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最後に伝えたいこと  作者: MOKA
私の光
7/20

私と席替え

 いつも通りのつまらない朝の会。真面目にこの話を聞いている人なんているのだろうかといつも思う。私は一度も真面目に聞いていたことはない。


 確かに朝の会はつまらないけれど、先生の目があるから何もされない。大々的に暴言を吐かれたりもしない。だから、少し気が楽だった。私に向けられる視線は多いけれど。


 今日は、先生が言った。


「席替えをします」


 先生がそう言った瞬間クラス内がざわついた。喜ぶ人、寂しそうにする人、今度こそ近くなろうと謎の誓いを交わす人など。私には別に同じクラスに友達はいない。仲のいい3人もクラスは違うから。


 私にとって席替えは最悪。やっと自分の周りにいる人たちとのかかわり方を見つけたくらいの時期に席が変わってしまうから。また、いじめっ子たちと近くなっても最悪。一日中暴言三昧。気が滅入る。


 漫画とかだと先生が配慮してくれて……とかもあるんだろうけど、ここは現実だ。そんなことなんてありえないし、期待するだけ無駄というものだ。


 一部の人たちは、私のことを見ている。きっと、近くの席になりたくないのだろうな。だって、近づくと逃げられるし。のくせにずっと見てくるけど。ま、近くにはなりたくないよね。巻き込まれたくないだろうし。


 でもね、いじめられたくないのは私も同じなんだよ。私だって人間だ。ある程度の感情はある。ロボットではないから。いっそロボットになれたほうが楽かも。


 私だって、みんなと一緒なのに。一緒、だったのにな……。


 そんなことを考えながら自分の席を確認しに行く。


 うわあ、最悪だ。正直、現実逃避をしたい。


 一番左の窓側の席で、前後はいじめっ子。右隣は知らない人。6年も同じ学校に通っていて、知らない人はいるものだな。近くには、話せる人がだれもいない。


 逃げ場がなくなってしまった。


 今回の席は、私史上最悪……だと思っていた。

次回!新たな出会いあり……?

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