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第一話 「勇者、日本に現る。」

―キンコンカンコーン―

あー、今日の授業も終わりだ。明日は、バイトだしさっさと帰るかー。なんて思いつつ、大学を出て河川敷沿いを歩いて帰るのがいつもの行動パターン。

だけど、今日はなんだかいつもと違った。

河川敷沿いを歩いてると、何やら人が倒れているのが見えた。

急いで駆け寄ってみると、そこには騎士のような、いや、RPGの勇者みたいな恰好をしている同い年位の男が傷だらけで倒れていた。


(コスプレの集まりでもあったのか?随分とリアル―、なんて言ってる場合じゃなかった。)


「って、おい!大丈夫か?」


返事がない。が、生きてはいるようだった。急いで救急車を呼んで病院へと連れて行った。


「ぅ……」

「おぅ、目覚ましたか?命に別状はないらしいが、話せるか?」

「こ、ここは?」

「ここは、病院だ。」 

「ビョウイン?」

「あぁ、河川敷沿いで傷だらけになって倒れていたんだ。覚えてないか?」

「いや、確か魔王の城にいたはず……」

「魔王の城!?あー、勇者役でリアルRPGでもやってたんか?」

「アールピージー?貴様は、何を言っているんだ?勇者なのは確かだが。」

「き、貴様!?ま、まぁいいけど。なんか混乱しているみたいだし。名前はわかるか?」

「俺の名は、リルド・ベルフェだ。」


(こ、こいつ頭でも打ったか?魔王だの勇者だの、それにベルフェって、あのRPGの主人公の名前だよな?役に成りきっているのか?いや、そういう感じでもなさそうだな……。)


「よ、よろしくリルド。僕は皇和馬(こう かずま)。家の場所は分かるか?」

「家に帰るつもりはないが、住んでいた場所なら魔王の城より遥か北にある小さな村だ。」


……………………


「と、とりあえず僕の家に来るか?」


(このまま放っておいたら大変なことになりそうだ……。)


「ふむ。一先ずついて行ってみるか。再び魔王に挑むにしてもこの傷を治さねば。」


こうして、僕はリルドを家に連れていくことにして病院を出た。


「な、なんだこの街は?何だあれは?見たこともない物ばかりだ。」


病院を出るなり、リルドは驚いたように辺りを見回していた。


「え?あれは車だろ。見たこともないって、どんな場所で暮らしてるんだ?」

「クルマ?馬車とは違うのか?魔王城の近くですらあんなものはなかった。」

「え、えっと、さっきから言っている魔王城ってどこにあるんだ?」

「魔王城は、アンデ大陸の丁度中央あたりにある。」


(アンデ大陸って、これもあのRPGの……。)


「もしかして、魔王ってアンデュバルとか言わないよな?」

「ん?良く知っているな。ここから近いのか?」

「いや、昔やったRPGに出てきたんだよ。だから、そんな場所は現実にはないよ。」

「現実にないとはどうゆうことだ?俺は現に、魔王に敗れてここに飛ばされたんだ!」


(これはもしや、今流行りの転生しました的なやつか?いや普通、こっちで死んで異世界行くんじゃないの?異世界からこっち来ちゃった感じ?)


「と、とりあえずここで話しててもあれだから家に着いてから詳しく話そうか。」


そうして、自称勇者を連れて家に向かった。


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