第九話「リルド、強制面接へ!?」
『ありがとうございました~』
店から出てきた二人。
「次、どこ行こうか?」
「ま、まだ買うのか?」
慣れないものを見すぎて疲弊したのか、声に覇気がない。
「とりあえずいっか!必要になったらまた買いにくればいいし。」
なぜか楽し気の和馬。
(ふぅ……なんで楽しそうなんだ……。ん?)
ふと気づく。
「色々と買ってもらったが、和馬はお金をどうやって稼いでいるんだ?貴族か?」
「貴族って……笑。前にちょっと言ったかもしれないけど、バイトしてるからね。」
「バイト?」
「うん。ゲームショップで仕事をして、お金を貰っているんだ。」
「しごと……か。」
(いつまでも和馬に出してもらうわけにはいかない……よな。)
「どかした?」
「べ、別に何でもない!魔物でもいれば、倒しまくって俺が稼ぐんだけどな!ハハハ!」
……スタスタスタ。
(なんか早歩きになってる……。あっ)
「リルドも一緒にバイトする?同じ場所なら安心でしょ?」
「っ!?俺がバイトだと?勇者の俺が?」
「だって、お金ないでしょ?すぐそこだからとりあえず行って店長に聞いてみるよ!」
「い、や、ちょ、、、まだ、心の、じゅ、、、」
抵抗むなしく、とあるゲームショップに連れていかれた。




