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逃げ出した先の生き方は  作者: 間違い探し
33/37

チェレンコフの白き葬列

チュィーンッ!

カンッ!

タタタッ!


「兵長、リッツ、ランドマン、マイクは俺についてこいッ!」


生い茂る木を壁にして素早く進んで行く。


「姿勢をさげろッマイクッ!兵長ッ!マイクの姿勢をさげろッ!」

ドォーンッ!


「うぶっ!ペッ、クソッ!。この岩の向こう側だ」


俺はそっと除きこむ。あっ、魔導師がッ!

キューンッ!

ガカカカッ!

「待ち構えてやがるっ」

チュィーンンッ!


「中将!自分も確認します」

兵長が腹這いで鏡を使う。


「クソッ!空さえ飛べれば楽にやれるのに」

リッツがぼやく。


「木と岩が邪魔で、空からではどのみち制圧出来ん!地べたを這いずるしかない!…ここを制圧せんと向こうのダリも危ないぞ!」

行くしかねぇ。くそったれ。


なんでこんな事にっ!






「じゃあ、ちょっと戦争をして貰います」

別室に移動した俺達に、レイバーンは言った。


「…おい、いきなりなんだよ」


「チェレンコフが撤退を開始している。…ここだ」

机に地図を広げ、指で示す。

「今だ五万の兵力だ…此方へは抜けられん。山道で険しすぎるからな」

ふーん、それで?


「撤退するなら此方に進むだろう…城塞都市ベイへ。ここに入られると不味い。我が国、グランライト領に近すぎる」


確かに地図では丘陵地帯を挟んですぐ近くだな。

『再侵攻が可能な位置です 兵力的にも』


「…それで?王都の援軍に任せれば良いのではないか?」

俺らがしゃしゃり出なくても…任せれば?


「それでは間に合わん。徴兵された歩兵が大多数なのだ。…ここで大いに叩き潰し、停戦を優位に進めるべきだ」


「チェレンコフはノーザンテリアの30倍の兵力を保有しています。まともにやり合えばどうなるか…。今しか機会はありません」

ダリが補足した。


「じゃあ、空から鉛でも喰わせてやるか?腹一杯にな」

『それだけでは撤退を止められません』

だろうな。対地兵器が無いもんな。俺達。


「先に我々がここで阻止線を引き、食い止める」

レイバーンが丘陵地帯をなぞった。

「そして、追い付いた本隊が後ろから挟み撃ち…か…」


100人足らずでかよ。無理だろ。

『キチガイ沙汰ですね』


「やるしかないのだ。チェレンコフに本気で侵攻されれば滅びるしかない。…王子を殺さなければもっとましだったのだぞ」

うぐっ。だってだって、仕方なかったんだモンッ!

『キモいです マスター』


「やりましょう、ケンヤ卿。勝利をこの手に!」

ダリはヤル気に溢れている!

うぁ〜ん、マジかよー。はぁ。くそっ。




あの後、急いで飛んで来たわけだ。ここに。


因みにミューゼは、

「私もいくのっ、ケンヤぁっ、やだっ」

張り付いて離れなかったので、数人がかりで剥がして置いてきた。


アステリア姫達は、

「私たちも参ります。稽古は受けてますわ。足手まといにはなりません」

等と言っていたので、俺達の装備を担いでもらった。


「ふぐぐっ、えいっ!あれ…えいっ…うーんっ」

立つことも出来ないのでそっと置いてきた。


『回想してないで さっさと進んでください』

わかってるよっ!


「兵長!あっちの岩が見えるかっ?あそこに俺と…リッツ!こいッ!…二人で行く。挟み込んで魔導師を片付けるッ!援護しろッ!」


「わかりましたッ!…合図と共に射撃ッ!用意!」


「行くぞ!3・2・1!」

「撃てッ!援護しろ!」

「はよ!リッツ!こっちだッ!転がれ!」

耳の横をブンブン音がっ。

『死の羽音ですね』

ひぃっ、死ぬ!空軍に地上戦させるんじゃねえ!


チェレンコフはやたら魔法道具が発達している。まるで現代戦の様相になってしまった。


「くそ、魔砲銃とかそんなんありかよ。チートじゃねえか」

『ぼやいても 仕方ありませんよ マスター』

ぼやかずにいられるかっ。


こっちは力を、シノンを使えないのに、むこうはチートだぞ。

『この狭い場所では、高機動過ぎて動けませんからね』

其処ら中にぶつかるからな。


「リッツ、狙えるか」

「やってみせますよ、中将」

…タンッ!タンッ!……タンッ!


「よしッ!よくやったリッツッ!片付けたぞッ!突撃ッ突撃ッ!」

後何回やるんだこんなことッ!


もう嫌だ〜〜!

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