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逃げ出した先の生き方は  作者: 間違い探し
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チェレンコフの白き葬列 3

「槍だッ!槍をッ、白兵戦ッ!!」

一杯くる一杯くるッ!


「うぉぁッ!ラァッ!」

正面の敵の腹に槍を突き刺し、横合いの敵を蹴りつける。次だっ!


銃撃音と雄叫び悲鳴。

響き渡るそれは、俺の頭をガンガンと揺らした。吐きそうだ。ちくしょう。

『マスター 押し切られます』


「全員戦闘武装ッ!」

『機動力を発揮出来ません よいのですか』

このままじゃ皆、串刺しだ!どうせここから動かないんだ、固定砲台になった方がまだましだ。


「スラスターは使うなッ!余動力を魔導シールドに!その場で撃ちまくれッ!」


俺達は一時の間、人を辞める事にする。


「ば、化け物ッ!」

「あ、悪魔だ〜ッ!」

敵は狼狽え出した。

そのまま、森の中に籠ってろッ!


逃げる敵、向かってくる敵。統制が滅茶苦茶になり、敵味方が入り乱れる。

重量が増した俺達は推力無しでは素早く動けない。ガチの殴り合いだ。


「撃てッ!」

横合いからダリが援護しにきた。

「ケンヤ卿ッ!向こうからも歩兵が大量にッ!合流して踏ん張ります!」


自棄になりやがったのかコイツら。サーベルで突撃してくるっ。死ぬ気かっ?

『それにしては 数が少なすぎます 分断したとは言え 敵は3万程居るはずです』


あっ、もしかして、『少なすぎる』のがバレたのかっ。やっぱり100人足らずでは無理があったか。


『此方、レイバーン。敵の本隊と思われる騎兵が森を出て疾走中ッ!』

此方の作戦目標は、足留めだ。最早、成り立たない。失敗だ。


「こいつらは時間稼ぎだっ!全機上空へ!敵の本隊を叩くんだッ!」

もう壊滅的打撃を与えるのは無理だが、少しでも減らす!





「急げっ!丘陵を突破してベイへへ!」

やられたっ。敵の目的は足留めだった!丘陵の向こうに敵はいないっ。

丘陵へ誘導する動きはブラフだったのだ!


少数だとは思っていたが、100人足らずだとは思わなかった!

空兵を単独で運用するとはっ!補給は一体どうやっているのだっ。


偵察兵によるとノーザンテリアの本隊が後ろから迫っている!

足の遅い部隊を引き連れていては逃れられない。騎兵と魔法化部隊のみで撤退するしかない。

制空権が無いまま会戦など出来ないからな!


「将軍っ!敵の空兵が森からっ!」


振り返ると、森の上空に空兵が見えた。

「なんなのだ彼奴等は!何故執拗に追って来るのだっ!」

目的が判らない。退路を断ちに来たというにも、数が少なすぎる。

主力の陸軍が居ないのに……あれだけの空兵では多少の損害を与える程度ではないか。


「彼奴等だ!ローレリアの悪魔どもだっ!追って来たんだぁ!」

一部の兵どもが騒ぎだし、段々と恐慌状態になり始めた。


「落ち着けっ!命令通りに進め!はぐれるなっ、おいっ!言う事を聞け!将軍っ、さぎぁッ!」

射撃音が響き、副官は力無く馬上から地面へと落ちていった。


「悪夢だ…たったあれだけの空兵に手も足も出せんとは……」

ローレリアの部隊…ケンヤ侯爵軍……なんて恐ろしい…強さが、ではない。

こんな無謀な事を平気で行う精神が恐ろしい。狂っている。


混乱した部隊はバラバラになり、好き勝手に逃げ始めた。

ヴァレンスキーは身近な部隊を纏めて逃げ続け、3日後ベイへに到着した。

逃げきったヴァレンスキーの部隊はたった2000程。その後帰還した兵は驚く程多く、40000程が戻った。しかし……。





「…」

「リッツ、どうした?景気悪い顔してよ」

「勝ったんだ、ダンスでも踊ろうぜ、うぶ、ぐぅ、おぇッ!ごほっ」

「…ひっ、ひ、うぅ、う、ぐぅ」

「リッツ、マーク、大丈夫か…?ちょっと休め。な」

3人の目の前には酷い光景が広がっていた。

若い二人には少しツラいだろうな、と、伍長は同情したのだ。


ローレリアの本隊が到着した後に、彼等が見たのは虐殺だった。

今も目の前で、捕虜が貴族士官達に痛ぶられている。


「軍律違反だな。捕虜の虐待は禁じられている。……貴様、軍人ではないな」

風切り音が鳴った。

貴族士官の首が落ちた。中将閣下が斬ったのだ。


「よいかッ!軍規を乱す者は赦さぬッ!多少は目を瞑ろう。酒も煙草も上手いことやっておけ。たがッ!捕虜や民間人、女への暴行は赦さんッ!略奪もだ!」

中将は背筋を伸ばして剣を地面に刺して両手を持ち手に添えた。


「我々は誇りあるノーザンテリアの将兵であるッ!野盗のごとき振舞いはするなッ!!戦死者から奪った物は元に戻しておけ。違反したものは軍規に沿って処罰する。以上、徹底して将兵に伝えよッ!!」


中将はそう言うと、穴を堀に戻った。

…また、焼き払うらしい。

冷酷なのか、慈悲深いのか…。軽くなれば持って帰れるのも事実。野晒しよりはマシか。


「じゃあ、俺達も掘りに行きますか。お前ら二人は…」

「行きます」

「掘りますよ」

「そうか、無理するなよ」

「中将が動いているのに」

「休めませんよ。はは」


チェレンコフの戦死者は6000人を超え、その全てが焼き払われた。


解放された捕虜の首には白色の布。

その中には小さな壺に入った骨。


白い葬列は10日間にわたり続いたと言う。


この世界は土葬が一般的だ。死者をさらに火で炙り苦しめるなど、考えられない事である。

チェレンコフはケンヤ侯爵の冷酷な行動と6000もの死者を焼き払う執念を恐れ、怯えたのだった。


『文化が違うと 当たり前も変わると そう言う事です』

えぇ…。親切のつもりだったんだが…。

なかなか上手く書けませんね。脳ミソから煙が出そうです。

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