逃げたい気持ち
校門をくぐって、校舎に向かう。だけど、私は教室に行けるわけではない。私にはまだ、地獄が待っているから。
ああ、ほら。校舎裏からぞろぞろ出てくる。気が付くと、10人くらいのいじめっ子に囲まれていた。金をとりに来た暴走族かなんかに囲まれているような気分だなと他人事のように考えたりする。もうどうしようもないことだとわかっているから、何もせず現実逃避を決め込んでいた。
これが私の日常すぎて、最初は感じていた恐怖も感じなくなってしまった。
ニヤニヤと私のことを見てくる。そして……
朝から泥水や虫をかけられて服は泥だらけ。最悪。だから、学校にはお気に入りの服は着てこない。ヂュエルどうせ汚されるから。ランドセルも奪われて、スニーカーも脱がされ石を詰められている。殴られて、蹴られて。それでも私は抵抗しない。抵抗できない。
もうあきらめているし、私がやり返して恨みを余計に買ったら友達にも被害が及ぶかもしれない。それだけは嫌だ。私は、なれているからいいとしてもあの子たちは傷ついてほしくない。
結局、教室にたどり着くまでに20分かかった。着替えも持ってきているからそれに着替えて、席に着く。
辛くて苦しかった。でも、自分ひとりじゃどうしようもなくって。助けてくれる人もいない。だから、仕方ないんだって自分に言い聞かせて一日をやり過ごすんだ。
私の友達が傷つけられないのなら、それでいいって。
そんなことを考えてたらチャイムが鳴り、朝の会が始まった。