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危機

 暗い路地裏で私は浅弥君とともに怪異を追い詰めていた。


「いい加減、逃げるのはやめたらどうだ?」

「そうだな、追いかけっこはもうやめだ。

貰うぞ、お前の身体!」


 怪異が私に飛び掛かってきた。咄嗟に木刀に霊力を纏わせ、叩き落とそうとしたその時、木刀を持つ手が何かに押さえつけられ動かなかった。見るとそこには小さな怪異が集まって私の動きを止めていた。


(しまった、アイツの妖力に隠れて私に接近していたのか!?)


 私はすぐにそいつらを振り払ったが少し遅かった。飛び掛かってきていた怪異がもう私の目の前に来ており、もうダメだと目を閉じた。


 しかし、何も中に入ってきたような感覚がない。ゆっくりと目を開けると目の前には浅弥君が立っていた。


「本当はお前の身体を手に入れようと思っていたが、こいつもなかなかいい。今は一旦引くが、今度会うときはお前の身体を手に入れてやるからな!」


 そう言って怪異はこの場から去ってしまった。


「アヤメ!浅弥君の場所を探知してくれ!」


 事務所に駆け込むと開口一番に私は叫んだ。


「雫?何があったんだい?とりあえず落ち着いてよ。」

「あぁ、すまない。私のミスで浅弥君が怪異に取り憑かれてしまった。逃げられてしまったから居場所を知りたいんだ。」

「それは大変だったね。でも雫、忘れてるだろうから言うけど、今日はその怪異に取り憑かれていた人を見つけるために力を使ったでしょう?今日はもう探知できないよ…。」

「そうだった…、仕方がない、明日まで待つしかないか。」

「そうだよ、雫も戦いで疲れているでしょう?

しっかり休んで明日決着をつければいいよ。」

「あぁ、そうするよ。ありがとう、アヤメ。」


 取り憑く怪異、十文字さんの時と同じだ。でもあの時とは違う。私も成長したし、今度こそ助けてみせる。


 明日こそ…、待っていてくれ、浅弥君。

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