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シリーズものです。

 教室に戻ると、トオルと典男が談笑していた。

「ただいま」

「どこ行ってたんだよ、うんこか?」

 典男が茶化す。

「ちげーよ」

「でも、惜しかったなー」

「何が?」

「実はさっき黄瀬さんたちが来てよ。桃乃井さんと会話しちゃった」

 典男は思い出して鼻の下を伸ばす。

「くわしく」

 僕は説明を求めた。


 僕が朔さんの偵察をしている間にまこっちゃんたちが教室を訪ねた。

 来た訳はお礼がしたかったからだった。

 前回のテスト勉強のおかげもあって彼女の成績が上がったのだ。

 その感謝をメッセージなどではなく、言葉で伝えに直接来るのは律儀だと思う。

 そこに桃乃井さんもついてきた。

 2人もどうしているのか最初理解できなかった。

 話を聞いてみると、まこっちゃんが僕たちと勉強会をしたおかげで成績アップしたことを彼女に教えたために、彼女もその勉強会を受けたいと思ったらしい。

 そこで、今度の勉強会に桃乃井さんが参加していいかの旨の確認に来た、ということだった。


「もちろん、俺はオーケーしたぜ。華はたくさんあった方がいいからな」

 典男は腕を組んで頷く。

「トオルはどうなの?」

「俺も問題ないぞ。話を聞いてみると桃乃井は日本史が得意みたいだし教えてもらうよ」

「そうなのか。僕も得意じゃないから一緒に聞こうかな」

 なるほど。それぞれの得意分野を教えながら苦手範囲をカバーし合う。かなり実りのある勉強会になるんじゃないだろうか。

「ホントに残念だったなー」

 しかし、典男はそんな未来の勉強会のことなど露ほども考えていない様子だった。

「さっきから何が言いたいんだ」

 聞いてほしそうだったので尋ねてあげた。

「桃乃井さんを間近で見れなくて」

「それが何だよ」

「そりゃあお前、女子が近くにいたら自然と見るだろ」

「胸?」

「そう、おっぱい」

 わざわざ言い換えなくていい。

「あの大きくたわわなおっぱい。話す度にかすかに揺れる柔らかそうなおっぱい。ふふ……これは次の勉強会は()()()()()ものになりそうだな」

 僕の考えたことを最低な意味で被せるな。

「黄瀬がお前にお礼が言いたいって言ってたぞ」

 典男を無視してトオルが話す。

「そうか、すぐに会いに行かないとな」

「あー、黄瀬はここに寄った後そのまま部活へ行ったから、会いに行くのは明日がいいぞ」

「オッケー」

「いやぁ、俺、桃乃井さんと連絡先交換しちゃったなー」

 まだ有頂天バカがいた。

「これはキタか。俺のターンが!」

 こういうことを言う奴ほど後で痛い目を見る。

「じゃあ、帰るか」

 僕はカバンを取る。トオルも同じく準備万端だ。

「いくぞ、バカ」

 典男にも一応声を掛ける。

「ふふふ……」

 これは今日1日は調子づくな。

「それで、要はどこ行ってたんだ?」

 トオルがカバンを肩に掛けながら訊く。

「ん?んー、内緒」

 僕はいたずらっぽく笑って誤魔化した。

 まだ中身も理由もトオルには教えたくなかった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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