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第102話 城門内の危機


 森を抜けた俺達は湖を舟で対岸に渡った。


「ここがスフィアの故郷か…」


 船着場からすぐにゴルヴィエル公国の首都コルボスに入る事が出来る位置街の出入り口があり俺達はそのまま城下町に入った。


 中に入って分かった事だが城壁は城を囲う一つだけではなく、二重三重と張り巡らされている。これは日本の城で言う所の二の丸、三の丸といった感じか。しかし日本の城の城壁が城のみを守る防御施設であるのがほとんどなのに対して異世界の城は日本の城で言う二の丸や三の丸で城下町を囲っている。城を中心に人口増加や発展に伴い区画を広げ、その(たび)に二重三重と城壁もまた拡張されていったのだろう。


 城に近づくにつれ街並みは高級住宅地のような整然としたものに変わっていく。スフィアの話によればこのあたりは城詰めの騎士などが暮らす区域らしい。このあたりまで来ると本来なら警備も厳重なのであろうがさすがにそこは公爵家の一員、スフィアがいるだけで顔パスである。


 何の障害もなく城門にたどり着いた。


 スフィアの帰還にただちに門が開き俺達は入城した。門の内側はちょっとした広場になっている。これは城門を開いていざ出撃となった時に隊列を整え出撃したり、帰還した際にここで一旦待機する為のものだろう。


 出迎えた者がスフィアと一言二言と言葉を交わすとすぐに奥に走った、スフィアの帰還を主人である公爵に知らせる為だろう。すぐさま何人もの騎士や兵士達、そして武装はしてないが整った身なりの老年にさしかかったであろう男が駆けてくる。その様子に俺は思わず呟いた。


「ずいぶんと(あわ)ただしい感じがするな」


 彼らの様子を見るに何やら血相変えて押し寄せてきているようにも思える。


「おお!!ひ、姫様っ!!」


「アンドリュー、ただいま戻りましたわ」


「おお、おお。無事のお戻り、爺は嬉しゅうございますぞ!さあ、さあ、早く中へ!」


 アンドリューと呼ばれた爺さんは喜びに満ち溢れた顔でスフィアを中へ(いざな)おうとする。


「アンドリュー、この方達はわたくしがたいへんお世話に…」


「さぞやご苦労をなされた事でしょう…。あとはこの爺めに万事お任せ下さいませ」


 そう言うとスフィアと俺達との間に入るような位置に爺さんは動いた。先程までの満面の笑みは消えまさに憤怒(ふんぬ)の形相である。


「魔術師ギルドを通じて皇都のオルディリン神殿からまさに一報が入ったところじゃ!!猫獣人とエルフの娘二人と黒髪の男の合計三人、よくもよくも…」


 アンドリューの爺さんがサッと右手を上げた。たちまち騎士や兵士達が俺達を取り囲んだ。


「決して逃すな!三人とも必ず捕えよっ!!手向かいいたすなら構わんっ!!斬れ斬れっ、斬って捨てえぇ〜い!!」


 騎士や兵士達が抜いた剣や槍をこちらに向けた。彼らの目にもアンドリューと同じような怒りに満ちた目をしていた。



 いかがでしたでしょうか?


 作者のモチベーションアップの為、いいねや評価、応援メッセージなどを感想にお寄せいただけたら嬉しいです。レビューもお待ちしています。よろしくお願いします。


 モチベーションアップの為、いいねや評価、応援メッセージなどいただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。


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 次回予告。


 □ □ □ □  □ □ □ □  □ □ □ □


 この窮地に彼らはどう動く?


 次回『スフィアの大喝、キノクの診察』。


 お楽しみに。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 殆ど瞬間移動してきた主人公達より早く街に戻って報告上げるってブルチン達って超有能ですね!
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