聴覚障害者の日常 〜歌う〜編
聴覚障害者は様々だから、趣味も嗜好も色々で、聞こえないからこうだ…といえないのだが、ここでは、あくまでもアタシのことと断っておきたい。
最近、子供たちが音楽番組を好んでみるのだが、時々、昔の流行した歌が流れてきたりする。
子供たちが
「ねぇ、この人知ってる?」
「この歌、知ってる?」
と聞いてくる。
アタシが歌謡曲を楽しんでいたのは子供たちが生まれてくる前までで、音楽番組をみる余裕があった時代に限られる。
その時代のみ、はやった歌手や歌はなんとなく覚えているし、お気に入りは歌ってたりする。
歌っていたというと語弊があるのだが、正確にいうと、音程がはずれっぱなしの調子をつけたような歌い方というのだろうか。
そもそも、音楽のメロディーというものはきこえない。だから、音程の高低はわからない。でも、かろうじてリズムは感じるのだ。
ドラムの響きにのる、手拍子にのる、周りの体の揺らし方にのる…など、リズムをとることができる。
さらに、テレビの画面で顔のアップがあれば、歌詞と口話で伸ばしたり早くしたりを理解したりもする。
だから、アタシの歌はリズムだけはどうにか合わせてはいるようだけれど、音程がめちゃくちゃなのだ。
自覚してはいたが、子供たちの赤ちゃんのときには子守唄のつもりでよく歌って聞かせていた。
大きくなった子供たちが、
「お母さんが歌うと、別の歌に聞こえるから、わかんなくなるよ〜。」
といいながら、それでも調子をあわせて歌ってくれる。
今では、手話ソングや手話パフォーマンスなどテレビで見かけるようになり、さまざまな音楽の楽しみ方があるのだと思わせてくれる。
見て楽しむ音楽が増えてよかったなぁとは思う。
だが、なかなか腰を落ち着けてみることができないので、最近の歌は一向にわからないのだ。
これは、ある読者様から質問されたことをきっかけに、もっと詳しくかいて見ました。
本当に聴覚障害者も色々なので、だから歌えるのだと思わないで下さいね。
聴覚障害者の知人のなかには音楽に興味のない人もいます。




