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第十三話「リルド、手掛かりを得る。」

ー次の日ー


スーッと押入れを開けると、いつも通りリルドが丸まっていた。

「……ん、どうした和馬。今日は、バイト休みだろ?」

目線だけを上にして答えた。


「ちょっとこっちに来てくれる?大事な話があるんだ。」

いつも以上に真剣な表情をしていたので、何も言わずに起き上がった。


テーブルの前に来ると、見覚えのあるソフトが置いてあった。

(これ、この間俺が閉まったやつじゃないか?)

「お、置き場所が不味かったか?」

「じゃなくて、やっと見つけた……というより思い出したんだ。」

「ん?」

状況が読めないのか、首を傾げる。


「出会ったときに、リルドの居た世界が、

“あるRPG”の世界にそっくりだって話したの、覚えてる?」

「言っていたな。あの時は何を言っているのかと思ったが。」

「そのゲームが、これだったんだよ!」

「な!!?」

驚きのあまり、言葉に詰まる。

しかし、よく見てみると自分とそっくりな髪形、色をした後姿が描かれている。


(なんだ、この妙な胸騒ぎは……?)


「……どうかした?」

「い、いや。自分と似ていると思っただけだ。」


(リルドも何か感じたのかな。)


「このゲーム、やってみない?きっと何かわかると思うんだ。」

「俺はゲームとやらはできー」

「操作とかは、僕が教えるから!」

「なら、和馬がやって見せてくれればいいじゃないか!」

「うん、最初は僕もそう思ったんだけど……。

リルドの居た世界は、僕にはわからないし。

実際に自分でプレイした方が分かることもあると思うんだ。」


……


…………


「わ、分かった。そこまで言うならやってみるか。」

「僕も横で見てるから。安心でしょ?」

「ふっ。なんだか和馬といると調子が狂うな。」

「ちょっと、それはどういう意味ですか?」

「なぜか昔から知っているような、そんな気持ちに……いや、そんなことより早くやるぞ!」

そそくさと、テレビの前へ移動するリルドの耳が、少し赤くなっているようだった。


(リルドも、僕と似たようなこと思ってたんだ……。)


「どうしたらいいんだ?」

「まず蓋を開けて。」

「こうか。」

「で、ソフトを入れて。」

「入れたぞ。」

「蓋を閉めたら、このボタンを押す。」

「これでいいのか。思ったより簡単だな。」


ボタンを押すと、テレビ画面に”Road to Peace Guide”と表示された。



第二章はこれで終わりです。


リルドは、無事元の世界に戻れるのでしょうか?

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