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裏世界

(風華雫さんか…綺麗な人だったなぁ。)


 俺は助けてもらった後、家に帰るべく歩いていたのだが、おかしい。

 気がつくと、そこは見知らぬ田んぼ道だった。

 家も見当たらず、ただただ田んぼのど真ん中に俺は立っていた。


「はぁ、せっかく助けてもらったのにまた迷い込んでるよ。だいたい、今まで街の中にいたのにいきなり田んぼってどういうことだっての。」


 口では愚痴を言いつつも内心俺は焦っていた。帰り道がわからないというのもあるが、こういうところには決まってナニかがいる。


 周囲をよく見渡してみるが今のところは何もいない。

 そのことに俺は安堵しつつも、まずは近くに家がないか歩き始めた。


 しばらく歩いてみたものの家は全く見えず、ようやく見つけたのがもう使われていないであろう駅舎だった。仕方がない、今夜はここで寝泊まりするか。そうして寝る準備をしようとした時、ジャケットから何かが落ちた。それは昨日もらった名刺だった。


「あ、焦っていたからすっかり忘れてた。

この名刺にたしか…うん、電話番号がある。

あの人なら助けてくれるかもしれない。」


 そう思って俺は電話を鳴らした。


「はい、風華霊能探偵事務所、風華です。」

「あ、もしもし。さっき助けてもらった秋山浅弥という者なんですけど…。」

「あー、秋山浅弥君か。いいタイミングだね。

君は今どこにいるんだい?」

「それが……。」


 俺は今いる場所を風華さんに説明した。


「なるほどね、とりあえずわかったことは、そっちとこっちでは時間が少しズレているようだ。

 君はまだ夜だと言ったけれど、こっちではすでに昼になっている。

 必ず助けに行くからもう少しだけ待っていてくれ。あ、できるだけその場から動かないようにね。じゃあ、また。」

「はい、よろしくお願いします。」


 よかった、これでなんとかなりそうだ。このまま何も起きなければいいけど、いったいどうなるだろうか。

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