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第22話 ボク達と契約して◯◯になってよ!


 短いです。


 書きたかったんです、コレ。


「よろしく…。キノク」


「こちらこそ」


 リーンの紹介により、俺は彼女の相棒アンフルーと知り合った。立ち上がりこちらを向いたアンフルーはエルフの例に洩れず浮世離れした美しさだ。


「それにしてもアンフルーはのんびり屋だニャ。芽吹いた植物が花開くまで見守ろうだニャんて」


「そんな事ない、わずか四十日余り…」


「それはエルフのものさしニャ。キノク、知ってるかニャ?エルフは千年近くの寿命があるニャ。だからボクらより時間に関する考え方が大雑把(おおざっぱ)だニャ。エルフにとっての十日はボクらにとっての一日ぐらいの感覚ニャ。だから二日間ボクが帰ってこなかったのにもあまり怒らなかったのニャ」


 確かにその理論でいくと、実際には二日の遅れもエルフには一日の二割…五時間弱ほどの遅れぐらいの感覚なんだろうか?それなら芽を出したばかりの植物を花開くまで見守ろうというのも少しは納得がいく。


 四十日余りを見守るというのも、エルフ目線なら人間でいう四日ほどの感覚なんだろう。四日間も見守るのは退屈だろうが、小さな頃に植物の観察日記をつけた事がある。そんな感じだろうか…、四日で終わる観察日記ならまあやれる…かも知れない。


「なるほどなあ、リーン。もしかしたらエルフは時間というものをもっと大局的に見ているのかも知れない。他のエルフの人もみんな同じ感覚なのかも知れないな」


「いや、他の連中でもさすがに二日は待たせ過ぎ。苦情が出る」


「出んのかよ!?」


 まだよく分からないが…このアンフルー、なかなかに曲者(くせもの)かも知れない。


 しかし、なんだってリーンは俺を相棒のアンフルーに会わせたのだろう。こう言っちゃなんだが、俺には戦う力は無い。リーンは物理アタッカー、おそらくアンフルーは魔法職だろう。直接戦闘する以外に役割がある冒険者というのも確かにいる、斥候(せっこう)とかがそうだ。もちろん荷物持ちもそうだが、冒険者ギルドではあまり評価されていなかった。


「荷物なんて誰でも持てるンだよ!!」


 プルチンはよくそう言っていて、同時にパーティで使ってやってる事をありがたく思えと口にしていた。


 ましてやリーンとアンフルーは二人組のようだし、非戦闘員である俺を抱えるというのは一昨日まで所属していた高貴なる血統より苦労するのではないだろうか。あちらは四人、こちらは二人…戦える頭数が少ないのだから俺をカバーする手が足りなくなりやすい。


「ねえねえ、キノク〜?」


「なんだ、リーン?」


 そんな事を考えているとリーンはひょいと俺の前に回り込んで覗き込むように話しかけてきた。


「ボク達と契約(けーやく)してパーティの一員になってよ!…ニャ」


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