先生は結果を見て、「やっぱり」といった顔をして、言った
「君は体がすごいね、よく鍛えられている、これなら弱い騎士にも負けず劣らずだな、あとは、剣がしっかり扱えれば完璧だ」
そう言い、俺たちを見て言った
「君たちならすぐこの学校に慣れられるだろう、これからの学校生活、がんばるといい、もう検査は終わった帰っていいぞ」
そう言いまた画面に視線を向けてしまった。
それを見た俺たちは、その場を後にした
「ふぅ~……」
――「ふふっふふ これからが楽しみだな」――
そんな不吉な笑い声が研究施設に響いた。
ーーこれを読んでくれた方へーー
良いところでも、改善してほしい所でも良いです
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