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シリーズものです。

 9時55分。駅前に向かうとすでにトオルと典男が待っていた。

「おまたせ」

 2人に声をかける。

「おーっす」

「おはよう」

 2人は僕の恰好を頭からつま先までじろりと見た。

「女装……してない」

 典男が驚嘆の声を上げる。

「お姉さんの猛攻を掻い潜れたの?」

 トオルは尋ねる。

「ふふ……。女装といえば、フリルスカートやパステルカラーのガールガールな服だった。……だが、今は違う!」

 ギュッ

「ユニセックス。男女兼用。どちらが着ても違和感がないデザイン。最高だよ、最高」

 僕は現代社会に感謝した。

「後はこのルックスで押し黙らせたぜ」

 顎に手を添えてドヤ顔をした。

『女判定…………合格』

 姉貴の苦々しい顔が思い浮かぶ。

「よかったね」

「ああ、着心地がいいよ。ウィッグ付けなくていいのが特に」

「カツラ?」

「そう。長い髪が鬱陶しいし、頭が蒸れるから嫌だったんだ」

「確かに女装時はテンション3割減してたね」

「でも、今日はしてないから心置きなく遊べるぜ」

 僕のテンションは、ホビーアニメの男主人公並みに上がっていた。

 しかし、僕もすでに高校生。こういうテンションが恥ずかしくなってきてちょっと冷静になった。

 服装の話題だったので、改めて2人の服を見る。

 トオルは白のシャツとデニムジーンズ。服装はシンプルだが、身長があるので様になっている。

 一方で典男はピンクの柄シャツとクリーム色の七分丈パンツ。デザインが強いシャツを普通に着こなしている。典男は意外にもオシャレなのだ。黙っていればモテると評価するのはこういうところも加味している。

 僕はダボッとした黄色のパーカーとグレーのチェックパンツ。手が萌え袖になっていることが女装判定の決定打になったと思っている。

「じゃあ、行くか」

 僕たちは電車に乗った。


 遊園地に着くまでの車内。僕たちは座席に横並びで座っていた。

「でも、ホントによかったのか俺たちで」

 トオルが典男に尋ねる。

「なにが?」

「折角の遊園地だし、黄瀬を誘えばよかったんじゃないかって」

「いやぁー、だからそれは早いって」

「それかさ、まこっちゃん含めて4人で行くのもアリだったんじゃね?」

 僕が口を挟む。

「あー、それはアリだったかもな……。いやでも遊園地は早くないか?もっとこう段階を、ね」

「もともと友達だったんだし、気にしすぎだよ」

「俺は4年ぶりなんだって」

「そうだ、今度4人でファミレス行って話すのは?色々聞きたいこと話したいことあると思うし」

「それいいね」

 トオルの提案に僕は乗っかる。

「ファミレス決定。典男もそれならいいでしょ」

「……うん、まぁそれなら」

「よし、じゃあまこっちゃんへの連絡よろしく」

「俺!?」

「当たり前じゃん。お前のためなんだから」

「がんばれ、典男」

 トオルがエールを送る。

「……わかった、わかったよ。連絡してみるよ」

「えらいぞぉ」

 雑に褒めてみた。

「なんかむかつく」

 電車が次の駅の到着を知らせる。僕たちが向かう遊園地の最寄り駅だった。

 僕たちは電車を降りた。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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