金曜日
似たような日が木曜日まで続き、金曜日の朝。
「マスター起きてください時間です」
中々の大音量で起こされる。こんな大音量で起こすってことは学校に行く時間から十五分前ってところか。
「あれ瑠莉は・・・・やっぱ先に起きたかな」
「はい、マスターより一時間も前に起きています」
「マスターもさっさと起きればいいのにー」
それができればこうやって大音量で起こされてないだろうと思いながらも礼を言ってリビングに降りる。
リビングにはすでに親はおらず瑠莉と霧がお茶を飲んでいたりテレビを見ている。俺に気づいて霧は挨拶をしてくるそして温かい食事の前に座り一人で食べ始める。
「ねぇにぃまたゆっくりだね」
「仕方ないだろ眠いんだよ、こうやって飯食ってる時間もホントはないぐらいなのにそれで勘弁してくれよ」
第一何で俺と同じぐらいに寝て早く起きれるんだか。
「ご主人様もっと焦った方がいいかと」
そう言われて時間を見ると呼びに来るまであと十分になっていた。やばっと思い軽めの食事をパパッと食べ、着替えに部屋に戻る。
「マスターに頼まれていた物の解析が完了しました」
「ホントかよ!早いな」
「いえ、少しかかりすぎてしまいましたすいません」
「いいっていいって俺がやってたらもっとかかってたし」
実際にあの暗号を見つけ出すのにも時間がかかったし、それを元の形に戻したりするのにも何年もかかってしまったんだ。それに比べれば断然早い。
「まー別に機密情報機関とかに忍び込まなくてもよかった感じだしねー主な入手場所は教会のサーバーだったから簡単簡単」
「足跡何かは残してないよなお前ら」
「もちろんです。すべて跡形もなく消してるので大丈夫だと思います」
ならよしっと思い、着替えを再開していく。
「それにしても長かったですねーここまでー」
「はい、これでマスターの願いが叶うんですね」
「まあ、そうかもしれないしそうじゃないかもしれない、所詮オカルトだ」
そうオカルトなのだ日頃少しづつ積み重ねてきた暗号はオカルトの一種だ。悪魔を呼び出す儀式らしいが今まで悪魔なんて見たことない者からしたら、ただのオカルトだということだ。
「大丈夫ですよーマスターこれは教会から覗いて解いたものですから信憑性大でーす」
「俺もそう思うけどな」
下の方から霧の呼ぶ声が聞こえてくる。
「じゃあ悪いけどシル今日はお前を連れていくな」
「はい、私は構いません」
「まー仕方ないよねー今回はすっごく頑張ってたしお姉-」
シルの入ったスマホを持ち何かあったら連絡するように言って、霧たちと学校に向かう。
今日もまた何ら変わり栄えもしない日である。教室の中は賑やかで楽しい時間を過ごし、授業中は非畝をして過ごす。本当に変わらない生活をする。
そして時間が過ぎ放課後である。
「兄貴ー部活今日はどうするんですか!」
「そうだな部活動の手伝いも終わったし久しぶりにオカ研でなんか活動すっかな」
「それなら行きますか」
軽く返事をして梓を呼んで一緒にオカ研に行く。
オカ研に着き俺は自分の指定席のような席に座り込む。
「どうかしましたか直人さん」
どこか心配しているように聞いてくる。
「どうしてそう思うの霧」
「えっと何だか今日出る時から少しおかしいですよ直人さん」
「そう?俺的にはいつも通りなんだけど」
そういえば何だか部屋の空気が何だか重い感じがする。秀人は普通に本を読んでいるが他の奴らは何だかビビってる感じだ。
「何かみんなどうかした」
「代表して言わせてもらいますと、何だか今日恐いです直人さんが」
「怖いって俺なんか不機嫌そうにでも見えるの」
そう言っていると梓が俺のほっぺを引っ張ってくる。
「なひするんやよ」
「いやもっと笑顔になってほしくて」
「別に元気なんだけど・・・・よしじゃあこれならどうよ」
バンッと机をたたいて立ち上がる。
「俺の名前は黒羽直人で超天才児です!」
俺の宣言と扉が開くのは一緒だった。一年二人の登場である。
「「「・・・・・」」」
互いに無言の見つめ合いが続き戻ろうとするのを全力で止めて事の次第を説明する羽目になった。
「そういう事だったんですね直人先輩」
「でもそれは直人先輩が悪いですよ、直人先輩にはいっつも笑顔でいてくれなくちゃ困ります」
「いや、俺なんで後輩に諭されてんの」
そうは思ったが完全に部屋に重苦しい空気はなくなったのも事実だから良しとしよう。
「で今日の議題だが」
席に座り込み真剣な顔で始めようとする。
「いやいったことないだろ議題なんてこの部活で」
「いいじゃん光そこはもう俺もネタないんだから許してよ」
「無理しなくていいよ直人」
「いや別に無理じゃないって」
そこからも俺はなぜ慰めを受けるがそれをすべて返し本題に入る。
「じゃあまず言いたいのはもうすぐ文化祭である」
「いや、まだ五月ですよ直人先輩」
「ああ確かにまだ五月も終わりに差し掛かっている文化祭は七月と後一カ月ちょっとあるが、まず期末テストが来る」
その言葉に三木先輩と久谷が顔をそむける。
「うちの高校は授業中は寛大だがテストで躓くのはまずい。まず赤点を取ったら文化祭の一日目を補修に当てれてしまうのは知ってますよね三木先輩」
「はい、知っております」
その返事には力がない。
「三木先輩はまあ数学だけでなんとかなるとして久谷お前はだ」
「えっと英語に日本史に数学、国語ですかね」
「どうやってお前ここに入れたんだよ」
「エスカレーター式と運動できたんでバッチリでした」
「バッチリじゃねえし知ってるわ!お前らを面接した時点で知ってるし」
「じゃあ聞かないでくださいよ」
まあだから前もって言ったのである。
「よし、三木先輩は霧が俺達は全力で久谷に詰め込むぞ」
「待ってください直人先輩!まだ一カ月も先なんですよ」
「もう後一カ月なんだよな~お前と同じことを思ったバカが試験前にこの部活に顔を出すのが数名いるから今しかねえんだよお前は。まあ嬉しく思えよ学年一位がいるんだからな」
「まっまじっすかーーーー!」
久谷の絶叫なんて構わずに部活動終了時刻いっぱいまでしごいていく。
机に突っ伏した久谷を見ながら下校のチャイムを聞く。
「三木先輩は完璧ですね」
「うん、何とか理解できるようになったよ」
「そのようですね」
テーブルにはいっぱい丸の付いたテストが置いてあった。
「じゃあみんなは悪いけど先に帰っといてよ」
「委員会なら待つけど」
「いや、それじゃない今日はバイトに行くからな。持ち委員会もあるけどな」
そう言ってみんなを先に帰らせる。
「何かイライラしてるんですかマスター」
「わかってんだろうがお前は」
そう今日俺は機嫌が悪いわけじゃないむしろ最高にいい気分なのだ。それを気取られないように今日はテンションを控えめにしていたのだ。
「ロゼに何もないかの確認をしといてくれ」
「いえもうしてあります。暇という連絡がかなり来てます」
「そっかなら早く帰ってやんないとな」
バックをもって部室のカギを返しに行く途中もチェックをしながら生徒会の部屋の入り、そこからは美紗ちゃんと見回りをして二人で帰路に立つ。
「美紗ちゃん手でもつないであげよっか」
「は、何言ってんのアンタ急に!」
「いやー一人暮らしで寂しいだろう美紗ちゃんに救いの手を指し伸ばして惚れてもらおうかと」
「何言ってんのよバカ!!」
「冗談だってそんな怒んないでよしわが増えるよ」
「あんたが増やすようなこと言うから」
美紗をからかいながら家まで送り俺はバイト先であるバーの店に向かう。
この店に漂うのは甘いお酒の匂いである。店にいる人は渋いおじさまから妖艶なお姉さん、若い社長何かである。
カウンターにまた若い女性が座る。
「何にいたしましょうか?」
この言葉が言いたくて始めたようなバイトのお決まりの言葉を女性に聞く。
「バレンシアをお願い」
アプリコットブランデーをシェイカーの中に氷と一緒に入れ、そこからバレンシア産の百%のオレンジジュースをそこに入れ、振っていく。
「わあ、すごくかっこいいわねあなた」
「それはありがとうございます」
「ええ、とってもかっこいいわ」
この振っている姿がかっこいいて言ってるのはわかっているがそれでもうれしい事である。
ここのバーテンダーになるために二週間ほど時間をかけて練習をさせられたものを褒められのは、とっても嬉しい事だ。
「どうぞバレンシアです」
「ありがとう・・・・・美味しいわ」
「それは良かったです」
「とってもかっこよくてこんな事もできるなんて、本当あなたの遺伝子が欲しいくらいだわ」
俺は微笑みを返しておくだけにとどめておく。誘われてるんじゃなくてからかわれてるのが分かっているからこそ微笑みで止められるってものだ。
「あら本気よ」
そういう言葉には全部微笑みで返しておく、そうしておかないと隣の俺の雇い主のマスターがとっても怖いですから。
それからもアプローチがあったりもするがそれを微笑みで返すだけで、躱していき今日もこのバイトをそつなくこなしていく。
このバイトの上りは朝の四時であるのでかなり眠いのであるが、朝日が気持ちいいと言いたい気持ちになるがまだちょっと出てない感じである。
「今日もお疲れ様直人君」
「いえ、花さんも厨房お疲れ様です」
「うん、で今日はどうするうち来る」
「いえ、今日は帰らしてもらいますねやる事があるんで」
「そうなのせっかく火照った体を慰めてもらおうと思ったのに」
自分の体を抱きしめながら誘って来る。
「ごめんね花さん相手できなくて次は相手してあげるから」
「もうあなたが相手してあげるんじゃんなくて私がしてあげるの」
「そうでしたか花さんじゃあまた今度相手してくださいよ」
そう言って俺はこの店を颯爽と出ていく。
「もう本当に行っちゃうなんてもう今日まで我慢してたのに」
「じゃあ自分が相手しましょうか」
「う~んだめんなんだな~それが、もうあの子しかダメなのよね私」
もうこの体はあの子に何回も刻まれちゃったから。
自分の抱きしめその火照った体を押さえるように直人へメールを送る。
「マスター花って方からメールが来ています」
「何って」
「いつでもいいから呼んでねハートだそうです」
「そう、なら今週にでも連絡するかもしれませんって送っといて、後迎いの車を寄こすように仁田に送っといて」
「わかりました。後かなりロゼが拗ねています」
そうだろうなと思いながらいつもの街に使うベンチに移動して座る。
そこからはをシルを介してロゼと会話をしながら、迎えの車を待つ。
「サンキューな仁田いつも送ってくれて」
「気にすんなよいつも朝が早えんだ俺は」
「おう、頑張れよ。またいつかお前の店手伝ってやるから」
「そうしてくれると助かるねお前がいるだけで繁盛してくるからな。それじゃあないつでもまた呼んでくれ」
仁田は車でまた来た道を戻っていく。
俺はそれを見届けて自分の家へと入る。ドアを開けるとそこには霧が出迎えてくた。バックなんかを渡して風呂何かわもう沸かしていてくれているのでそちらに先に入る。
「やあ気持ちいいわー」
体をすっきり洗ってお風呂に浸かるのは最高に気持ちのいい事である。
「ご主人様ここに服を置いときますね」
「ああ、ありがと」
「それと上がられたら朝食を食べますかそれとも仮眠を取られますか」
「いや飯でお願い」
「かしこまりました」
そう答えて霧は去っていく。そこから十五分ほどつかりお風呂から出て朝食をいただく。
「今日はどうしますかご主人様」
「今日何か予定でもある」
「いえ特に何も予定は入っておりません」
「そう、なら今日は霧に休暇を渡したいんだけど」
「休暇ですか。いえ私は必要ありません」
「そういうなってたまには息抜きも必要だろ。いつも俺に振り回されてるんだから」
「いえ振り回されてるなんて・・・・少しも思ってません」
その間は何だよ間は絶対思ってんだろそれ。
「いいから何かやって欲しい事とかない」
「そうですねやって欲しい事・・・・抱いてもらうとかですか」
「それは俺には得だけどお前は損するだろう」
「いえ私はあなたの子が産めれば何も必要ないと思っているレベルです」
「いや、今はやめとけよまだ学生だろ、せめて大学卒業後で」
「そうですかじゃあ特にないですね」
「ないなら仕方ないか。じゃあいつも道理でいいか」
「はい」
なんだか嬉しそうだな。どんだけ仕事が好きなのだか。
「じゃあ俺は自分の部屋でやることあるから」
「はい、わかりました。あっおはようございます」
飯が食い終わった頃に父さんと母さんが起きてきた。
「ああ、おはよう二人とも」
「おはよう、直人さんはお疲れ様ね」
「うん、おはよう」
父さんの方は仕事だが母さんはどうやら育児を優先ということで今日は仕事はお休みらしい。
「悪いなどこにも連れてってやれなくて」
「今更気にしないでよ。むしろ好き勝手俺もやらしてもらってるんだから俺は」
「そうか」
その一言を聞いて俺は自分の部屋に戻る。




