表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/17

郷愁

 懐かしい夢を見た。とても優しくて、温かくて、そして残酷な思い出。あの夜から私の今の人生が始まったのだ。


 時計を見ると、まだまだ夜は深い時間だった。私は椅子に腰掛け、窓から月を眺めた。


「雫、眠れないのかい?」


 アヤメがテーブルに飛び乗ってきてそう問いかける。


「いや、そういうわけではないんだ。

ただ懐かしい夢を見てね。」


 その横顔は懐かしい夢を見たという割にはどこか郷愁を帯びていた。


「そうか…、まだ夜は冷え込むから風邪を引かないようにね。」

「あぁ、ありがとう。」


(気を使わせてしまったかな?)


 アヤメの立ち去る後ろ姿を見ながら、私は感謝とともにそう考えていた。


 そういえば、師匠は今頃何をしているのだろうか? 私に力の使い方を教えて生活できるぐらいまで育てたら、置き手紙をおいてどこかに行ってしまった。


 何が『雫はもう一人前だよ、私がいなくてもやっていけるさ。』だよ…。まぁ自由なところは昔からだけど、たまには連絡ぐらい寄越してもいいのになぁ。


 私は師匠に想いを馳せながら窓の外を眺めていると、だんだんと空が白みがかってきていた。


「さて、今日も頑張りますかね。」

 私はそう意気込み今日も仕事に臨むのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ