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最後に伝えたいこと  作者: MOKA
私は嘘の仮面をかぶっている
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唯一の友達

 こんな私にも、友達がいる。信用できる大事な人。私が大好きな人。まなちゃん、かんちゃん、れいちゃん。私たち4人は、元も含め全員いじめられっ子だ。仲が良かった人に裏切られたり、急にクラスメイトからシカとされたりと、種類は様々だけど。だからこそ、仲良くなれたのもあるんだと思う。


 まなちゃんこと佐藤真奈は、黒髪のオタク。特別美少女ってわけではないけど、愛らしくて可愛い顔立ちしてるなっていつも思う。のんきで、とてもマイペース。まなちゃんは、今もいじめられている。オタクでぶりっ子と言われて、ずっと暴言を浴びせられ続けてる。それでも、平気平気ーって言ってるから、ほんとかどうか疑わしい。


 かんちゃんこと中川栞菜は、少し茶髪が混じったきれいなストレートの髪を、いつもポニーテールにしている。しっかり者の、お姉さんタイプだ。とっても優しくて、かんちゃんというまとめ役がいないとこの4人組は成り立たない。そのくらいしっかりしてて、ボーイッシュで、私のあこがれ。


 れいちゃんこと神木麗華は、れいかって名前がコンプレックスらしくて人と関わろうとしないの。いつもはつんつんしてる一匹狼なんだけど、実はさみしがりやなとこが可愛い。でも、名前にまた食負けてないと思えるほど美女だよ。自信持てばいいのにっていつも思う。ちょっと不器用手口下手なところはあるけど、とっても優しい子。


 優しくて、かわいいみんなが私は大好き。信用もしてる。


 でも、私は3人の前では強くてかっこいい私を演じていた。いじめられても気にしない。私は強いから大丈夫、って。まなちゃんと似たようなことしてるね。3人は、私がいじめられていることは知っているけど、酷さは知らなかった。あまりにも残酷なことは、知らなかった。


 だから平和に過ごすことができていた。


 だから、教えようとも思わない。私が大切な人には、幸せに過ごしていてほしいから。


 もし、私の世界を知ってしまったら?生きているのが怖くなってしまうかもしれない。恐怖でいっぱいで、いろんなことを踏みとどまってしまうようになるかもしれない。大好きな友達だからこそ、そんな風にはなってほしくなくて。普通の少女として生きててほしいから。


 相談なんてできない。相談したところできっと傷つけてしまうだけだし。


 でも、ほんとは1人で泣いてた。悲しくて、辛くて。無力な自分1人じゃ何もできないってわかってるから。誰も助けてくれないこの世界が大嫌いで。周りの人を恨んで恨んで。誰も信用しちゃいけない。


 私が大好きなあの子たちとも、傷つけないために。傷つかないために。


 近づきすぎちゃいけない。

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