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シリーズものです。
明くる日のお昼。僕は朔さんたちと昼ご飯を一緒にする約束をしていた。
しかし昨日、薫さんに何か勘付かれた気がした僕は今日の食事会を中止しようと申し出た。
が、それは却下された。
「今日こそバレるよ」
「別に隠してるわけではないじゃないですか」
優里さんは怪訝な顔で言う。
「恥ずかしいんですか!?」
優貴さんは大きな声で言う。
僕は口に人差し指を立てて、静かにするようジェスチャーする。
「……先輩は……私たちとご飯……嫌?」
朔さんが悲しそうな目を僕に向ける。
「そ、そんなことないよ!ただ……面倒ごとが起きてほしくないだけだよ。みんなと食べるのは嫌じゃないよ」
「……よかった」
彼女は安心したようにチョココロネを頬張る。
相変わらず彼女は美味しそうにご飯を食べる。それを見ているのは癒される。だからこの食事会自体は嫌いじゃない。
「どうして先輩はそんなに周りを気にするんですか?」
「え?あー、それはな、厄介なフレンドがいるんだよ。以前朔さんを卒倒させた奴」
「あのパッとしない人ですね!」
優貴さんのストレートな物言いに思わず笑ってしまった。
「そうそう、あのパッとしない奴。あいつ、僕たちが女子と一緒だと嫉妬で狂うんだ」
「全然絵面が想像できませんね」
「面倒なことになると思ってくれれば良いよ。今はもう1人の友達が止めてくれてるから、屋上に来ることはないけど……」
「本当に友達なんですか……?」
優里さんが訝しむ。
確かにこの説明だけでは友達には見えない。
「まぁ、そういうことで、その厄介Aはどうにかできるんだけど、最近厄介Bが増えまして……」
「……誰のことを言ってるのかなー?」
「あんまり大きな声では言えないけど、桃乃井薫という人で……」
「カワイイフェイスにグラマーボディの……」
「うーん、恥ずかしいけどそれには同意……ってうわぁ!」
僕が視線を横に動かすと、件の薫さんがコンビニ袋を携えて立っていた。
「見つけたよー、要くーん」
玩具を見つけた子どものように、彼女は楽しそうに笑った。
「おっぱいが大きい人です!」
優貴さんが彼女を指差して言った。女子でもそこ一番に見るのね。
「Gカップです」
彼女は腕で胸を寄せてアピールする。
3人から「おお……」と感嘆の声が上がる。
「聞こえちゃったんですけど!?」
僕は慌てて言った。
「サービス」
彼女はピースしている。本人は聞かれたことをさほど気にしてないようだ。僕が気にするよ!
「でー、要くんは女の子3人を侍らせて何してるのかなー?」
彼女はニコニコ笑顔で面白がって尋ねている。
終わった……。
「ほー、朔ちゃんの特訓のね」
観念した僕は事情を全て話した。
「確かに要くんなら緊張しないもんね」
サンドイッチを一口齧りながら薫さんは言う。
「それでどう?要くんには慣れた?」
「はい……だいぶ……」
朔さんは初対面の薫さんに緊張気味だ。所在ない指をモジモジさせている。
「じゃあ、そろそろ別の男子で練習しない?」
「え……でも……」
僕は嫌な予感がした。薫さんと目が合う。彼女はウィンクする。
「大丈夫。今度は私もいてあげる。男子2人追加するけど、女子も私含めて2名追加するから」
絶対そうじゃん!誰呼ぶか確定じゃん!
思わず薫さんの顔から笑みがこぼれている。
僕は目の前が真っ白になった気分だった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。




