新たな始まり
風華霊能探偵事務所に着くと、そこには姉さんが待っていた。
「……!浅弥っ!」
俺に気がつくと姉さんが駆け寄って抱きしめてきた。
「姉さん、ただいま…。」
「おかえり、浅弥。ほんとうに無事でよかった…。」
「あー、感動の再会のところ悪いんだけど、1つ提案させてもらってもいいかな?」
「ほら姉さん、何か話があるみたいだよ?」
抱きつく姉さんを宥めながら俺はそう促す。
「すいません、お恥ずかしいところを。
提案というのはなんでしょうか?」
「それなんですが、浅弥君をうちで預からせてもらえないでしょうか?」
「え、それはまたどうしてですか?」
「浅弥君なんですが、どうやら怪異に巻き込まれやすい体質みたいなんです。
またいつこのようなことに巻き込まれるかわかったものではありません。
そこで、うちで預かることができればいつでも助けることができますし、対策の立て方も考えていけると思うんです。
どうだろう、浅弥君はうちにいる気はないかい?もちろん、助手として多少手伝ってもらうつもりだけど。」
たしかに1人で怪異を避け続けるのは現実的ではない。実際に今回は強制的に場所を移動していて危なかった。それに姉さんを安心させたいし…。よし、決めた。
「姉さん、俺はここにいてもいいかな?
身の安全も確保できるし、いずれ自分の身は自分で守れるようになりたい。」
「浅弥…。わかったわ。
風華さん、浅弥のことをどうかよろしくお願いします。」
「はい、しっかりと預からせていただきます。
浅弥君、これからよろしくね。
あと、雫でいいよ。」
「はい、雫さんよろしくお願いします!」
こうして、俺と雫さんの探偵生活が始まった。