5話 【side:サンタナ】ヨシュアを追放したことを隠し、嘘をつくが……。彼が抜けた途端、パーティーの空気が悪い……?
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P.S ヤクルトの新助っ人じゃありません。きっと彼は有能です。
『深闇の森』の中腹。
休憩地点となる、その場所で、一人の男は笑いを堪えきれていなかった。
手で閉めにいくのだが、どうしても悪い笑みが溢れだしてしまう。
「……これほどうまくいくとは。ふふふ、はははっ」
パーティー『彗星の一団』リーダー、ホセ・サンタナ。その人であった。
そこへ、
「……あれ。ヨシュアくんは?」
『彗星の一団』の弓士であるソフィア・シュルツが姿を見せた。
紫クリーム色の髪が美しい、麗人である。
サンタナとしても、好みのど真ん中だった。とくになにより、そのすらりとした身体が魅力的でたまらなかった。
できれば、無理やりにでも、いい関係になりたい。
そう、普段から舌舐めずりをして見ていた。
それだけに、声を聞くだけでぞくりとする。
サンタナは唾を飲んでから、平静を取り繕った。
「あ、あぁ。彼ならどうしてもパーティーをやめたい、って言うからね。さっき、街に帰ってもらったよ」
「…………嘘」
「う、嘘じゃない。本当さ! 大方、普段から自分が役に立ってないことに負い目を感じていたんだろうね」
もちろん、本当は真っ赤な嘘だ。
このセリフも、ずっと前から用意をしていた。
ヨシュアを追放するというシナリオを考案したときからだ。
役に立っていないくせに、メンバーから信頼されている様子なのが、常々腹立たしかった。
自分が花形である先陣を担っているというのに、なぜヨシュアの方が好かれるのか。
それに、納得がいっていなかった。
その実、実力不足のサンタナを補助魔法などでサポートしていたのはヨシュアなのだが。
自分の力を信じて疑わぬサンタナには、気づける由もない。
「……ありえない。ヨシュアくんが、うちを置いていくはずがないもの」
「なにを言ってるんだい、ソフィア。さぁ、もう去ったやつのことなんか忘れて、まずはクエストを終わらせようじゃないか」
「…………」
ヨシュアの幼馴染・ソフィアは、険しい顔で黙り込む。
その心中は穏やかなものではなかった。
サンタナという男は常々うさんくさいと思っていたが、今回ばかりは確信があった。
間違いなく、この男はなにかを隠している。
「あれれ、ヨシュっちは? いないのぉ? なんでぇー!」
「ルリ。ヨシュアなら、パーティーが気にくわないから、やめたんだ」
「えー、ルリそんなの聞いてないしっ。まじなの、それ〜」
もう一人のメンバー、ルリ・ルーカスも不満をあらわにする。
短く結んだツインテールを乱す。小さな体を目一杯使って、怒りをアピールしていたが、あしらわれていた。
そうして、なし崩し的に、『彗星の一団』は再びクエストへと乗り出す。
ーーーーそこで、自分たちがいかにヨシュア頼りだったかを知ることになる。
次も、追放者サイドのお話です。
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