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18話 影からのサポートを続けていたら、新スキル習得しちゃいました! ボス魔物も倒しちゃいます。




引き続きよろしくお願いします。





その後も俺たちは、『彗星の一団』を影からサポートし続けた。


あたかもサンタナが倒したかのように見せかけ、そのちんけな自尊心を満たしてやる。

精度こそあれ威力に欠けるソフィアの矢を、ミリリの魔導で強化し敵を撃つ。


なにも、戦闘面に限ったことではない。


おっちょこちょいなルリが、落とし物をすれば拾ってこっそり返してやった。


はぐれそうになれば、草木などを利用して自然と道を正した。


「……か、神様なの、ヨシュアって」

「なんてことないレンタル冒険者だけど?」

「少なくとも、なんてことありまくりだよっ! まくりすぎて、袖なくなっちゃうよ!」


本当に、腕まくりをし始める始末だ。


俺は、唇に人差し指を当てて、静かにするよう促す。


ミリリは一瞬口に手を当てるが、少し後にはまたぽかんと開く。

よっぽど驚いてくれたらしい。


そうこうしつつ、一行は『深闇の森』をどんどんと攻略していく。


道中で、かなりレベルアップを果たすことができた。


……一応断っておくが、俺の話である。


なかなかないシチュエーションだけに、上昇幅も大きかったようだ。


_____________


冒険者 ヨシュア・エンリケ


レベル 365


使用可能魔法属性


火、水、風、土、雷、光


特殊スキル


俊敏(高)、持久(高)、打撃(高)、魔力保有(大)、広範探知(高)、目利き(高)、

【New!】隠密(中)


ギフト

【無限変化】

あらゆる武器や魔法への適性を有する。

一定以上の条件が揃うと、スキルを習得可能。


武器別習熟度

短剣 SS

長剣 B

大剣 B

弓  B

ランス C

魔法杖 B

……etc


_____________


前に見た時から、レベルが10アップしている。

そしてそれよりなにより、目を引くのは新スキルだ。


影から存在すら悟られぬよう、攻撃を繰り返したことが、功を奏したらしい。



いよいよ、今回の狩り対象であった、穴蔵龍・セイラードラゴンの元へたどり着く。


まだ、こちらに気づいていないようだ。寝床である、洞穴で体を休めている。


「ふっはは、力を取り戻した僕の前に敵はいないのさっ!!」


剣を大きく振りかぶり、中へと突っ込んでいくサンタナ。


勇猛、いや無謀だった。


目を覚すなり、混乱したように穴蔵龍は暴れ始める。


大したダメージも与えられず、眠った竜を起こすだけとなってしまった。


「きゃっ、地鳴り……!?」

「ミリリ、俺に捕まってろ」


狭い空間で、その大きな羽を広げ暴れだすのだから、こうなるのは目に見えていた。


もう少しは後先考えて欲しいものだ。


だが実際問題、起きてしまったことは仕方ない。やれるのは、後始末だけだ。


「母なる大地よ、鎮まりたまえ。『静寂の大地』!」


俺はあくまで影から、控えめな詠唱とともに、魔法杖を地面へ突きつける。


魔力のうねりで作り出した波動を、大地に伝えるのだ。

少しののち、ぱたりと揺れが止まる。


「そ、相殺しちゃったぁ!?」

「あ、おい! ミリリ! もう少し声量をーー」


って、俺も大きな声上げちゃったよ!


セイラードラゴンを相手にしていることもあって、まだこちらには気づいていないようだが……。


このままでは、万が一が起こらぬとも限らない。


俺は、先ほど得たスキル『隠密(中)』を発動する。

効果の程はまだ知らないが、名称から見て、この状況にはふさわしい。


「……えっ、ヨシュア? そこにいるよね?」


ミリリが確かめるかのごとく、俺の頬に手を伸ばした。

ぺたぺた、何度か触る。近づく。


ふいっと、俺は顔を逸らした。どうにも距離感が近すぎる。


「ふ、普通にいるけど」

「でも、なんか存在感が薄いというか……。悪口じゃないよ? ほんとに、そこにいる感じがしないの」

「……あー、なるほど」


たぶん、これがスキルの効果っぽいな。

『気配の消去』。


……スキルがレベルアップすれば、姿自体も消せるようになったりして。


「そういえば、あれ。ミリリもないぞ、存在感」

「えぇっ、私も!!?」

「うん。俺に触れた人の気配も消えるみたいだな」


なんにしても、今回の作戦には都合がいい。

俺は、ミリリの手をそっと握る。


「……これ、ドキドキするよぉ」


恥ずかしそうにしつつも、彼女は強く握りかえしてくれた。

こっちが照れ臭くなってくる。


そんなうちにもセイラードラゴンは、『彗星の一団』に襲いかかっていた。


咆哮をあげ、灰色の羽に業火を纏わせる。

直撃を食らえば致命的なダメージになりかねない。


「くそっ、僕の剣撃が全て弾かれた、だと!? 恐ろしく硬い表皮をしてやがる……」

「……来るわ。早く構えて」

「僕にあまり命じないでくれるかい、ソフィア」


こんな時にまで、そこにこだわるとは、呆れた根性だ。


ため息をついてから、俺たちは彼らの死角に入る。

セイラードラゴンが攻撃を仕掛けてくる直前、『水魔法・水流壁』を発動した。


瞬時に火の息吹を無効化し、そのすぐあと、魔法を解除、跡は残さない。


続けざまに、『雷大球』を作り出し、


「私も加勢するよっ!」


ミリリの魔導の力も借りて、それをサンタナのソードへ纏わせる。


セイラードラゴンは先ほどの水魔法により、すでにその表皮を濡らしていた。


つまり、高次元の雷魔法が少しでも触れればーーーー。


セイラードラゴンは、唐突に動きが緩くなる。

少しののち、頭から地面へと突っ伏した。すぐに、ドロップアイテムである『穴蔵龍の角』と化す。


ふぅ、と俺は息をついた。


これで、まずは一つ目のクエスト攻略終了である。


ミリリは、俺の腕をぶんぶん振って、


「すごい! 本当に最後までバレずに倒しちゃったよっ」


一応小さな声で、興奮を露わにしていた。



お読みいただき、ありがとうございます。

楽しんでいただけますよう頑張ります。


【恐れ入りますが、下記をお願いします】


・面白かった、楽しかった

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などと少しでも思ってくださった方は、画面下部の☆☆☆☆☆を★★★★★にして応援して下さると嬉しいです。

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