閑話 すごいくすりとくものおかし。
ひらがなは大変だ…。
わたし、アリッサ。
アブクソムにすむおんなのこ。
きょうはおじいちゃんといっしょにじゆういちにむかいます。そこでおじいちゃんがつくったものをうるためです。
おじいちゃんはケイウン・ブッシ、めーこーです。かぐとかおさらとかをきをきったりけずったり、くみあわせたりしてなんでもつくるすごいひとです。
そんなおじいちゃんですが、こうしてときどきじゆういちにでかけます。どんなものをまちのひとびとがほしがっているのかしりたいんだそうです。
しなものをはこんできたにぐるまはしゃりんもにだいもぜんぶおじいちゃんのてづくりです。そこにいたやまるたをのせています。おじいちゃんはちゅうもんがあるとすぐにそのばでつくることもできます。これはそのためのざいりょうです。
じゆういちがやっているひろばにやってきました。
わたしたちのばしょのとなりにいたのはさんにんのひと。わたしはそこではじめてエルフのおんなのひとをみました。おはなしできいたみたいにおみみはとてもながくびじんさんです。そしておとこのひととネコのおねえさんがいました。
そしておじいちゃんがしなものをひろげはじめます。わたしもてつだってさいごにまるたをおろします。
まるたはさいしょ、いすのようにしてつかいます。だけどちゅうもんがはいるとそれをきったりくっつけたり、おじいちゃんがなにかをつくるざいりょうにします。
ひとつめをおろしわたしがすわりました。そしておじいちゃんはじぶんがすわるためのすこしおおきめのまるたをもちあげたときにひめいをあげました。
ぎっくりごしだ。
となりのおにいさんはそういって、ネコのおねえさんとおじいちゃんをゆっくりとねかせました。おじいちゃんはみうごきもとれず、うめきごえをあげるだけ…。わたしにはなにもできません、おろおろしているとおにいさんがなにかをとりだしました。
かいがらにはいったおくすり。みたことがある、おじいちゃんがいいくすりだといっていたもの。うちではたらくしょくにんさんがけがをしたときにつかったらよくきいたもの。
おにいさんはそれをおじいちゃんのこしにぬりました。
しばらくするとおじいちゃんのつらそうなこえもおさまりみうごきがとれるようになりました。
□
くすりをつくれるひとをくすしとよびます。どうやらおにいさんはそのくすしのようでじゆういちにくすりをならべていました。
しかも、はじまりのかねがなるまえにうりきれてしまいました。おじいちゃんのしなものもにんきがあるけど、こんなにはやくはうれません。
もうみせじまいなのかなとおもったら、こんどはタライをだしはじめました。
くもをたべられる、おにいさんはそういいました。
「くもを…たべるの〜?」
おじいちゃんはしんじていませんがわたしはきになってしかたありません。そしてしばらくするとおにいさんはなにかタライでつくりはじめました。
きのぼうのようなものにまとわりついていくのはまっしろなもの。わたしはそらをみあげます、そこにあるのはあおいそらにうかんだしろいくも。おにいさんはあのくもをつくったのでしょうか、そっくりです。
できあがったものをエルフとネコのおねえさんはとびつくようにてにとります。おいしい、あまい、ふたりはよろこんでたべています。
いいなあとおもってみているとおにいさんはわたしにもくれました。ちかくでみてみるとフワフワしています。そしてあまくすこしこうばしいにおいがします。くちにいれるとあまいあじ、それがくちのなかでとけていきます。
わたしはおもわずおおきなこえをあげてよろこびました。むちゅうでたべてきがついたらなくなっていました。
となりをみるとおにいさんのところはひとがウジャウジャ。すごくならんでいます。おとなのひとがれつをなしていまかいまかとじゅんばんをまっています。そしてこれもあっというまにくものおかしはうりきれてしまいました。
ふつうこんなことはありません。ゆうがたになってもしなものが、うれのこることはあるものです。それをこんなはやいじかんで…、どうやらおにいさんはすごいしょうにんのようです。
そんなおにいさんがあしたうちにくるみたい。そんなはなしをおじいちゃんとしています。
「おにいちゃん、ぜったいきてね」
やくそく。わたしはそれがたのしみになりました。
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