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 風呂洗いは、独身の頃から、やったことが無く、汚いと思われるかもしれないが、どうせ洗うのだからと、体を洗うのと同時にやってしまう。

 湯船につかり、最後に湯船の栓を抜くと同時に、お風呂洗剤を風呂場中に撒き風呂場中を泡だらけにし、ブラシで一気呵成に洗いまくる。

 こうすれば、お風呂洗いの時に流す汗もシャワーで一緒に流すことが出来る。

 彼女は、あまりいい顔をしない。

 ちゃんと洗っていないように見えるからだという。

 俺は、あくまで合理的な行動を求めている。

 すりガラス、すりアクリルとでもいうのだろうか、その向こうで黒い影が、彼女が僕の着替えを置いてくれているのだろう、その影が蠢いていた。

 泡を流すシャワーの音は、その浴室一杯に響き、蠢いている彼女の物音を搔き消していた。

 影が異様に大きくなっていることに、気が付いた。

 徐々にではあるが、すりガラス一杯となった彼女の体の体積をはるかに超える位に。

 たまらず、それでいて恐怖に打ち勝つため、浴室のドアを思い切って開け放った。

 真っ暗であった。

 脱衣所の灯りが消えていた。

 影ではなく、単に灯りが消えていただけだった。

 徐々に大きくなっていたことを否定するかのように。

 消えたなら、徐々に大きくならないだろうに。


 暗くなったことが、影として錯覚してしまったのだろう、と自分を説得した。


めを通して下さり誠にありがとうございます。

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