26話 悪行の事後処理。サンタナは取り調べ室へ。
仕事の合間を縫って投稿です! まだまだ参ります!!
「……こいつは、ぼろぼろになっちまったな」
技に耐えきれなかったようだ。
刀の刃が溢れて、ヒビが入ってしまっていた。
けれど、お飾りに近いナマクラにしてはよく持った方だ。
黙祷を捧げて、腰の鞘へとしまう。
代わりの刀は、新たに打ってもらえばいい。
さっき手に入れた『不燃の氷』を素材にすれば、かなり上質なものができるだろう。
「ヨシュア、すごい音したけど、大丈夫!? …………って、ピンピンしてるね?」
少し遅れて、ミリリがこちらへ走り寄ってくる。
魔法杖を構えていたが、すぐに降ろした。
わなわな、震え始める。
「ち、ちがうよ? ヨシュアの勝利を信じてなかった、ってわけじゃなくて! 万が一、ううん億が一、えっとその上はなんだっけ……」
「俺が言うのもなんだけどさ、せめて兆ぐらい覚えとけよ」
「むぅ。って、そこはどーでもいいのっ! とにかくね。もしかしたら、が私は怖くて……」
「分かってるよ。伝わってるから。心配してくれてありがとうな」
ミリリの機嫌が上昇に転じたのが、目に見えて分かった。
「えへへっ、ヨシュアこそ。守ってくれてありがとうねっ」
「なんか、ありがとうの応酬だな?」
「だね。でもさ、何回言ってもいい言葉だね」
……ミリリらしいフレーズだ。
ただ明るいだけではなく、彼女の芯の強さを感じる。
「よし、帰ろうか」
「うんっ。帰っても大忙しだよ? とりあえずまず、あの男の人突き出さなきゃ」
♢
帰り道は、男子と女子、それぞれ分かれて歩いた。
襲われたソフィア、ルリに配慮してのことだ。
サンタナは心底嫌そうな顔をしていたが、知ったことではあるまい。暴れるほどの魔力も残っていなかったようだ。
ライトシティに帰り着く。
俺たちは、すぐにギルドへと足を運んだ。
普段の犯罪ならば、街にいる警備隊の管轄だが、冒険者関連はギルドに一任されているためである。
事のあらましを、受付に立っていたサーニャにまずは伝えた。
「えっ、えっと、すぐ偉い人を呼んできます!」
少し慌てさせてしまった。
ペンやら紙やらがカウンターの奥で舞い飛ぶ。
さらには、それを踏んづけてすってんころりん。
まだ入って一月程度の新人さんである。
こういった事件の応対は初めてだったらしい。
「ホセ・サンタナ、貴殿の身柄を拘束させていただきます」
その少しあと、屈強そうな職員が数人現れる。
一生お世話になりたくないでお馴染みの、尋問官だ。
「……くそが。見てんじゃねぇよ」
サンタナは、両腕を拘束され、首を前へ突き出されながら、こう短く呟いた。
最後に、ぎろりと睨まれるがそれだけ。
重い鉄扉の奥へと、連れ去られていった。
【恐れ入りますが、なにとぞ! 下記をよろしくお願いします。】
4/19〜4/20にかけて、連投し、二章終わりまで話を進めます(19日は4話、20日は5話以上投稿の予定です)。
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